奨学金を返済できなくなったら?

奨学金も「借金」ですので返済していくのは当然ですが、奨学金を返すのが厳しくなってしまった場合、どうなるのでしょうか。

奨学金の返済を延滞してしまったらどうなるのか、奨学金を返すのが難しくなってきたときに選択できる対処法からやってはいけない対処法、奨学金を滞納してしまってとうとう返せなくなった場合の最終手段までを多くの学生が利用している日本学生支援機構の奨学金を例に解説していきます。

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なぜ奨学金が返済できなくなるのか

奨学金は学生本人が借り、卒業後に学生本人が返済していく義務を負うものです。日本学生支援機構の奨学金は大学生の2.7人に1人が利用しており、奨学金を借りて進学すること自体は珍しいことではありません。

ところが、奨学金返還の延滞者が多いという報道も多くされており、奨学金を借りることを不安に思っている方もいるかもしれません。

実際は、日本学生支援機構の奨学金を3ヶ月以上滞納している滞納者は平成21年度をピークに減少してきています。平成28年度末の時点においていは、3ヶ月以上の滞納者は返還者の約4%(約16.1万人)ほどにとどまっています。

<参考>奨学金事業への理解を深めていただくために

ほとんどの奨学金利用者が3ヶ月以上の滞納をすることなく返還をしていることがわかります。しかし、約4%といえど約16万人もの人が滞納しているということも決して無視できません。

平成29年1月に日本学生支援機構が行った平成28年度奨学金の返還者に関する属性調査の結果をもとに、なぜ奨学金が返せなくなってしまうのか原因を考察していきましょう。

返済できなくなる原因1:「自分で借りて自分で返す」という意識が低い

奨学金を申し込むときに誰が奨学金の書類を作成したのか?という調査項目をみてみると、興味深い調査結果がありました。

延滞者では「親(または祖父母等の家族、親戚)」が39.0%と最も高くなっており、「奨学生本人」が33.2%、「本人と親等」が21.5%となっており、奨学生本人が書類の作成に関わっている割合は合計54.7%となっています。なかには、「書類作成者はわからない」という人も6.0%います。

一方、延滞をしていない人のなかでは、書類作成は「奨学生本人」が52.0%と最も多く、「本人と親等」が24.7%になっており、76.7%の奨学生が書類作成に関わっていることになります。

この結果から考えるに、奨学金の書類作成に関わっていないとどうしても「自分でお金を借りた(自分で返していかなくてはいけない)」という意識が低くなってしまうのではないでしょうか。

たしかに、奨学金の申請書類は高校生などが書くには少し難しい箇所もあります。そこで親に手伝ってもらうことはあるにしても、自分で書類を書き上げるためには奨学金に関する案内や書き方などを熟読するのではないでしょうか。

その過程で自然と奨学金の仕組みへの理解が深まり、「自分でお金を借りて自分で返す」という意識づけができるのかもしれません。また、自分のことは自分でやるという自律性があるからこそ滞納も少ないのかもしれませんね。

一方で気になるのは、滞納者のうち書類作成者が誰かわからないという回答が6%もあるということです。

もしかしたら学生本人が知らないうちに親などが奨学金に申し込んでいる可能性も否定出来ないのではないでしょうか。

いくら本人の学費に使うからとはいえ知らないうちに自分の名前で借金がされていることなどあってはならないことですし、申請書類は本人が書かなければならないはずです。

稀なケースだとは思いますが、滞納者の中には親などが勝手に奨学金に申し込んでしまい、奨学金を借りていたということを知らなかった人ももしかしたらいるのかもしれませんね。

続いて、返還義務があることをいつ知ったかという質問項目について見てみると、無延滞者の約9割が「申込手続きを行う前」と答えているのに対し、延滞者では約5割という結果がありました。

さらに、延滞者では、貸与が終わった後に返還義務を知ったという人が20.7%おり、そのうちの約半数は「延滞督促を受けてから」返還義務を知ったと回答しています。

本来なら、返還義務があるということは申し込み手続きを行う前に知っておくべきことです。奨学金というと給付型の奨学金をイメージしてしまい、給付型の奨学金だと思いこんで貸与型の奨学金に申し込みをして利用している方もいるのかもしれません。

