勤務先の会社が小さいと住宅ローンの審査が不利?

住宅ローンの審査では、いろいろな項目がチェックされます。「勤務先の規模が小さいと、住宅ローンが組めないのでは?」「審査に落ちたらどうしよう?」など、不安を感じる人もいることでしょう。

ここでは、勤務先の規模と住宅ローン審査の関係に焦点をあてて、通過率を高めるためのテクニックや審査落ちする原因について見ていきましょう。

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勤務先の規模は住宅ローンの審査結果に影響する

結論から入りますが、勤務先の規模は住宅ローン審査で重視される項目の1つです。東証一部上場で誰もが知っている会社の従業員や公務員・従業員10人未満の会社の従業員では、審査通過率や契約可能額が変わってくると考えられます。論より証拠で、大手不動産ポータルサイト「HOMES」の住宅ローンシミュレーションを試してみました。

◎シミュレーション1
30歳・年収300万円・医療、介護、福祉業界の営業販売職(正社員)
従業員10人未満・勤続年数2年以上・既婚(扶養家族1名)・負債0円・自己資金300万円
購入希望物件 埼玉県の中古マンション

借入可能額(推定値):1,720万円

画像はHOMESより引用

◎シミュレーション2
シミュレーション1と同条件。従業員のみ1000人以上に変更。

借入可能額(推定値):2,290万円

画像はHOMESより引用

※LIFULL 住宅ローン審査シミュレーションによる試算

従業員の人数を変えただけで、借入可能額が470万円も変わりました。勤務先の規模だけでここまで違うことを考えると、大企業がどれだけ有利かイメージしやすいのではないでしょうか。

購入予算が470万円違えば、選択肢となる物件のグレードや広さが段違いです。共用設備が整ったハイグレードマンション、しっかりとしたセキュリティがついているブランドマンションを検討できるかもしれません。

適用金利推定値にも、かなりの差が出ていますね。変動金利で0.275%・35年固定金利で0.1%の違いです。大企業に務めているだけで得することがたくさんあって、理想に近いマイホームを有利な条件で購入できる可能性が高くなります。

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勤務先の規模で住宅ローンの審査結果が変わる理由

金融機関が個人にお金を貸す際には、勤務先に貸すのと同じように考えます。会社の規模が大きいほど倒産するリスクが低く、安心できる貸し手です。

損するリスクが低いなら貸せば貸すほど金融機関が儲かるので、条件を下げても「お金を借りてほしい」という気持ちになります。

大企業に勤めている人が定期預金や普通預金に一定の資産を入れていると、銀行から「住宅ローンのご案内」などと営業を受けることも多いはずです。

小規模の会社になると、申込時点で業績がよくても、10年後や20年後にどうなっているかが分かりません。損するリスクが高いとなれば「どうしても取引したいなら、金利を高め・金額を制限しますよ」という判断となってしまいます。

同族会社勤務なら年収の妥当性もチェックポイント

中小規模の会社の中でもとくに厳しい評価を受けやすいのが同族会社勤務の人です。同族会社とは、親族など特定の関係者が議決権の半数以上を持っている会社をさします。

身内だけで経営が成り立っていると「住宅ローンの審査前3年間は給料を高めにしてほしい」といった調整も可能です。

「そんな不正は行っていない」と主張しても検証する術がなければ、審査落ちになってしまいます。金融機関によっては会社の決算書を提出させるなど、経営者に準じた取り扱いがなされるケースもあって、ひと筋縄にはいきません。

そのほかに住宅ローン審査が厳しくなる会社の例

大きな会社でも、大々的なリストラを進めているニュースが流れたり大きな不祥事が報道されたりすると、審査結果に影響するケースはあります。

経営難でボーナスカット、債務整理を進めているなど、明らかに経営状態が悪化している状況でも同様です。

会社員にとっては、会社の信用力が借入可否に大きく関わり、考えていた通りに住宅ローンを契約できないケースもありえます。リストラや給与カットになるリスクを100%回避できない以上は、状況に応じた軌道修正を行うしかありません。

マイホーム取得を考え始めたタイミングからできるだけ多くのシミュレーションを行って、臨機応変な判断が必要です。

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勤務先の規模以外に審査落ちの原因があるかも

ここまでは、住宅ローン審査と勤務先規模の関係を見てきました。小さい会社に務めていることがマイナスに作用するケースがあるとはいっても、勤務先の規模だけが原因と考えるのはややリスク。勤務先の規模以外の原因を考えることで、審査通過率が高くなるケースはあります。

住宅ローン審査のスコアリング方式とは

近年の傾向として、住宅ローン審査にスコアリング方式を採用する金融機関が増えています。スコアリング方式とは、年齢や返済負担率、健康状態など複数の要素を得点化、これらを合計した数値から契約可否を決める方法です。

国土交通省「平成29年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、スコアリング方式で審査を行う金融機関は14.2%・スコアリング方式を一部採用している金融機関は32.7%とされていました。

