奨学金の返済期間(回数)は?

借りた奨学金は、当然ですが返還していく義務があります。どのくらいの期間でどのように返還していくのか、借りる前にシミュレーションしておきたいものです。

この記事では、奨学金の中でも借りる人が最も多い日本学生支援機構の奨学金の返還期間や返還方法について解説していきます。

スポンサードリンク

 


奨学金の返還を開始する前に必要な手続き

まず、奨学金の貸与が終わった時点でしなければならないことがあります。

それは、「貸与奨学金返還確認票」の確認です。貸与奨学金返還確認票は学校から渡されますので、必ず確認してください。

特に念入りに確認してほしいのは、

・借りた奨学金の種類
・借りた金額や貸与の状況
・返還の条件(選択した割賦方法、返還期日、返還回数、割賦金、総支払額など)
・氏名や住所や電話番号
・保証の種類(連帯保証人か機関保証か)

といった項目です。
もし、疑問点があったり、住所や電話番号に変更があった場合、在学中であれば在籍する学校へ届け出を行います。

次に、奨学金を返還するための引き落とし口座を設定します。

日本学生支援機構の奨学金の返還は、口座振替のみによって行われますので全員が絶対に口座振替の手続きをしなくてはなりません。

日本学生支援機構では、この振替用口座のことを「リレー口座」と呼んでいます。

奨学金を受けた先輩から、次に奨学金を借りる後輩へ引き継ぐ…という意味が込められています。一部の教育ローンでは、返済を親から子どもに引き継ぐ「親子リレー返済」という返済方法がありますが、奨学金は学生本人が自分で借りて自分で返すものですので親子リレー返済という方法はありません。

リレー口座も、単に返還する奨学金の引き落とし口座の愛称というだけで、親子リレー返済のような意味合いではないことに注意しましょう。

「口座振替(リレー口座)加入申込書」を使用して金融機関の窓口で口座振替の手続きを行いましょう。

また、「口座振替(リレー口座)加入申込書」の「預・貯金者控(取扱店の受付印が押されれていることを、手続きの際に必ず確認してくださいね)」のコピーは学校へ提出しなくてはなりません。手続きが終わったからといって捨てないようにしてくださいね。

ちなみに、取り扱いがある金融機関と、ない金融機関があります。リレー口座に加入するためには取り扱いのある金融機関に口座を持っていることが必要です。

口座をもっていない場合は新たに口座を作らなくてはなりません。もし、就職が決まっていて給与振込の金融機関がすでにわかっていてリレー口座振替に対応している場合は、口座を同じにしておくと入金し忘れてうっかり奨学金を延滞してしまった…ということが防ぎやすくなりますよ。

取扱金融機関は

ゆうちょ銀行、都市銀行、地方銀行、第二地方銀行、信託銀行(三菱 UFJ 信託銀行、みずほ 信託銀行、三井住友信託銀行のみ)、信用金庫、労働金庫、信用組合、農業協同組合、信用漁業 協同組合連合会および一部の漁業協同組合

です。

取り扱っていない金融機関には、

外国銀行、インターネット専業銀行(楽天銀行、ジャパンネット銀行等)、その他一部の銀行(新生銀行、あおぞら銀行、セブン銀行、イオン銀行等), 一部の信用組合

があります。

最近ではネット銀行の口座をメインに利用している方も多いかもしれませんが、リレー口座加入ができない場合がありますので取り扱いがあるかないかは早めに確認しておくといいですよ。

※2018年11月現在の情報です。取り扱い金融機関に今後変更がある可能性もありますので、実際に貸与が終了して返還の手続きを進めていくときには最新の案内に従ってください。

スポンサードリンク

 

奨学金の返還開始はいつから?返還方法は?