奨学金に申し込むときには学校などで説明会があったり、奨学金のパンフレットなどにも貸与型には返還義務があることは書かれているはずです。

申し込み前に奨学金の種類や特徴については、受け身ではなく自分からも情報をキャッチするように心がけ、しっかりと理解しておかなくてはなりません。

これらの結果から、延滞してしまう人の中には、自分でお金を借りて自分で返すという意識が低く、手続きなども親任せにしてどこか他人事のような受け止め方をしている人も一部ではあるもののいると考えられます。

また、親も「子どもに手続きをさせるのは難しそうだし親がやったほうが確実だから…」「子どもに言ったってわからないだろうから」「どうせ親の話なんか聞きやしないから」と十分に子どもと話し合うことをせず、子供の代わりに手続きを行ってしまうのかもしれません。

しかし、子どもが卒業後に返還義務を知ることになるほうが酷です。親だからこそ子どもに奨学金を借りることがどういうことなのかをきちんと伝えるべきではないでしょうか。そのためには親も奨学金の制度や返還義務について正しく理解しなくてはなりません。

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返済できなくなる原因2:返還期間中に経済的に厳しくなってしまった

延滞者のなかには、奨学金の仕組みもきちんと理解し、しっかりと返していく予定だった人も多くいることでしょう。

志高く勉学に勤しみ、奨学金もきちんと返そうとしていた人が返せなくなってしまう原因はどこにあるのでしょうか。

延滞が始まった理由については、「家計の収入が減った」が69.2%で最も高く、次いで「家計の支出が増えた」43.0%、「入院、事故、災害等にあったため」19.2%、「忙しかった」14.3%となっています(複数回答)。

忙しかった…というのは延滞の理由にならないと思いますが、家計の収入が減ったり家計の支出が増えることは、奨学金の返還期間中に転職をしたり、結婚して家族が増えたり、親の介護が始まったりすることによって誰にでも起こりうることではないでしょうか。

厳しいことをいえば、お金を借りるときにそこまで計算していなかった詰めの甘さもあるかもしれませんが、ライフイベントをすべて正確に予測することなど誰にもできません。

仮に収入の減少や支出の増加について多少考慮してお金を借りていたとしても、予想外に収入が落ちてしまったり、想像以上に家計の支出が増えることもあるでしょう。

また、入院や事故や災害など本人が望まない状況によって奨学金が返せなくなってしまうこともあります。

また、延滞が1度ではなく継続している理由については、「本人の低所得」と回答した者が64.5%と最も多くなっています。次いで「奨学金の延滞額の増加」も47.5%となり、延滞することでさらに返還が厳しい状況へ陥ってしまっているようです(複数回答)。

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奨学金が返済できなくなりそうな時の救済措置

奨学金が返せなくなりそうになったときは、滞納をする前に行動することが何より大切です。とはいえ、やみくもに行動して間違った方法をとってしまうとさらに大変な事態になりかねません。

「奨学金を返すのがキツくなってきた…」と感じたときにやるべきことと、やってはいけないことをご紹介します。

やるべきこと:減額返還制度の利用

日本学生支援機構の奨学金には減額返還制度という制度があります。この制度を利用するにあたって注意してほしい点が2つありますので先にお伝えします。

1点目は、すでに返還を延滞してしまっていたり、この制度の利用申請中に滞納していたら、この制度は利用できないということです。

延滞者でも延滞を解消すれば利用はできますが、一度延滞してしまってからこの制度を利用するよりは延滞をする前に利用したほうが利用しやすく、信用情報にも延滞のキズをつけずに済みます。

2点目は、返還予定総額が減額されるわけではないということです。

返還予定総額が減額されるわけではないというのは、100万円借りたのを50万円だけ返せばよい…という意味の減額ではないということです。「減額返還」という言葉から勘違いをしないように気をつけましょう。

