教育ローンの選び方

教育資金が足りない場合は「お金を借りる」という選択肢を選ぶことになるかもしれません。教育資金を借りるにあたって一番の選択肢となるのは無利子でお金を借りることができる奨学金でしょう。

しかし、奨学金の申込みが多いことや成績などの基準を満たしていなければならないことから希望どおりに借りることができなかったり、奨学金が借りられたとしてもそれだけでは教育資金が足りなかったりする場合もあるかと思います。

そこで、検討するのが教育ローンでお金借りる方法です。教育ローンは大きく分けると、国の教育ローンと民間の金融機関の教育ローンの2種類があります。

どちらの教育ローンでお金を借りるのがお得なのか、民間の教育ローンを選ぶ場合はどういう点を比較すればよいのかなど教育ローンの選び方をご紹介していきます。

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【国の教育ローンVS民間の教育ローン】金利が低いのはどっち?

まず、何よりも優先したいのは教育ローンの金利の低さではないでしょうか。借りる金額が多ければ多いほど、お金を借りる期間が長ければ長いほど、1%の金利の差でも支払い金額に大きな差がでてきます。

国の教育ローンと民間の教育ローンとではどちらが低い金利で融資を受けることができるのでしょうか?

金利
国の教育ローン 1.76%(固定金利)※2018年10月6日現在
民間の教育ローン 3~4%前後

 

国の教育ローンの金利は2018年10月6日現在で1.76%(固定金利)です。

民間の教育ローンの金利は、だいたい3~4%前後ですから、単純に金利を比較すると国の教育ローンの金利は民間の教育ローンの金利よりもはるかに低金利ということができます。

ただし、ここで注意してほしいことがあります。それは、保証料に関することです。

簡単に説明すると、民間の教育ローンは保証料を考えなくてもよいのですが、国の教育ローンは金利とは別に保証料を支払わなければならない場合があるということです。

これはどういうことなのか詳しく説明していきます。

民間の教育ローンのほとんどは、連帯保証人を立てる必要がないかわりに保証会社を利用することを必須としています。保証会社にお金を払って連帯保証人の役目をお願いすることで、連帯保証人を用意しなくて済みます。

保証会社に支払う手数料が保証料です。そして、その保証料はたいてい「保証料は当行が負担します」「保証料は無料です」といった説明書きに書かれている通り、別途保証料として支払う必要はありません。(実際は、金利に組み込まれていると考えて差し支えなく、「保証料は金利に含まれています」といった説明書きをしているところもあります。)

そのため、事務手数料など他の手数料を除けば、シンプルに金利のみ考えればよく、保証料がいくらになるのかといった心配は民間の教育ローンにおいては不要な場合がほとんどです。

一方、国の教育ローンは別途保証金を支払う必要がある場合もあります。それはどのような場合なのかというと、国の教育ローンが指定する保証基金(”基金”という名前になっていますが、役割は保証会社と同じです)を利用するときです。

もし、保証基金を利用しなければ保証料は支払わなくて済みます。そのかわり、連帯保証人を自分でたてる必要があり、連帯保証人も審査に通過できる人でなければ融資を受けることができなくなります。

もし、審査に通過できる連帯保証人をつけることができるのであれば、保証料を支払う必要はなく、国の教育ローンの金利は最も低金利ということができます。

仮に、国の教育ローンで保証基金を利用して保証料を支払う場合はどのくらいお金がかかるのでしょうか。

国の教育ローンで保証基金を利用する場合の保証料は、あくまで目安ですが日本政策金融公庫の公式サイトから確認することができます。

100万円あたりの保証料が載っており、返済期間や据置期間の有無によっても変わってきますが、2017年10月2日から新しい保証料金になっており、以前よりも保証料は安くなっているようです。

保証料が金利に組み込まれている民間の教育ローンのほうが結果的に安くお金を借りられるのか、はたまた保証料を払っても国の教育ローンのほうが安くお金を借りられるのか…?わかりにくいところだと思います。

