住宅ローン審査に通る勤続年数の目安は?

国土交通省「平成29年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、勤続年数を審査項目に含める金融機関は92.7%。転職してすぐマイホーム取得を検討すると、審査落ちするリスクがあります。では、どのくらいの勤続年数があればよいのでしょうか。ここでは、住宅ローン審査と勤続年数の関係を紹介します。

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住宅ローン審査に通る勤続年数の目安は1~3年

冒頭で紹介した資料の中に、勤続年数の目安も載っていました。勤続年数のボーダーラインは、以下のようになっています。

審査項目 具体的な内容(複数回答可) 回答数
勤続年数 3年以上 271
2年以上 60
1年以上 645
その他 230

 

勤続年数1年以上とする金融機関がもっとも多く、次いで2年・その他となっています。複数回答も可能なので一概にはいえませんが、安全圏の目安として覚えておくなら「3年以上の勤続年数があれば、ほとんどの金融機関でOK」と考えるのがよいでしょう。

【金融機関別】勤続年数の基準一覧

気になる住宅ローンが決まっていれば、約款や商品説明を調べてみましょう。勤続年数に関する基準が明記されていることも多く、具体的な目安がはっきりします。

できるだけ条件がゆるやかな金融機関を探したい人は、下の表を参照ください。主要な金融機関が設定している勤続年数の基準を一覧表にまとめました。

金融機関名 勤続年数
三菱UFJ銀行 3年以上
みずほ銀行 – ※安定した収入がある人
三井住友銀行 – ※安定した収入がある人
りそな銀行 1年以上
新生銀行 2年以上
ろうきん 1年以上(自営業者は3年以上)
ARUHI – ※返済負担率の基準を満たす人
楽天銀行 – ※前年度年収400万円以上
住信SBIネット銀行 – ※安定かつ継続した収入がある人
イオン銀行 6ヶ月以上(自営業者は3年以上)
じぶん銀行 – ※転職から3年未満の申込は職歴書の提出が必要
ソニー銀行 – ※前年もしくは申込年度に転職をした人は、以下の書類が必要。
1. 雇用契約書や採用通知書もしく年収見込証明書など、収入金額が分かる書類
2. 転職後の給与明細・賞与明細

 

勤続年数1年未満ならイオン銀行がおすすめ

勤続年数の目安を公開している金融機関の中で比較的条件がやさしいのはイオン銀行の住宅ローン。6ヶ月以上が条件なので、転職してから1年未満の人にも審査通過のチャンスがあります。

契約社員・派遣社員も申込可能、年収基準は100万円以上と、勤続年数以外の条件も厳しいものではありません。

イオン銀行の住宅ローン相談は、ショッピングモール内の各店舗で受けられます。土日も含めて相談予約ができますから、具体的な話しを聞いてみましょう。前日までに相談予約を入れておけば、待ち時間なくスムーズです。

勤続年数基準を設けず柔軟審査を行う金融機関

最近のトレンドとして、勤続年数基準を明記しないで、柔軟な対応をとる住宅ローンも増えています。

上の表では、じぶん銀行やソニー銀行がよい例です。履歴書や採用時の条件を見ることで、申込者の「稼ぐ力」を総合的に判断し、審査結果に反映します。

公式ホームページに明記がなくても、対面対応している金融機関では、同様の扱いがなされることがあるはずです。

このような金融機関のを検討すると有利になる例として、住宅ローンの審査でマイナス評価を受けにくい転職をした人たちが考えられます。勤続年数で機械的に審査されれば審査落ちするスペックでも、住宅ローンの契約できる可能性が高まるためです。

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住宅ローン審査でマイナス評価になりにくい転職4パターン

では、どんな転職ならマイナス評価を受けにくい傾向があるのでしょうか。典型的なパターンとして知っておきたい事例4つを具体的に見ていきます。

明らかにキャリアアップといえる転職

転職には、キャリアチェンジとキャリアアップの2種類があります。キャリアチェンジは、仕事内容や業種を一気に変えて、新しいことに挑戦するための転職にあたるものです。

キャリアアップは、待遇改善やスキルの向上目的で行う転職が該当します。住宅ローン審査で有利になるのは、当然ながらキャリアアップ。

前職と同じ業界のトップ企業に入った・管理職候補としてよい条件を提示されているなど、誰が見ても「キャリアアップした」といえるような転職なら、勤続年数の短さがネックにならないことがあります。

