過去の滞納・延滞履歴は住宅ローン審査に影響する?

クレジットカードやカードローンの滞納は、住宅ローンの審査がスムーズに進まない原因の1つです。

住宅ローン審査とクレジットカードの使い方の関係をおさらいして、マイホーム取得に備えましょう。合わせて、クレジットカード以外に気をつけたい滞納・延滞問題についても触れていきます。


住宅ローン審査にマイナス?注意したいクレジットカードの使い方5選

まずは、住宅ローン審査にマイナス影響を与えるかもしれないクレジットカードの使い方NG例を見ていきます。

住宅ローンに申込を行う前に該当するものがないかを確かめることで、審査通過率アップの可能性もあります。クレジットカードの使い方に不安を感じる人は、ひと通り目を通しておきましょう。

長期の延滞・滞納

カード会社と約束した日付に1日でも遅れると、延滞・滞納になってしまいます。これらがすべて住宅ローン審査に関係するわけではなくて、信用情報機関に事故情報が載ってしまうと大きなマイナス。

事故情報掲載までの期間は会社によって異なりますが、2週間を超えたくらいからあやしくなります。住宅ローンの審査に関係する信用情報機関は3種類です。どこか1つにマイナス情報が載っているだけでも、通過率に影響するリスクがあります。

日本信用情報機構(JICC): 消費者金融や信販会社が主に加盟しているもっとも古い情報機関。改正貸金業法の指定信用情報機関として、重要な役割を果たしています。延滞や債務整理情報の登録記録は5年間です。

シー・アイ・シー(CIC):クレジットカード会社や信販会社が主に加盟している情報機関。月1回は原則的に情報更新するように決まっているため精度が高く、一部の消費者金融も会員になっています。事故情報の登録期間は、JICC同様の5年です。

全国銀行個人信用情報センター:銀行や銀行系のカード会社が会員になっています。農協や信用金庫など銀行と同じ区分に含まれる金融機関も、加盟している機関です。延滞情報や債務整理の登録期間は5年ですが、自己破産は10年とシビアな基準になっています。

各情報機関に保管される内容は、延滞や債務整理情報だけではありません。新しい借入と返済など入出金情報も一定期間は保管され、信用力の参考資料に活用されることがあります。

長期の延滞・滞納扱いになっていなくても「この人は支払いをさぼりがち」「数日遅れを繰り返している」など、掲載されているお金の流れから誠実さを調べる金融機関もあるようです。

「事故情報を残さなかったら大丈夫」とは考えず、短期の延滞・滞納もできる限りは控えましょう。約束している期日通りにきちんと返し、実績を重ねてください。

高額のキャッシング枠を持っている

キャッシング枠とは、カードで買い物するわけではなく、現金を貸してくれるサービスのこと。キャッシング枠の設定が高額だと、住宅ローンの審査にマイナスとなるリスクがあります。

すでに借りているお金だけではなくて、キャッシング枠を持っていることでも「潜在的な借金」とみなされるケースがあるためです。

金融機関の立場で考えてみると分かりますが「この人は住宅ローンを借りたので、もうキャッシングさせないでください」とストップをかけることはできず、追加の借金がなされるリスクが伴います。将来的な不安要素を抱える人にはお金を貸せない、ということで、お断りになる可能性もあるのは当然です。

自分で申込んだ記憶がなくても、発行時点から一定のキャッシング枠がついているケースはあります。不安を感じる人は、カード会社に確認しましょう。

リボ払い残高が残っている

住宅ローンの審査では、契約可否だけでなく借入可能額を設定します。借入可能額とは「この金額までなら貸します」と、金融機関がゴーサインを出す数字のことです。

クレジットカードのリボ払い残高が多いと「すでにたくさん借金をしている人」と判断されて、希望額が認められないリスクがあります。

平たくいえば「3,500万円を希望したのに2,000万円しか借りられなかった」となるケースもあるということです。残高がある場合はもちろん、高額枠を持っているだけでも住宅ローンにマイナスとなる可能性があるのは、キャッシング枠と同じことです。潜在的な借金と判断されて、住宅ローンの可能額が低くなるリスクがあります。

