貯金なし・頭金なしでも住宅ローンの審査に通る?

2017年の金融広報中央委員会公表調べによると、3世帯に1世帯は貯金ゼロ。マイホーム取得が現実的な年齢となる30代や40代でも、頭金を用意できない世帯は少なからずいるようです。

「庭付き一軒家をいつかは持ちたい」などと考えているあなた、住宅ローンの頭金の準備はできていますか?

ドキッとした人が気になるのは、頭金なし・貯金なしのマイホーム取得プランでしょう。ここでは、自己資金がなくても本当に住宅ローンの審査に通るか、と頭金なしでマイホームを取得するリスクについて解説します。

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貯金なし・頭金なしでも住宅ローンの審査に通る人はいる

まず結論ですが、貯金なし・頭金なしでも住宅ローンの審査に通ることはあります。金融機関としてはお金を返してくれたらよく、返済能力が認められる人に対しては、前向きな態度をとるためです。

分譲住宅や中古マンションの広告で「自己資金がなくても大丈夫」「頭金0円より購入可能」などの見出しを見掛けたことはないでしょうか。

おとり広告というわけではなく、貯金なし・頭金なしでも組めるローンがあることの裏付けです。

子育て世代のママが集まる大手口コミサイトでも、フルローンで契約できた体験談がかなりたくさん見つかりました。口コミの中で目立った意見を参考までにまとめておきます。

フルローンでマイホームを取得した人の声

契約した人の声では「賃貸より得」「かえって支払いが少なくなった」など、メリットを強調する意見が目立ちました。頭金が貯まる前にローンを組むのは思い切った決断だけに「勢いで契約した」という声も多く、あまりにも考えすぎてしまうとマイホーム取得は難しいことが読み取れます。

・家賃より住宅ローンの方が安い。問題なく返済可能。
・夫の勢いに負けて契約した。不安だったが何とか支払いできている。
・結婚してすぐマイホーム取得。勢いがないと家は買えない。
・どうせ買うなら早い方が得。頭金を貯めていたら、いつになるか分からない。

一方で「契約したものの後悔した」という意見もあって、貯金なしの契約をしてもよいのかを考える際の参考になります。背伸びして住宅ローンを組んだことが原因でライフスタイルの選択肢が狭まる問題もあるようです。

・子どもの教育費がかかる頃に負担が重くなる。
・共働きだから何とか返済できているが、夫だけの収入では難しい。よく考えて契約しないと大変だと思う。
・夫が40代でフルローンを組んだ。定年後のことが不安。

参考:ママ向けコミュニティ「ママスタジアム」貯金頭金ゼロ、フルローンで家買った人いる?

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貯金なし・頭金なしで住宅ローンを契約するメリットは?

口コミで見られた意見も参考にしつつ、貯金なし・頭金なしで住宅ローン契約をするメリットをまとめました。フルローンを活用してでも住宅ローン契約を急ぐべき人の特徴にも触れつつ、考えられるメリットを見ておきましょう。

今すぐにでもマイホームを取得できる

まずは、住宅取得時期を前倒しできることです。人気のある土地・手頃な予算の物件は、すぐに希望者が埋まってしまい、頭金を貯めている間にとられてしまうリスクがあります。

不動産は同じものが2つとなく、まったく同じ物件は入居者が手放すまで出てきません。「ここに住みたい」と思ったときに決心しないと、後悔が残るリスクがあります。

頭金なしのローンが組めれば、今すぐにでもマイホームを購入できます。家計が赤字にならず、無理なく返済を継続できる金額で住宅ローン計画を立てれば、完売前の申込も可能です。

ただし、物件の申込をする際に「手付を入れてほしい」といわれることも多々あります。貯金なしとはいっても、手付分くらいは貯めておくと安心でしょう。

手付の相場は、物件価格の5~10%といったところです。人気の物件だと手付の減額交渉を受付けてもらえないケースも多いことから、すぐに支払いができる人ほど有利でしょう。

完全に「貯金がゼロ」という状態だったら、つなぎ融資を検討できます。すべての金融機関で扱いがあるわけではないため、事前に確認したうえで条件に合うところに相談しましょう。

低金利のうちに住宅ローンを契約できる

長期固定金利商品を中心として、金利の先高懸念が本格化している昨今です。2018年12月から2019年1月にかけてはいったん状況が落ち着いてきたようにも見えますが、アメリカ市場の動向や日銀の方針表明次第で、どうなるかは分かりません。

「これからもっと金利が上がる」と読む人は、有利な条件で契約できるうちに住宅ローンを組んだ方がおトクとも考えられます。

これは、金利情勢だけでなく、消費税や住宅ローン控除など優遇制度についても同じことです。いつ・どのように契約したら自分にとって望ましい結果になるかを考えて、戦略的にマイホーム取得を進めましょう。

貯金なし・頭金なしで住宅ローンを契約するデメリットは?

ここからは、貯金なし・頭金なしで住宅ローンを契約するデメリットを見ていきます。大きなお金が動く取引だからこそ、安易な判断は禁物です。考えられるデメリットや注意点を理解したうえ、慎重に住宅ローンを検討しましょう。

毎月の返済負担が重くなる

頭金がない分だけ借入が多くなるため、毎月の返済負担は重くなります。3,000万円を返済期間35年の固定金利(適用金利1.85%)、ボーナス払いなしでお金を借りたとしましょう。

この条件での毎月返済額は9.8 万円、総返済額は4,078 万円と試算できます。頭金を300万円用意して、借入希望額を2,700万円にしたらどうでしょうか。

毎月の返済額は8.8万円と、ちょうど1万円安くなりました。総返済額は3,670 万円になる見込みで、頭金の300万円をたしたら3,970万円。頭金なしのプランと比べて、100万円以上安くすみます。

