フラット35とフラット35Sの違い

フラット35よりも低金利で借入できるフラット35S。金融機関のホームページで見掛けて、気になっている人もいるのではないでしょうか。

住宅ローンは一生に一度の大きな借入だからこそ、少しでも低金利が望ましいと考えるのは当然です。ここでは、フラット35とフラット35Sの違いや利用条件に関して、詳しく紹介していきます。

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フラット35・フラット35 Sの大きな違いは金利水準

いきなり結論からお伝えします。フラット35・フラット35 Sの大きな違いは金利です。2018年9月現在のフラット35の金利は、以下のようになっていました。

返済期間 15~20年 21~35年
金利水準 年率1.310%~1.940% 年率1.390%~2.020%
最頻金利 年率1.310% 年率1.390%

 

フラット35Sには、金利Aプラン・金利Bプランの2種類があります。金利Aプランは、フラット35のローン金利から当初10年0.25%の優遇。

金利Bプランだと、当初5年0.25%の優遇を受けられます。21〜35年の最頻金利・年率1.390%から0.25%を差し引くと年率1.14%。これだけ優遇された金利が5年もしくは10年続くため、返済負担が軽減されます。

フラット35・フラット35 Sの総返済額を比較

0.25%の違いによって、どのくらいの影響があるのかを具体的な数値を使って見てみましょう。フラット35・金利Aプランを適用したフラット35 Sの総返済額がどのくらい変わるかをシミュレーションしてみました。

試算条件は、借入額3000万円・35年の元利均等返済・ボーナス返済なし。結果は、以下の表の通りになりました。

フラット35 フラット35S (Aプラン)
金利水準 年率1.39% 1~10年目
年率1.14%
11~35年
年率1.39%
毎月の返済額 9.1万円 8.7万円 9.0万円
総返済額 3,791 万円 3,718万円
(フラット35比 ▲ 99万円)

 

総返済額を約100万円圧縮できるだけでなく、毎月の負担も軽減されます。こんなに有利なフラット35S、使えるものなら使いたいと思いますよね。

もちろん、希望した人すべてが適用を受けられるわけではありません。ここからは、フラット35Sの利用条件や注意点をくわしく紹介していきます。

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フラット35Sとは

そもそもフラット35Sは、フラット35に申込をする人に対して、質の高い住宅建設を促すための制度です。

通常のフラット35でも、住宅金融支援機構の定める基準に合致する住宅という制限がありました。

フラット35Sでは、もっとシビアに適用条件がチェックされると考えてください。「通常のフラット35」→「フラット35S(金利Bプラン)」→「フラット35S(Aプラン)」の順番に求められる技術基準は高くなります。

フラット35Sの対象となる住宅性能

フラット35Sの対象になる「質の高い住宅」とは、どのようなものかを紹介します。以下4分野の住宅性能のうちのどれかに該当するものが対象。すべての条件をクリアしなくてはいけないわけではなく、どれかに該当すれば大丈夫です。

1.省エネルギー性

外壁や窓の断熱性を高めることで、冷暖房を使わなくても快適に生活できるように配慮された住宅を指します。効率よくエネルギーを活用できるように、省エネ機器を導入することも評価対象の1つ。給湯や家電なども合わせて、総合的な省エネ性能がチェックされます。

2.耐震性

地震が起こっても構造体に修繕が必要なダメージが起きないように設計された住宅・多少の損傷が起こったとしても大規模な修繕が必要ないレベルに留めることができる住宅が対象です。耐震性を客観的に評価する指標として、住宅性能評価・表示協会の耐震等級を参照します。損傷防止・倒壊等防止など複数の観点から、住宅の強度をランク付けする指標です。

3.バリアフリー性

加齢や病気などにより身体機能が衰えた人でも安心して生活できる住宅になっているかがチェックされます。新築では、移動するときの安全性・介助のし易さの2点がとくに大事なポイント。段差をなくしたりお風呂やトイレに手すりをつけたりと、バリアフリーに対する配慮が主な評価対象です。