年収に対してすべての借金の年間返済額合計が締める比率は、返済負担率と呼ばれるものです。フラット35の基準を例に出すと、400万円未満なら返済負担率30%・400万円以上なら35%がボーダーライン。

これを超える希望額を出しても審査に通らず、住宅ローンは借りられません。ここで、リボ払いがどのくらい借入可能額に影響するかを具体的な数字で見ておきましょう。毎月1万円をリボ払いしながら住宅ローンを組む人の借入可能額は、下のように計算できます。

年収 借入可能額(リボ払いなし) 借入可能額(リボ払い込み) 差額
300万円 2,485万円 2,153万円 332万円
400万円 3,865万円 3,534万円 331万円
500万円 4,832万円 4,500万円 332万円
600万円 4,230万円 4,110万円 120万円
700万円 4,940万円 4,820万円 120万円

 
※ 返済期間35年・適用金利1.41%・元利均等返済・フラット35提供ツールで試算

毎月1万円でも、100万円から332万円と大きな差がつく結果です。年収が低い人ほど差額が大きくなり、借入可能額は少なくなってしまいます。

「これはマズい」と感じた人は、住宅ローンの申込を行う前に一括返済を検討しましょう。リボ払いは総返済額が大きくなりやすい返し方にあたりますから、マイホーム取得を迷っている段階で一括返済したとしても一定のメリットが期待されます。

使っていないクレジットカードが何枚もある

楽天カードやイオンカード、エポスカードのように、買い物施設や通販サイト別のクレジットカードを持っている人はたくさんいます。

マイルを貯めるための航空会社のカードやガソリンカードまで含めると、お財布がパンパンになるくらいの枚数を持っている人もいることでしょう。住宅ローン審査に通ることを優先するなら、利用頻度が少ないカードは解約するのが正解です。

1枚ごとの利用枠は少額でも、合計すればかなりの利用ができる状態のまま、住宅ローンを組むとどうなるでしょうか。2,000万円や3,000万円といった大きな金額を借りたにも関わらずこれまでと同じようにクレジットカードを使ってしまい、返済ができない状況にもなりかねません。

家計管理の観点から考えても、何枚もクレジットカードを持っている状態が望ましいとはいえません。頻繁に使っているメインカード+1枚を残すくらいに留めて、余分なカードを整理しましょう。

家族カードの利用状況が分からない

家族カードの利用状況を把握できていない状況も、住宅ローンの審査にマイナスとなるリスクがあります。

夫が知らないうちにたくさん買い物をしていた・キャッシング枠で借入をしていたなど家族の勝手な利用でも、夫のところに請求が来ます。

「家族同士の隠し事はけしからん」など感情論は別として、問題なく返済できているならよいのですが、支払いが遅れていると問題です。

家族カードは夫の信用力に基づいて発行されるものなので、滞納や延滞が起こったときに情報が残るのは夫のところ。「妻が使ったものだから、私の責任ではない」といった理屈は通じず、住宅ローン審査にも影響するケースがあります。

事前のリスクヘッジですが、妻や子どもに家族カードを持たせているなら、利用状況を共有しましょう。「カードを使う前に必ず相談する」などルール化して運用することで、滞納・延滞を予防します。

妻や子どもに一定の収入があってカード加入が可能なら、各自の責任による運用も考えてみましょう。家族全員が家計引き締めの意識を持ち、世帯単位の収支管理が大切です。

携帯電話代金の滞納・延滞も住宅ローン審査に影響がある

クレジットカードの滞納・延滞はなく、年収や勤続年数も問題ないはず。それでも、住宅ローン審査に落ちてしまったという人は、携帯電話代金の滞納が考えられます。携帯電話代金の滞納が信用情報に影響する理由と対策を見ておきましょう。

スマホの分割払いはクレジット契約の一種

ガラケーが主流だったころは、携帯電話代金の延滞が住宅ローンに影響するのはほとんど見られませんでした。あえていえば、度を超した滞納で訴訟問題に発展したなど、とくに悪質なケースだけです。

スマホが普及したことで本体の分割払いが始まったあたりからは、状況が一転します。10万円などまとまった金額の本体代金を1回で払うのは大変なので、24回などの分割払契約を結ぶのが通常です。