住宅ローンの適用金利が高くなるかも

頭金をたくさん用意できる人ほど、金融機関にとっては「信頼できるお客さま」です。信頼できる相手を他社にとられないように、頭金の割合に応じた優遇金利を提示して、囲い込みをねらうことがあります。

フラット35を例に出すと、頭金を1割用意した人の最多金利は1.41%(借入期間21年以上35年以下の場合・2018年12月現在)。頭金が1割未満だと1.85%になっていました。少しでも有利な条件で借入したいと考えるなら、1〜2割の頭金を貯めましょう。

家具や設備の選択肢が制限される

住宅ローンを組んでマイホームを購入しても、箱ものが手に入るだけ。新しい家具を買ったりカーテンや壁紙を自分好みに変えたりと、自分好みの住環境を整えるには、一定の資金が必要です。

前の住居で使っていたものを持ってくるにしても、送料がかかります。使わないものは処分しないといけないため、どんなに安く見積もっても30万円くらいは必要でしょう。マイホームは、買ったところがゴールではなく、心地よく生活できる環境を整えてようやくスタートライン。「自宅は手に入ったものの」ということにならないように、資金準備が大切です。

住宅を売却しても完済できないリスクがある

一軒家でもマンションでも、人手に渡った瞬間に値下がりします。大々的な広告がなされていた物件だと広告費が価格に上乗せされることから、値下がり幅が大きくなりがち。「住宅ローンの返済が苦しくなったから、売却して完済しよう」と思っても、借金だけが残ってしまうリスクがあります。

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貯金なしで住宅ローンを組むのは非現実?新生活スタートにかかるお金

先に説明したとおり、住宅ローンは「箱もの」を得るために使うもの。家具や設備以外にもかかる費用はたくさんあって、貯金なしで家を買うのは非現実とも考えられます。マイホームを取得して新生活を始める際に必要な費用の種類と目安を見ておきましょう。

保険料・諸経費

物件を紹介してくれた不動産業者に対する手数料、住宅ローンの保証料や手数料、不動産の所有権を持つための登記費用などの諸経費は、新築物件で物件価格の3%・中古物件で6%くらいが最低ライン。グレードの高い火災保険を希望したり夫婦で半分ずつ所有権登記をしたりすると、もっと費用は高くなります。

固定資産税・都市計画税

固定資産税や都市計画税は、1月1日時点の所有者に対して請求されます。年度の途中で中古物件を購入すると、月割した金額を前の所有者に返済するのが通常です。翌年以降は自分たちのところに直接請求が来ることになるので、計画的に準備しましょう。

新居での生活費

新居に引っ越してすぐ、妻の妊娠や出産により、収入が半減するケースもあります。すでに子どもがいる世帯なら、教育費やレジャー費用など、支出が増えるタイミングが出てくるはずです。

賃貸マンションに住んでいれば、都心から離れたところに引っ越すなど、住居費用のコントロールを検討できます。住宅ローンの返済が始まると、なかなかそうもいきません。半年くらいは収入ゼロでも生活できるくらいのお金を貯めておくのが安心でしょう。

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審査に通る・返済できるは別問題、貯金習慣をつけてからの再検討がおすすめ

あれこれいってきましたが、個人的には「マイホーム取得より先に貯金習慣をつけましょう」と考えます。世帯年収が1,000万円を超えるくらいの余裕があっても貯金できない家庭は多く、お金の使い方を改めないままローンを組んでも、生活が苦しくなるためです。

住宅ローン審査に通る希望額≠返済できる金額

住宅ローンの審査に通る金額は、年収に返済負担率をかけて、機械的にチェックされることがよくあります。これはあくまで、金融機関が「貸してもよい」と考える金額です。

極端な話しをすれば、食費や服飾費、教育費などをかなりシビアに我慢して苦しい生活になったとしても、金融機関の担当者が困るわけではありません。

好きなことにお金が使えず、悲しい想いをするのは、契約者本人と家族だけです。無理なく返済できる金額は、世帯単位の家計状況をふまえた「私の場合」で考えないと、ミスマッチが生じます。

良心的な金融機関はフルローンに消極的?

最近の傾向として、貯金なし・頭金なしの住宅ローンを積極的に推奨しない金融機関が増えています。フルローンよりさらにたくさんお金を貸すオーバーローンの扱いがあっても、積極的な売り込みはなされないのが通常です。

この背景として、返済日に遅れることなく入金して、きちんと返せる優良顧客ほど過剰な借入を行わないことが考えられます。

リスクが高いお客をあえて呼び込む必要はなく、信頼できる相手と取引したいと考えるのは当然のこと。「貯金なし・頭金も入れられないけど、大丈夫でしょうか?」と聞いた時点で窓口の担当者が身構え、よい返事をもらいにくくなる可能性は高くなります。

家計簿をつけることからスタートしよう

マイホーム購入を考え始めてまず行ってほしいのは、家計簿をつけることです。手取り収入のうちいくらをどのように使っているのかを知らないことには、マイホーム購入に回す予算が決まりません。

「返せる見込みがなければ、審査で落ちる」という思い込みを捨てて、いくらお金を借りて何年かけて返すのかを自分主体で考えないと危険です。

とくに、今現在で貯金がないという世帯は、入ってきたお金を何らかの形で使っていることになりますよね。

無駄使いをしているつもりがなくても、交際費やプチ贅沢の積み重ね、生活水準が全体的に高めになっていることなど、貯金できない原因はどこかにあります。

ここを特定して対策をたてないままにマイホームを購入するのは、武器を持たずに敵地に乗り込むようなものです。家計簿をつけることで世帯単位の問題ときちんと向き合い、本当に住宅ローンを組んでも大丈夫かを考えてみましょう。

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