4.耐久性・可変性

長期間の使用に耐えられるように設計された住宅を評価する項目です。適切な維持管理を行えば数世代に渡って維持できる構造や骨組みになっていることなどが評価されます。どうしても劣化が起こってしまう設備配管などは、メンテナンスしやすく交換しやすい設計になっていることがポイントです。

金利Aプラン・金利Bプランの適用条件

4つの項目のそれぞれに対して、金利Aプラン・金利Bプランの2種類があり、それぞれに対する適用条件が決まっています。条件をまとめたものが以下の表です。暗記する必要はないので、規定がたくさんあることだけを確認ください。

フラット35S 金利Aプラン フラット35S 金利Bプラン
省エネルギー性 ・認定低炭素住宅(※1)
・一次エネルギー消費量等級5の住宅
・建築物省エネ法の規定における性能向上計画認定住宅
・断熱等性能等級4の住宅
・一次エネルギー消費量等級4の住宅
耐震性 耐震等級3(構造躯体の倒壊等防止)の住宅 ・耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上の住宅
・免震建築物
バリアフリー性 高齢者等配慮対策等級4以上(共同建て住宅の専用部分は等級3でも可) ・高齢者等配慮対策等級3以上の住宅
耐久性・可変性 長期優良住宅 ・劣化対策等級3かつ維持管理対策等級2以上の住宅(共同住宅などについては、一定の更新対策が必要)

 

※1 認定低炭素住宅とは?
都市の低炭素化の促進に関する法律で定める認定基準を満たしている住宅を指します。省エネ基準を超える性能を持つこと・低炭素化に貢献する措置がとられていることなどが条件です。具体的には、太陽光パネルの設置や天井断熱、床断熱や断熱サッシなどを備えた住宅にあたります。

中古タイプ基準とは

中古住宅でフラット35Sの適用を受けるためには、特有の基準が追加されます。中古住宅特有の基準が「中古タイプ基準」です。具体的には、以下4つのうちいずれかの条件を満たす中古住宅だけがフラット35Sを利用できます。

1.省エネルギー性(開口部断熱)

二重サッシもしくは複層ガラスを使用した住宅であること。ただし、浴室や脱衣室および洗面所・玄関など、一定箇所のガラスは対象外です。

2.省エネルギー性(外壁等断熱)

建設住宅性能評価書の交付を受けた住宅(省エネルギー対策等級2以上または断熱等性能等級2以上)もしくは住宅金融支援機構のホームページで「フラット35S 省エネルギー性(外壁等断熱)に適合」と登録がなされている住宅であること。

3.バリアフリー性(手すり設置)

浴室の1カ所以上・階段の少なくとも片側に手すりが設置されている住宅であること。手すりは、簡単に取り外しができるものではなく、ネジなどで固定されている必要があります。吸盤で取り付けるだけの手すりは対象に含まれません。

4.バリアフリー性(段差解消)

高齢者の寝室があるフロアの部屋の出入り口すべて、玄関など指定の箇所の段差が解消されて、移動しやすいように配慮された住宅であること

上で紹介しているのは「さわり」の部分にすぎず、もっと細かく条件が決まっています。細かいところまで読みこむのは大変ですから「中古タイプ基準」という言葉だけを知っていれば大丈夫。

不動産業者に「中古タイプ基準を満たしているか?」と聞けば、フラット35Sが使えるかははっきりします。どうしても詳細を知りたい人は、住宅金融支援機構のホームページを確認ください。

▽住宅金融支援機構【フラット35】Sの技術基準の概要

フラット35Sを選ぶメリットは?