国の教育ローンVS民間の教育ローン シミュレーション

ここで、ひとつシミュレーションを行ってみましょう。

借りる金額は100万円、返済期間を15年とします。

国の教育ローン(金利1.76%/保証料を別途支払う)と、民間の教育ローン(金利3.5%/保証料込)で、どちらが総返済額が多くなるのかを比較してみましょう。

<国の教育ローンの場合>
保証料:53,991円(融資額100万円あたり・据置期間なし・返済期間15年の場合)
元金(100万円)+利息分(138,431円)=1,138,431円
総返済額:1,138,431円+53,991円=1,192,422円

<民間の教育ローンの場合>
保証料:金利に組み込まれているので別途支払う必要なし
総返済額:元金(100万円)+利息分(286,710円)=1,286,710円

この結果では、保証料を支払っても国の教育ローンのほうが安くお金を借りられることがわかりました。

金融機関によって事務手数料など他に料金が発生する可能性もありますし、金利や返済期間などによってもシミュレーションは変わってきます。

単純な例としての比較ですので、実際に借り入れを行う場合は発生する費用や総返済額について個別にシミュレーションを行ってみましょう。

数字が苦手な人でも入力するだけでシミュレーションが可能なシミュレーターを使うと簡単ですよ。今回使用したシミュレーターはこちらです

また、国の教育ローンでは、「母子家庭、父子家庭、世帯年収200万円(所得122万円)以内の方または子ども3人以上(注)の世帯かつ世帯年収500万円(所得346万円)以内の方は年1.36%(固定金利・保証料別)」返済期間が最長で18年以内(https://www.jfc.go.jp/n/finance/ippan/kinri.html 2018年10月現在)となっており、片親世帯や低所得世帯や多子世帯への優遇措置もあります。

民間の教育ローンでも金利優遇制度がないわけではありませんが、ここまで金利が下がることはまずないでしょうし、片親世帯や低所得世帯、多子世帯への優遇の手厚さは国の教育ローンにかなわないでしょう。

ちなみに、民間の教育ローンの金利優遇は、ろうきんなどであれば組合員であることや、銀行や信用金庫であれば同じ金融機関で住宅ローンを借りている、などの条件で金利が優遇されることがあります。

もし、国の教育ローンではなく民間の教育ローンで借りることを検討していて住宅ローンなどの借り入れなど取引のある金融機関があれば選択肢に入れて損はないはずです。

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民間の教育ローンの選び方

国の教育ローンの金利の低さが魅力的なのはおわかりいただけたと思いますが、世帯収入が多いと国の教育ローンでお金を借りることができません。

また、国の教育ローンで借りられる限度額よりも多くの借り入れを行いたい場合は民間の教育ローンを検討する必要があるかもしれません。

ちなみに、国の教育ローンが借りられる世帯収入の上限ラインは、子どもの人数にもよりますが、次のようになります。

国の教育ローンが借りられる世帯収入の上限ライン

子どもの人数 世帯収入(事業所得の場合)
1人 790万円(590万円)
2人 890万円(680万円)
3人 990万円(770万円)
4人 1,090万円(870万円)
5人 1,190万円(970万円)

 

ただし、子どもが1~2人のご家庭であっても、緩和要件を満たすと年収990万円(所得770万円)まで上限ラインが緩和されます。

緩和要件は

・勤続(営業)年数が3年未満
・居住年数が1年未満
・ 世帯のいずれかの方が自宅外通学(予定)者
・借入申込人またはその配偶者が単身赴任
・海外留学資金
・借入申込人の年収(所得)に占める借入金返済の負担率が30%超
・ 親族などに「要介護(要支援)認定」を受けている方がおり、その介護に関する費用を負担
・大規模な災害により被災された方