では、減額返還制度というのはどのようなものなのでしょうか。

簡単に言えば、一定期間だけ月々の返還額を減らして返還期間を延長することを認めてもらう制度です。

当初約束していた割賦金を2分の1または3分の1に減額し、減額返還適用期間に応じた分の返還期間を延長してもらいます。

災害、傷病、経済困難、失業などの返還困難な事情が生じた場合に申請することができます。

例えば、失業してしまって求職活動中に月に3万円は返せないけれど、1万5千円なら返していける、再就職すればまた月に3万円ずつ返していける…といったような場合に使えます。

経済困難が理由の場合は、目安として所得証明書等の年間収入金額が325万円以下(給与所得以外の所得を含む場合は年間所得金額225万円以下)となっており、本人に扶養する人がいれば、本人の被扶養者1人につき38万円を収入や所得金額から控除することができます。

この制度を利用できるのは、口座振替(リレー口座)加入者で月賦の返還方法を行っている方だけです。口座振替(リレー口座)で返還していない方は、新たに口座振替(リレー口座)を行う手続きなどが必要になります。

また、月賦以外の返還方法(年賦、半年賦、月賦・半年賦併用)で返還している方については、月賦の返還方法に変更され、減額返還が終了したあとも月賦での返還が継続されることになります。

やるべきこと:返還期限猶予制度の利用

日本学生支援機構の奨学金の返還期限猶予制度は、返還困難な事情が生じた場合に返還期限の猶予を願い出ることができる制度です。

返還困難な事情とは、災害、傷病、経済困難、失業などの事情です。

一定の期間だけ返還を停止して先送りにすることができます。

今は返還するのが厳しいけれど、待ってもらったら返還できるという場合に有効な方法といえるでしょう。

例えば、病気で入院してしまっていて働くことができず収入が減ってしまい、その期間は返還が難しいけれど、退院して復職すれば給与も元通りもらえるのでまた返還を続けられる…という場合などが考えられます。

この方法は、滞納してからではなく、原則として滞納する前に手続きをしなくてはなりません。

申請の時期については、滞納していない人は猶予開始希望月の3か月前から前々月末までです。仮に、提出時期を過ぎた場合も受付や審査はしてもらえますが、受付順に処理を行う関係で猶予開始希望月までに猶予が開始できない場合があります。

では早ければいいのかというとそういうわけでもなく、猶予開始希望月より4か月以上前に提出があった場合は、時期が早すぎるという理由で返送されてしまいます。すでに滞納をしてしまっている人は、できるだけ早く申請するようにしましょう。

手続きにはマイナンバーや書類が必要です。審査によって承認されれば承認された期間は返還が停止します。

ここで気をつけてほしいのが、返還が停止された期間の元金や利息が免除されるわけではなく、先送りされるにすぎないということです。また、手続きによって承認されなければ返還を続ける必要があります。

平成28年度奨学金の返還者に関する属性調査結果によれば、猶予制度の認知率は延滞者で72.0%、無延滞者で62.8%と高めの認知度です。ただし、返還が始まる前までに認知していた比率は、無延滞者では3割、延滞者では約4%と、大きな差があります。

また延滞者では猶予制度について「延滞督促を受けてから知った」と回答した比率が51.2%となっています。早い段階で猶予制度を知っていれば延滞しなくて済むということが窺えますね。

やってはいけないこと:新たにお金を借りて奨学金を返す

次に、奨学金が返せなくなりそう!奨学金がついに返せなくなってしまった…そんなときにやってはいけないことを考えていきます。

まず1つ目のやってはいけないことは、カードローンなどでお金を借りて奨学金を返すことです。

なんとかして奨学金を返さなくてはならないという思いから、手軽にお金を借りることができるカードローンなどを利用して今月の奨学金を返そう!と思っている方、それはちょっと待ってください。

奨学金は無利子であったり、とても低い利率でお金を借りることができました。しかし、カードローンなどから借り入れることになれば10%~18前%前後の利息を払わなければならなくなってしまうかもしれません。