フラット35Sが使える住宅を選べば、良質な住まいを有利な条件で取得できます。そもそもフラット35が長期固定金利で有利な条件がつきやすい商品であるうえ、上乗せの優遇を受けられるところは大きなメリット。

無理ない範囲で良質な住宅を取得したいと考えている人にとっては、魅力的なローンでしょう。

金利Aプランなら10年・金利Bプランなら5年と優遇条件が適用されているうちに積極的な繰上げ返済を行えば、負担をさらに軽くすることもできます。

繰上げ返済はなるべく早く行った方が利息軽減効果は高くなり、総返済額で有利です。フラット35と同じように、フラット35Sも繰上げ返済手数料は無料。

インターネット経由で手続きする方法なら10万円から繰上げ返済できますから、無理がない範囲で取り組みましょう。

フラット35Sを選ぶ場合の注意点

フラット35より有利な条件がつくフラット35Sですが、知っておきたい注意点がいくつかあります。契約後に「こんなはずでは」とならないように、正しい知識を身に付けましょう。

予算金額・申込期限が決まっていることに注意

まず、予算や申込期限があることです。上で紹介しているフラット35Sの金利引き下げプランは、2019年3月31日までの条件。期間中であっても予算に達した時点で締め切りです。

住宅取得希望時期によっては、募集が終わってしまうリスクもあります。受付終了の3週間前には住宅金融支援機構のホームページで告知がなされることになっているため、こまめなチェックがおすすめです。

フラット35S適用住宅は初期コストがかさみがち

フラット35S適用を条件に物件探しを始めると、想定していた予算よりお高いものしか見つからないケースもあります。金利の引き下げを受けられるとはいえ、予算を大幅に上回る物件取得はハイリスク。

住宅ローンで得をするためにフラット35Sを活用したいと思ったのに家計への影響が大きくなっては、本末転倒になってしまいます。

そもそも省エネ性能やバリアフリー住宅を考えていた人ならまだしも、金利引き下げを受けるためだけに高い物件を選択する必要はありません。住宅ローンはあくまでも、理想のマイホームを取得するための資金調達手段。目先の損得感情には惑わされず、後悔しない選択が大切です。

フラット35Sに関してよくある質問・回答

最後に、フラット35Sに関してよくある質問と回答を紹介します。申込方法や物件の探し方など、気になる項目だけでも目を通しておきましょう。

フラット35Sの申込方法は?

フラット35Sの申込方法は、扱いがある金融機関所定の方法に従います。申込する商品が異なるだけなので、基本的な流れは、フラット35と同じです。

申込段階では、フラット35Sの条件を満たしていることの証明書類は不要。ただ、融資実行までには証明書の提出が求められるため、早めの準備をおすすめします。

フラット35Sの対象か分からない場合はどうする?

省エネ・バリアフリー住宅などもっともらしい名前がついていても、フラット35Sの基準を満たしていないことがあります。売主・販売代理業者に「フラット35Sを使えるか」を聞けばはっきりするので、確認が必要です。質問する際のポイントですが、以下3点を聞いてください。

・省エネルギー性・耐震性などどの種類の条件を満たしているか
・金利AプランとBプラン、どちらの基準を満たしているか
・証明書の準備に別途費用は必要か

手続きについて熟知している担当者がいることも、業者選びで重視したいポイントです。表面的な説明に惑わされず、失敗しない業者選びを意識しましょう。

フラット35からフラット35Sに借り換えできる?

フラット35からフラット35Sへの借り換えはできません。フラット35の申込をして資金の融資を受ける前だったら変更を受付けてもらえるケースもあるため、金融機関に相談しましょう。

対応方法は金融機関によって異なりますが、一旦申し込みを辞退して再度手続きが必要となるケースもあります。追加の提出書類の準備が必要になるケースも多く、早めの対応がおすすめです。

フラット35S対象中古マンションの探し方は?

フラット35Sの対象になる中古マンションは「中古マンションらくらくフラット35」から検索すると手軽です。都道府県や市区町村・町名を入力して検索すると、物件検査済マンションが表示されます。

この中から選択すれば、適合証明省略に関する申出書をプリントアウトして使えるから、手続きが簡単です。取得予定のマンションがすでに決まっている人は、建物名を入力して出てきた検索結果から適合証明省略に関する申出書を取得、金融機関へ提出することもできます。

▽住宅金融支援機構 中古マンションらくらくフラット35検索

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