大幅な年収アップが見込まれる転職

ソニー銀行のように年収見込証明書や転職後の給与明細を提出させる会社では、年収アップを重視しているものと考えられます。

大幅な年収アップが見込まれる転職は住宅ローンの審査に影響しにくく、悪い印象になることばかりではありません。

対面による住宅ローン相談を受ける際には「マイホーム取得を目指して、より待遇がよい仕事に移った」など、前向きなアピールができれば、ポジティブにとられるケースもあります。

専門的なスキルや資格を活かした転職

弁護士や税理士など、いわゆる「士業」の転職は、住宅ローン審査に影響しにくい傾向があります。注意したいのは、独立して事務所を構えるケースです。「経営が安定するまで様子を見よう」と考える金融機関もあるため、マイホーム取得のタイミングを検討しましょう。

グループ会社への人事異動

大手企業に勤めていると、グループ会社への転籍を打診されるケースがあります。もとの会社との労働契約はいったん解除することになるため、勤続年数もリセットされてしまいますが、住宅ローンの審査では「やむを得ない事情」として扱うことも多いようです。

事情をきちんと説明しないと、一般的な転職と同様の基準が適用されることになります。ネット銀行の申込をする際にもひと言添えて、自分の意思で転職したわけではないことを明示しましょう。

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勤続年数が短くて住宅ローンの審査に落ちた場合の対処法

勤続年数が短くて住宅ローン審査に落ちてしまった場合でも、検討できる対処法がいくつかあります。アプローチを変えれば住宅ローン審査に通るケースはあるので、あきらめる必要はありません。考えられる選択肢の中から、可能なものを試してみましょう。

住宅ローン審査に落ちた原因を考え直す

最初に行ってほしいのが、住宅ローン審査に落ちた原因の洗い出しです。勤続年数以外には、以下のような内容がチェックされます。転職したばかりだと「勤続年数が原因で落ちた」と考えがちですが、ほかの要素がネックになった可能性も否めません。

・国籍
・完済時年齢
・借入時年齢
・健康状態
・担保評価
・年収
・返済負担率
・金融機関の営業エリア
・カードローンやクレジットカードなど、ほかの借金の状況と返済履歴

そもそも論になりますが、住宅ローン審査はスコアリング方式を採用するのが一般的です。スコアリング方式とは、勤続年数・年齢・健康状態など各項目を評価、合計得点で契約可否を判断する方式を指しています。

勤続年数の得点が低くても、ほかの項目で高得点を出していれば、審査通過も可能です。遅れている支払いはないか、年収に対して希望額が高すぎることはないかなど、冷静に考えてみましょう。

基準がゆるい金融機関の住宅ローンに申込む

一覧表でも見たように、勤続年数の基準は住宅ローンごとに様々です。少しでも条件がやさしいところを選択すれば、審査通過率が高くなります。

ネット銀行は住宅ローン審査が厳しい・地方銀行は通りやすいなど一般論は、あくまでも総合的な視点からいわれることです。勤続年数がネックになっている人なら、勤続年数基準を優先事項に考えて、住宅ローンを選択しましょう。

時期を変えて再度審査に申し込む

「あと3ヶ月待てば、勤続年数3年になる」など特定の状況では、切りがよい時期が過ぎてから住宅ローン審査を受ける方法が検討されます。

転職したばかりは試用期間と考えて給与を下げる会社に入った場合も、本採用の待遇になってからあらため住宅ローンて審査を受けた方が有利でしょう。

もっというと、最初のボーナスが支給されてから住宅ローン審査を受けると、契約可能額が高くなるケースもあります。住宅ローン審査に通るかどうかの瀬戸際ラインにいる人は、少しでも高い評価を受けられる時期に合わせた申込がおすすめです。