ただでさえ奨学金の返還が厳しい経済状況なのに、より利息の高いところからお金を借りて奨学金を返すというのは賢い選択とはいえません。

「1度だけ間に合わせられればいい」「家計が厳しい間だけ…」と簡単に考えて借りてしまうと、さらなる厳しい返済スパイラルに陥ってしまう可能性が高いです。

奨学金の返還が厳しい、できない…と感じたら、新たにお金を貸してくれるところに相談するのではなく、先に奨学金を借りているところへ相談して救済措置をとってもらうようにしましょう。

やってはいけないこと:督促への対応をせずに無視する

2点目は、もし延滞してしまったときにやってはいけないことです。奨学金の返還を延滞すると、当然ですが返還するように督促されます。

奨学金を借りている本人に電話や手紙で督促が来ます。督促は最初は本人の携帯電話や自宅の電話に平日・休日の9~21時の間にかかってきます。もし、この電話に出ないと勤務先に担当者から電話がかかってくることもあります。

原則として、担当者は個人名を名乗りますし、督促の電話であることを本人以外には話しませんので、会社の人に奨学金を滞納していることがばらされるというわけではありません。

しかし、なんとなく電話の雰囲気などで職場の人に感づかれることはあるかもしれません。

本人が督促の電話や手紙に応じなければ、保証人や連帯保証人に連絡が行くこともあります。

返せなくなりそうになったら督促を受けるようなことになる前に借り先へ相談するのがベストですが、もし督促を受ける状況になってしまったら、無視するのではなく、返せない事情などを相談するようにしましょう。

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本当に奨学金を返せない…督促を無視し続けたらどうなるの?

督促が来ても無視しつづけたり、悪気はなくても督促を放置しているとどうなるのでしょうか。2ヶ月ほど滞納すると延滞金、3ヶ月ほど滞納する個人信用情報機関への登録について説明があるようです。

延滞金がかかる

延滞金がどのくらいかかるのか気になるところだと思いますが、延滞金は借りた奨学金の種類や時期などによって算定方法が異なります。延滞金の目安として日本学生支援機構の奨学金の第一種奨学金と第二種奨学金の一例を挙げておきます。

第一種奨学金(無利息)で平成17年4月以降採用の場合:
「延滞している割賦金の額に対して、返還期日の翌日から返還した日までの日数に応じて、平成26年3月27日までは年(365日当たり)10%、平成26年3月28日以降は年(365日当たり)5%の割合を乗じて計算した額の合計額が賦課されます。」

第二種奨学金(利息付き)で平成10年3月以降に貸与が終了している場合と平成10年2月以前に貸与が終了し、口座振替の手続きを行って返還している場合:
「延滞している割賦金(利息を除く)の額に対して、返還期日の翌日から返還した日までの日数に応じて、平成26年3月27日までは年(365日当たり)10%、平成26年3月28日以降は年(365日当たり)5%の割合を乗じて計算した額の合計額が賦課されます。」

引用:https://www.jasso.go.jp/shogakukin/entai/entaikin.html

延滞金を滞納すると、元金や利息に加え、延滞金も保証人や連帯保証人に請求がいきます。

延滞金の利率は決して低いものではありません。延滞機関が長引けば長引くほど、延滞金も増えていき、さらに返還が難しい状況になってしまうことが想像できると思います。

個人信用情報機関へ延滞者として登録される

では、個人信用情報機関への登録はどうでしょうか。個人信用情報機関に個人情報を登録される条件については、延滞が3か月以上の場合とされています。

個人信用情報機関には、本人の個人情報として氏名、住所、生年月日、電話番号、勤務先等、契約の情報のほか、貸与額や最終返還期日、延滞、代位弁済、完済等の返還状況も登録されます。

一度登録された情報は、延滞中だけでなく、延滞を解消しても登録され続けます。返還が完了した5年後には削除されますが、延滞者として登録されている状態(いわゆるブラックリストに載った状態)では、クレジットカードの作成や利用、公共料金やスマホ料金の引き落し、分割払いの買い物などに制限がかかる場合もあります。