この結果を見ると、約半数の金融機関は、総合評価を取り入れていることが分かります。極端な話しですが、審査項目が10個あったとしましょう。

勤務先の規模が10点満点中1点だったとしても、ほかの9項目が10点だったら、審査落ちにはなりませんよね。自分では「勤務先が小さいから審査に落ちた」と思っていても、別の原因が足を引っぱり、落ちてしまった可能性は否めません。

雇用先の規模を審査項目にあげる金融機関は約2割

国土交通省の資料の中には「融資を受ける際に考慮する項目」について金融機関の意見を聞いた結果も載っていました。雇用先の規模を「考慮する」と答えた金融機関は22.2%にすぎません。一方で、9割以上の金融機関が「考慮する」と答えた項目は7個あります。

完済時年齢:申込条件に記載される完済時年齢のボーダーラインは、70~80歳くらいが主流です。ただ、無理なく返済を続けるには、定年退職年齢までに払い終える計画をおすすめします。現実的な計画に基づいてローン審査を受けることが審査通過の近道です。

健康状態:団信に加入できない健康状態だと、審査落ちリスクが高くなります。ただ、健康状態だけが理由になっている場合、ワイド団信の紹介を受けたりすでに加入している保険について聞かれたりと、何らかのアプローチを受けるのが通常です。理由が分からず審査落ちしたときは、ほかの項目を見直しましょう。

借入時年齢:住宅ローン完済時年齢との兼ね合いで、借入時年齢もチェックされます。勤続年数基準をクリアできる人なら若いうちに申込むのが望ましく、審査でも有利です。

担保評価:住宅ローンの返済ができなくなると、土地や建物を取り上げることで、債権を回収します。築年数が著しく古い・耐震基準を満たしていないなど、担保価値が認められにくい物件だと審査にはマイナスです。

年収:年収が高いほど、住宅ローン返済が滞るリスクが低く、審査通過率が高くなります。申込条件に具体的なボーダーラインが書かれていたらかなり重要なチェック項目になっているサイン。ボーダーラインを下回る年収の人が申込んでも、通過できる可能性は低くなります。

連帯保証:パートナーや親の連帯保証をつけることで、信用力がアップします。ただし、ここも「奥さまを連帯保障にしてほしい」など、住宅ローン担当者から聞かれてはじめて検討してもよい項目です。とくに話しを受けていない人だったら、別の原因を考えてみましょう。

勤続年数:勤続年数は、収入の安定性に関わります。「勤務先の規模が小さいうえに勤続年数も短い」というのは、金融機関にとっての不安要素。勤続年数が3年に満たない人は、条件がゆるい住宅ローンに申込むなど、対策を検討しましょう。

さて、いかがでしょうか?思わぬところに落とし穴が見えてきた人もいるはずです。原因が分からないまま他社の住宅ローン審査を受けても、よい結果にはつながりません。マイナス要素を減らしてプラス要素を増やすことが審査通過の近道でしょう。

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住宅ローン契約後なら小さな会社に転職しても大丈夫?

希望する仕事内容やキャリアプランによっては、大手企業から中小企業への転職を考える人もいます。「転職したい。だけど、マイホーム取得の夢も諦めたくない」という状況になったときには、どうすればよいのでしょうか。

住宅ローン契約前に転職するパターン・契約後に転職するパターンに分けて、問題点や注意点を見ていきます。

住宅ローン契約前に転職するとどうなる?

住宅ローンの契約前に転職すると、審査難易度が上がります。勤続年数・勤務先の規模と2つの懸念材料が出てきて、金融機関から警戒されるリスクが伴うためです。

キャリアアップにつながる転職や専門性を活かした転職なら勤続年数基準を緩めてもらえる可能性があるのですが、大手企業から中小企業に入った状況だと難しいかもしれません。

住宅ローン契約後に転職するとどうなる?

では、マイホーム取得を優先して、転職を先延ばしした場合はどうでしょうか。氏名や住所、勤務先が変わったら報告をするように約束するのが通常ですから、所定の手続きが必要です。

会社の規模や年収が変わっても一括請求を求められるわけではなく、返済を継続できれば「お咎めなし」とされる可能性が高いでしょう。

大きな声ではいえませんが、転職後の手続きを行わない人は以外と多く、シビアにチェックされる部分ではありません。

ただし、約束違反をしている以上は「期限の利益喪失」となり、一括返済を請求されても文句がいえない立場になってしまいます。時間がかかる手続きではありませんから、なるべく早めに相談しましょう。

契約自体は問題なく継続できたとして、規模が小さい会社に転職した際に年収が下がると、別の問題が懸念されます。

同じペースで住宅ローンを返済するのが苦しくなって「毎月の負担を軽くできないか?」という考えが出てくることです。

年収が下がることを覚悟のうえで契約したにも関わらず、そのときになったら「やっぱり辛い」というのが倫理的に許されるかは別として、計画変更の相談は可能。返済が遅れる前に自分から連絡し、これからについて話し合います。

住宅ローンの返済期間を当初より長くして毎月の支払い金額を減らす・返済額軽減型の繰上げ返済を行うなど検討できる選択肢はいくつかあるので、返済が遅れる前に対処しましょう。

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