貸与終了の翌月から数えて7か月目の月の27日が初回の返還日になります。

例えば、2019年3月に貸与を終了した場合、最初の返還日は2019年10月27日となります。それ以降は、毎月27日が引き落とし日となります。もし、27日が土日祝日で金融機関のが休業日である場合には翌営業日に引き落としが行われます。

定額返還方式での返還方法と返還期間(回数)の計算方法

第一種奨学金・第二種奨学金、どちらの利用者も選ぶことができる方式です。

定額返還方式とは、貸与総額に応じて決定された一定の金額で返還する返還方式です。予め決めておいた月賦返還または月賦・半年賦併用返還のどちらかで返還していきます。

月賦・半年賦併用返済は、毎月決められた金額が引き落とされる(月賦)ほかに、半年に1回さらに返還金が引き落とされる(半年賦)という返済方法です。ボーナス払いをイメージするとわかりやすいと思います。

返還期間(回数)は、 借りた総額を「奨学金返還年数算出表」にある「割賦金の基礎額」で割って「返還年数」を求めます。回数を求めたい場合は、返還年数に 12(1年は12ヶ月なので)をかけるとでてきますよ。

月賦・半年賦併用返還の半年賦分の返還回数は、貸与総額を「割賦金の基礎額」で割って「返還年数」を出します。そして、 2 をかけると求めることができます。

☆奨学金返還年数算出表

貸与総額 割賦金の基礎額
200,000円以下 30,000円
200,001円~400,000円 40,000円
400,001円~500,000円 50,000円
500,001円~600,000円 60,000円
600,001円~700,000円 70,000円
700,001円~900,000円 80,000円
900,001円~1,100,000円 90,000円
1,100,001円~1,300,000円 100,000円
1,300,001円~1,500,000円 110,000円
1,500,001円~1,700,000円 120,000円
1,700,001円~1,900,000円 130,000円
1,900,001円~2,100,000円 140,000円
2,100,001円~2,300,000円 150,000円
2,300,001円~2,500,000円 160,000円
2,500,001円~3,400,000円 170,000円
3,400,001円以上 総額の20分の1

 
※引用:日本学生支援機構

例えば、230万円を借りていた場合を計算してみましょう。

230万÷15万=15.33…年

となり、返還期間は約15年となります。

そして、1年は12ヶ月なので12をかけると(15×12=180)で180回となります。

半年賦なら年に2回なので、15×2=30回となり、半年賦を払う回数は30回となります。

計算が苦手な方や面倒な方は、こちらのシミュレーターに入力して出すといいですよ。

「割賦金の基礎額」は、「返還月額」とは異なりますので注意してください。割賦金の基礎額は、あくまで返済年数(回数)を割り出すための数値であって、実際に返していく「返還月額」ではありません。ここを混同してしまうと、正しく返済期間を出すことができなくなります。

「返還月額」は、毎月(半年賦分は 1月と7 月の年2回のみ) 返還しなければならない金額で、「割賦金の基礎額」は毎月返還する金額というわけではありません。

第一種奨学金の場合は、無利子での貸与ですから、貸与総額を割賦方法により算出された返還回数で割って月賦分や半年賦分を均等に返還していきます。

第二種奨学金の場合、返還期間(回数)を出すところまでは同じやり方ですが、返還月額の算出には利子を考慮に入れなくてはなりません。

第二種奨学金は、在学中は無利息ですが貸与期間終了の翌月 1 日から利息が発生します。また、初回返還期日までの期間に据置期間利息が発生することも忘れてはいけません。

貸与総額と返還回数で元利均等計算して出た金額に据置期間利息を返還回数で除した額を上乗せした金額を返還していくことになります。

所得連動返還方式での返還方法

所得連動返還方式による返還が可能なのは第一種奨学金利用者のみです。第二種奨学金を利用した方は、定額返還方式のみでの返還となります。

所得連動返還方式は、2017年4月以降に第一種奨学金の奨学生として採用された方が選択することができます。また、平成29年度(2017年4月)以降に第一種奨学金の貸与を受けていた奨学生や返還者であれば、定額返還方式から所得連動返還方式に変更することができますが、変更するためには日本学生支援機構に願い出て審査を受ける必要があります。

また、保証人を機関保証ではなく連帯保証人をつけていた場合、機関保証に変更する必要もあります。

所得連動変換方式は、前年の課税対象所得に応じて返還月額が決まる返還方式で、所得が少ない場合は定額返還方式と比べて少ない返還月額になるときもありますし、反対に所得が多い場合は定額返還方式と比べて多い返還月額となることがあります。