さらに深刻なのは、マイカーローンや住宅ローンといた生活に必要なローンまでもが利用できなくなってしまう場合もあるのです。

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法的な手段により返還が求められる

さらに延滞が続いた場合は次のような流れになります。だいたい滞納後9ヶ月くらいを目処に法的な措置へと移っていくようです。

日本学生支援機構の奨学金では、申込み時に保証機関を利用するか連帯保証人を立てるかという選択があったはずです。保証機関を利用している方と、連帯保証人を立てている方とでは流れが異なりますのでそれぞれ詳しく説明していきます。

機関保証を利用している場合

本人に対して次のような措置がとられます。

第一段階(一括返還請求)

まだ返還期限が到来していない分を含め、返還未済額の全額と利息と延滞金を一括で返還するよう請求されます。分割になっている返還でさえできないのに、全額一括で払うなんて無理なのが普通だと思います。すると、第二段階へ進むことになります。

第二段階(代位弁済請求)

日本学生支援機構から保証機関(公益財団法人日本国際教育支援協会)に対し、返還未済額の全額、利息および延滞金について請求が行われます。保証機関である公益財団法人日本国際教育支援協会が日本学生支援機構へ支払いが行われます。

これでもう返さなくていいんだ!と気分が楽になるかもしれませんが、それは大きな間違いです。代位弁済が行われた場合、日本学生支援機構への返済義務はなくなりますが、保証機関である公益財団法人日本国際教育支援協会への返済義務が発生します。

代位弁済が行われたからといって、返済しなくていいというわけでは決してありません。どこへ返すかという返し先が日本学生支援機構から公益財団法人日本国際教育支援協会へ移っただけにすぎないのです。

第三段階(保証機関からの請求・督促)

当然ですが、公益財団法人日本国際教育支援協会から代位弁済額の返済を請求されます。この請求は一括請求です。

第一段階の時点で一括請求に応えられなかった方がこの段階で一括請求に応じられるというパターンは稀だと思います。

第四段階(強制執行)

最終段階です。返済に応じることができない場合は、公益財団法人日本国際教育支援協会が強制執行にいたるまでの法的措置を執ります。いわゆる給与や財産を差し押さえられることになります。

連帯保証人を立てていた場合

次のような法的措置が連帯保証人に対して行われます。

第一段階(支払督促予告)

まだ返還期限が到来していない分を含め、返還未済額の全部、利息および延滞金の一括返還を請求すると共に、支払督促を申し立てることが予告されます。

第二段階(支払督促申立)

支払督促予告で支払いを求めた返還期限を過ぎても返還しない場合は、裁判所に支払督促の申立が行われます。

第三段階(仮執行宣言付支払督促申立)

第二段階でも返還がない場合は、裁判所に仮執行宣言付支払督促の申立をします。

第四段階(強制執行)

仮執行宣言付支払督促の申立をしてもなお返還しない場合は、強制執行の手続きをとります。

ちなみに、支払督促以降の手続きにかかった費用も返還者の負担になります。

連帯保証人からすると、寝耳に水な話であったり、いきなり一括で請求されても困ってしまう…というのが正直なところではないでしょうか。

たしかに、連帯保証人は契約した本人と同等の返還義務を負うので仕方ない部分もありますが、だからといって一括で本人の代わりに返還することができる人も少ないでしょう。

支払督促を申し立てられた連帯保証人ができることとしては、督促に対して異議を申し立てて答弁書を提出することです。連帯保証人としての責任がなくなるわけではありませんが、うまくいけば一括ではなく分割で返還することができるかもしれません。

異議申し立てのチャンスは2回あります。仮執行宣言の後は強制執行を申し立てられる可能性が高いため、督促に異議を申し立てる場合は督促発付が行われた後の最初のチャンスで異議申立を行います。

支払督促発付から2週間以内に督促異議を申し立て、口頭弁論期日の1週間前までに裁判所へ答弁書を提出します。答弁書を提出することで、返済方法について自分に負担の少ない返済方法を希望することができます。

もちろん、希望することができるというだけで、その希望が絶対に通るわけではありません。しかし、何もしないままでは、支払督促がそのまま裁判所に認められて一括返済を避けることができなくなります。そうなると、第四段階の強制執行に至る可能性も高くなります。

強制執行を回避するには?