職歴書を書き直して審査に申し込む

転職活動用に作った職歴書は、応募先にアピールするために書いたものです。そのまま流用するのではなく、住宅ローン審査で高い評価を得るための書き方に修正しましょう。

とくに大事な項目は、業種と転職理由です。虚偽記載は禁物ですが、明確な理由やキャリアアップしている様子が伝わるように工夫しましょう。

フラット35を検討する

実際問題として、人間関係や家庭の事情など、キャリアアップ以外の理由で転職する人は多いものです。

金融機関から理解を得られる自信がない場合は、フラット35を考えてみましょう。フラット35は、前年度の年収から計算した返済負担率を重視します。返済負担率が以下の水準以下だったら、勤続年数が1年未満でも申込が可能です。

年収400万円未満:返済負担率30%以下
年収400万円以上:返済負担率35%以下

このときの年収ですが、昔の勤務先の数字ではなく、転職後の数字を使います。転職から1年未満でも、今の収入を証明する書類から月収を計算し、12ヶ月分にしたものを使用するルールです。

◎計算例
転職日:2017年12月1日
住宅ローン申込日:2018年11月1日

2017年の収入:25万円
2018年1月~10月の収入:30万円

◆11ヶ月分の収入から月収を計算
(25万円+30万円×10か月)÷11か月 = 295,454.5455円 ※1円未満は切捨

◆計算された月収の12ヶ月分で年収を計算
295,454 × 12ヶ月 = 3,545,448円

勤続年数が短い人を審査に通すつもりがなかったら、このような計算ルールを設ける必要はありませんよね。固定金利の住宅ローンに抵抗がないなら、フラット35の詳細を調べてみてはいかがでしょうか。

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勤続年数が短い人は住宅ローンに連帯保証をつけるべき?

勤続年数が短いことを住宅展示場のスタッフに相談すると、連帯保証や連帯債務を紹介されることがあります。

不動産業者としては住宅ローンの審査に落ちると困るので、安全策を勧める傾向があるためです。連帯保証や連帯債務にはいろいろなリスクが伴うため、安易な判断は避けましょう。夫婦のライフスタイルを考慮して、後悔しない判断が必要です。

住宅ローンの連帯債務・連帯保証契約に伴うリスク

連帯債務・連帯保証契約を選択するなら知っておきたいリスクは3つあります。

主たる契約者しか団信の対象にならない

まず、夫婦のどちらかに万が一のことがあったときの保障です。フラット35など一部の例外を除き、夫(主たる契約者)しか団信の対象にはなりません。

夫婦共働きを前提にして住宅ローン審査に通ったのに、妻に不幸があっても残額がそのまま残ってしまって、夫が苦労するリスクがあります。

ライフスタイルの変化に対応しにくい

連帯債務を選んだ場合は、妻もローンの当事者です。出産や育児で仕事を続けられなくなったとき、夫が肩代わりした場合には、贈与税が発生するリスクがあります。

贈与税の支払いをやむなく受け入れてローン返済の全額を夫が担当したとしても、もともと自分の担当だった返済分しか、住宅ローン控除が受けられません。

妻が受けていた住宅ローン控除の金額 + 贈与税 と家計の支出が大幅に増えるのに収入は減り、非常にシビアな状況になると予想されます。

離婚に伴う財産分与が複雑になる

最後に、夫婦仲がうまくいかず離婚になってしまったとき、財産分与が複雑になることです。関係をすっきり精算させるために売却しようと思っても、住宅ローン残高に満たない金額でしか売れなかったら、負債を抱えることになります。

それではもったいないのでどちらかがローン返済を引き受けてマイホームを維持することになったら、借り換えが必要です。そもそも単独ローンが難しいから連帯債務や連帯保証を選んだのに、審査に通る金融機関が見つかるかは分かりません。

連帯債務・連帯保証自体がネガティブな印象になることも

さらに、連帯債務や連帯保証を選ぶこと自体がネガティブにとられるリスクもあります。キャリアアップや年収アップをねらって前向きな転職したはずの人が「勤続年数が足りないから、妻に助けてもらいます」といっていたら、どんな印象を受けるでしょうか。
やや無責任で他人まかせのように感じる人が多いかと思います。

金融機関の担当者も人間なので「この人は通してあげたい」と思えば審査部門に掛け合い、そうでない人の対応は機械的になってしまうのが人情です。住宅ローンの担当者の共感を得るためにはどんなアピールがよいかを考えると、自然と答えが出てきます。

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