社会人になりたてなどで収入が多くない時期には無理なく返還が行えるというメリットもありますが、返還月額によって返還期間も変わってきます。

もし、定額返還方式と比べて少ない返還月額になれば、そのぶん返還期間は定額返還方式と比べて長くなります。反対に、返還月額が多ければ返還期間は短くなります。

また、定額返還方式で可能だった月賦・半年賦の併用返還は行うことができず、月賦返還だけとなります。

返還月額は、毎年見直され、前年の課税対象所得に応じて10月から翌年9月までの返還月額が決まります。

返還初年度の返還月額は、定額返還方式により算出した返還月額の半額となるのが原則ですが、定額返還方式で算出した返還月額の半額であっても返還が難しい場合、申請により最底返還月額である2000円にしてもらうよう申請することができます。

返還2年目以降は、返還月額は毎年見直され、前年の課税対象所得に応じて10月から翌年9月までの返還月額が決まります。返還月額は課税総所得金額の9%を12で割った金額になります。

もし、返還者が被扶養者の場合、扶養者の所得と合算した課税所得で計算されます。

もし、算出された返還月額が2,000円に満たなくても、毎月2,000円は支払っていかなくてはなりません。たとえ、収入がゼロであったとしても、返還月額が0円になることはなく、返還月額は2,000円になります。

どうにも返還が難しい場合、日本学生支援機構では減額返還や返還期間の猶予といった救済措置が用意されていますが、所得連動返還方式ははじめから収入によって返還月額が決められているので減額返還の救済措置を受けることはできません。

返還期間の猶予であれば申請によって受けられる可能性はあるので、もし返還が難しいようであれば滞納する前に日本学生支援機構に相談するようにしましょう。

参考: https://www.jasso.go.jp/shogakukin/seido/henkan/hoho.html

スポンサードリンク

 

奨学金の返還期間を変更する方法は?

月賦で返還するか月賦と半年賦の併用で返還するかという返還方法を変更することは原則としてできません。しかし、返還期間については変更することができる場合があります。

それはどのような場合なのかというと、日本学生支援機構から複数の奨学金を借りている場合です。例えば、大学の学部生のときだけでなく大学院生のときにも奨学金を利用したという場合、複数の奨学金を借りていることになります。

日本学生支援機構の奨学金の場合、返還期間は借りた金額によって異なります。

大学学部生のときに借りた奨学金が15年、大学院生のときに借りた奨学金は12年…というふうに別々に返すのではなく、それぞれの奨学金を合わせた合計額から返還期間を再計算して変更してもらうことができるのです。

返還期間を変更するためには「奨学金返還期間変更願」を提出する必要があり、リレー口座に加入していることや延滞がないことが返還期間変更の条件となります。

また、返還年数は最長で20年ですので、もとから20年になっている奨学金は返還期間を延長することはできません。

さらに、第二種奨学金を利用していた場合、返還期間を延長することで利息がかかり、総返済額が増えてしまう可能性もありますのでよく考えてから変更願いを出すか出さないか決めましょう。

参考:https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan/houhou/henkan_kikan/henko_kikan.html

スポンサードリンク

 

奨学金の返済期間(回数)「まとめ」

日本学生支援機構の奨学金の返還期間(回数)は借りた金額によって異なります。自分で「◯年で返還する」と自由に決めることはできないのです。

200万円前後の金額を借りる方が多いため、だいたい15年前後で返還していく方が多いようですが、今一度借りる前に自分が借りる額では返済期間がどのくらいになるのか計算してみましょう。

こちらの日本学生支援機構のシミュレーターを使うと返還期間も簡単に出すことができます。

第一種奨学金を利用した方は、定額返還方式か所得連動返還方式かを選択することが可能です。所得連動方式の場合、所得によって返還額が異なるため無理なく返還ができるというメリットがあります。その一方で、それに伴って返還期間も異なってくるので返還期間の見通しが立てにくいというデメリットもあります。

定額返還方式であっても、返還が難しくなってきた場合は返還額の減額や返還期間の猶予などを願い出ることもできますし、反対に収入が多く余裕がある場合には繰り上げ返還をすることもできますので、所得連動変換方式を選ぶメッリットが大きいというわけでもないように思います。

また、実際に奨学金の返還を行う場合、変更点などがある可能性もありますので奨学金の返還に関しての詳細は必ず最新の返還のてびきを参照するようにしてください。

この記事も平成30年度の返還のてびきを参照しています。

スポンサードリンク

PAGETOP