「奨学金を返せないような状況だから延滞をしてしまったのに、延滞金を上乗せしたさらに大きな金額を一括で返せなんて無理がある…」

「連帯保証人になっていたけど、まさか本当に自分が返さないといけなくなるなんて思ってもみなかった…」

という方がほとんどではないでしょうか。

救済措置が受けられなかったり、交渉がうまくいかなかった場合、強制執行(差し押さえ)を受けるしかないのでしょうか。

強制執行を受けると、土地や家屋などの不動産、現金や宝石や家具などの動産、自分の預貯金を引き出す権利や給与をもらう権利などの債権もすべて差し押さえの対象となります。なんとかして強制執行は避けたいと思うことでしょう。

強制執行を回避する方法としては、債務整理があります。

債務整理には利息を減らし月々の返済額を見直す「任意整理」、予定している総返済額を減額して返済していく「個人再生」、税金以外の返済を全額免除してもらう「自己破産」があります。

任意整理は裁判所を通さずに行えますが、個人再生や自己破産は裁判所を通しての手続きになり、より負担が大きくなります。また、自己破産は借金がなくなるかわりに家や車など自分の財産がなくなってしまうので、債務整理の中でもいわば最終手段と考えておきましょう。

債務整理を行えば差し押さえに至ることはほとんどありません。しかし、債務整理を行うと債務整理を行ったことが個人信用情報機関に登録され、延滞登録者と同じように買い物やローンの利用に制限を受けることになります。

債務整理を行う場合、専門知識のない個人が状況を客観的に判断して必要な手続きや適切な交渉を行うことは極めて難しいことです。

特に、奨学金以外にも借り入れがある場合では対処の仕方も異なってきます。そのため、弁護士や司法書士に相談し、専門家主導のもとに進めていったほうが手続きもスムーズですし失敗がありません。

専門家にお願いするお金もない…と諦めてしまいそうになるかもしれませんが、借金に関する相談の相談料は無料の事務所もありますし、役所の困りごと相談で債務に関する相談を受け付けている場合もありますので、そういった無料で相談できるところをまずは利用するというのも手です。

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奨学金が返済できなくなったら?「まとめ」

奨学金を延滞し、督促にも応じないと状況がどんどん悪化していくことがお分かりいただけたと思います。

最終段階の法的な措置に移る頃には、延滞金や督促にかかったお金など、元金や利息以外の費用も加算されていますし、法的な措置に対応していくためには専門家の力を借りる必要が出てくるため専門家に払う費用もかかってきてしまいます。

また、連帯保証人を立てている場合は、連帯保証人やその家族にまで多大な迷惑をかけてしまい人間関係のトラブルにまで発展することもあります。

本人や連帯保証人が自己破産してしまったり、強制執行によって財産を差し押さえられてしまうような最悪な事態に陥らないようにするためには、何よりも返還を延滞させないことが大切です。

そのために、滞納してしまいそうだな…と感じたらすぐに借り先に相談し、救済措置があれば受けられるよう手続きを踏んでいく必要があります。

一度延滞してしまったり、延滞期間が長くなってしまってからでは救済措置を受けることができなくなってしまう可能性もあるからです。

また、奨学金を申し込む段階から、自分の申し込む奨学金が貸与型なのか給付型なのか種類や返済義務についてよく理解し、貸与型であれば利率や月々の返済額なども詳細にシミュレーションしておきたいものです。

「みんなが借りているから大丈夫」「たぶん返せる」「学費が足りなければ借りればいい」といった安易な考えで借りるのではなく、貸与型の奨学金を借りるのであれば、自分で返していかなくてはならないものであることをしっかりと理解し、本人が責任をもって申し込みができるといいですね。

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