この契約は、クレジット契約の一種とされます。支払いが遅れてしまうとクレジット契約の滞納と同じ扱いになるところがポイント。滞納・延滞記録が信用情報に載ってしまうと、カードの支払いが遅れた際と同じ扱いになって、住宅ローンの審査に影響するリスクがあります。

携帯電話代金の滞納率は約3%

やや古いデータですが、シー・アイ・シー(CIC)の公表によると2014年時点の滞納率は3%くらいだったそうです。2010年時点の滞納率は1.5%くらいだったそうで、たった5年で2倍近くになったことが分かります。

携帯代金の滞納は、クレジットカードやカードローンと比較して簡単に考えやすく、「携帯電話代金くらいなら」と思ってしまうことが一因でしょう。

信用情報機関にマイナスの情報が残るのはもちろんのこと、日常的な支払いを後回しにしやすい人が住宅ローンを組むのはハイリスク。「支払い期日は守るもの」と気を引き締めて、日常的なお金の管理をきちんとしましょう。

奨学金の滞納・延滞は住宅ローンに影響するの?

携帯電話代金以外にも、見落としがちな滞納・延滞トラブルはいくつかあります。たとえば、大学や専門学校、大学院に通うため利用した奨学金です。

奨学金には、返済不要の給与型・貸与型の2種類があります。ほとんどの人は貸与型を使うことになるので、社会人になったらすぐ返済責任が生じるはずです。

借りる金額や返還方式によって返済期間や金額は変わりますが、10年以上になるケースはざらにあります。大学卒業から10年弱と考えてもマイホーム取得を検討する時期にかかる可能性は高く、滞納・延滞を起こしてしまうと審査結果にマイナスです。

奨学金を考慮して借入希望額を計算する

滞納・延滞していない人でも、奨学金を借りていること自体が問題になって、住宅ローンを契約できないことがあります。年間の奨学金返済額+希望した金額だけ借りたときの住宅ローン返済額が年収に対して高すぎると、審査落ちになるためです。

もちろん、毎月の奨学金返済分を計算に含めて借入希望額を求めれば、住宅ローンが借りられる見込みはあります。「奨学金を使ったからマイホーム取得は難しい」というわけではないので安心ください。

奨学金は、ほかの借金と比較して明確な理由があり、金融機関にとっても納得しやすい借入です。滞納しない・奨学金と住宅ローン返済を両立できる計画を建てているなどポイントをふまえて審査に臨み、マイホーム取得の夢を叶えましょう。

カードローンの延滞・滞納も住宅ローン審査に影響が大きい

アコムやプロミスなどの大手消費者金融、中小の消費者金融のカードローンや、銀行カードローンなどで過去にお金を借りて、返済を延滞してしまった場合、クレジットカードの延滞と同様にJICCやCICなどの信用情報機関に記録されますので、住宅ローン審査に大きな影響を与えます。

また、消費者金融や銀行カードローンもクレジットカードを同様に、借入限度額が設定されています。住宅ローンを組んだ後にも、借りることができてしまうので、潜在的な借金と判断される場合もあり、過去にカードローンで延滞をしていなくても、住宅ローン審査に影響を与えてしまう可能性があります。

できれば、住宅ローン申込み前に、カードローンの解約をしておくことをおすすめします。

気をつけたい滞納・延滞トラブルはほかにも多数

最後に、クレジットカード・携帯電話料金・奨学金以外の気をつけたい滞納・延滞トラブルを見ておきます。以下のような支払いは住宅ローンの審査に影響するリスクがあるので、気をつけましょう。

税金・社会保険料・水道料金・ガス料金・電気料金

税金や社会保険、公共料金の延滞・滞納は、信用情報機関の記録に残りません。ただ、悪質な滞納・延滞は口座の差し押さえを受けるリスクがあります。

差し押さえの履歴を金融機関が知ったときには、ネガティブな印象になるはずです。クレジットカード経由で支払いをしている人だと、信用情報に傷がつきます。毎月の支払いをきちんと把握、忘れずに支払う習慣が大切です。

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