のいずれかになります。

参考URL:https://www.jfc.go.jp/n/finance/ippan/joken.html

世帯収入や世帯所得には、主に申込者となる世帯主だけでなく、その配偶者の収入(所得)も含まれます。

共働きのご家庭も多いので、国の教育ローンを借りられる上限ラインの収入を超えていて、国の教育ローンは借りられないという方も珍しくないと思います。

とはいえ、大学などの高等教育ではかかるお金も多いため、いくら所得が多くても十分学費がまかなえるほど用意できないから借りたいという場合も少なくないでしょう。

すると、民間の教育ローンを検討することになります。

民間の教育ローンの場合、メガバンク、地方銀行、ネット銀行、信用金庫、ろうきん、JA、信販会社などが取り扱っています。

信販会社の教育ローン

厳密に言えば信販会社の教育ローンは「ローン」ではなく「クレジット契約」になるのですが、一般的に教育ローンと同列に認識されており検討される方もいるため検討対象として入れておきます。

まず、数の少ない信販会社の教育ローンについてご説明します。信販会社で教育ローンを扱っているのは、セディナ、ジャックス、オリコの3社が代表的です。

いずれも提携校でのみ利用することができ、提携校に該当しない場合は利用することができません。学校と提携しているから金利が特別に安いというわけでもなく、やはり3~4%前後が目安のようです。しかし、中には2.5%など比較的低金利でお金を借りれる場合もあります。

金利は会社および提携校ごとに異なるので、それぞれの会社で志望校と提携しているかどうか、金利はいくらになるのかを検討する必要があります。

また、返済方法も通常の教育ローンと異なる場合もあるので、もし志望校や在籍校と提携していたとしても、すぐに信販会社でお金を借りると決めるのはやめておきましょう。

銀行系の教育ローン

つぎに、銀行系の金融機関についてご説明します。数え切れないくらいある銀行系の金融機関ですが、メガバンク、ネット銀行は全国どこからでも申し込むことができますが、地方銀行や信用金庫、ろうきんやJAの場合、その金融機関の営業エリア内に住んでいるか勤務している事が必要な場合がほとんどです。

余裕があれば、メガバンク、ネット銀行、自分の住んでいる地域や勤め先が営業エリアになっている地方銀行、信用金庫、ろうきんやJAなどをくまなく比較検討してみるとよいでしょう。

先程も述べましたが、すでに住宅ローンなどを借りている金融機関や、給与受け取りの口座を持っている金融機関があれば優先的に選択肢に入れて検討すると金利面で優遇されるなどメリットがあるかもしれません。

民間の教育ローンの特徴としては、金融機関によって、利用申込条件、限度額、最長の返済期間、返済方法、金利の種類、借り方などが大きく異なるということです。

この違いの中から希望に合う教育ローンを見つけ出さなくてはなりません。どの事項を優先するのか、あるいは妥協できる事項は何なのか次のことを参考にしつつ考えてみてください。

まず、利用申込条件に関しては、最低年収や最低勤続年数が設定されている場合もあります。

国の教育ローンは年収の上限が決まっていますが、民間の教育ローンは反対に年収の最低ラインが設けられており、満たしていない場合は申し込みすらできないこともあります。

借り入れの限度額に関しても下限は1万円から借りられるところもあれば10万円から借りられるところもあり、上限については300万円から1,000万円単位など幅が広いです。

国の教育ローンは利用上限額が350万円(外国の短大、大学、大学院に6ヵ月以上在籍する資金として利用する場合は、450万円以内)なので、それよりも大きな金額が必要な方は民間の教育ローンを検討する価値があります。ただし、融資額が大きくなる場合、不動産の担保が必要になる場合もあります。

返済期間は10年から15年という長さが一般的ですが、5年違うだけでも月々の返済負担学は変わってきます。

毎月無理のない返済ができるように返済期間が長いところを選日たい方は返済期間が最長で何年とれるのかという所も検討したいポイントかもしれません。

また、返済方法に関しては、借り入れの翌月から元利均等返済で返済していくパターンや、在学中は利息のみを支払い、卒業後に元金と利息を支払っていく据置返済ができるパターンもあります。

数は少ないですが、在学中は親が支払い、卒業後は学生本人に返済をバトンタッチする親子リレー返済方式にすることが可能な金融機関もあります。

金利も、国の教育ローンの場合は固定金利と決まっていますが、民間の教育ローンでは固定金利も変動金利もあり、変動金利の場合は固定金利よりも低金利で借りることが可能です。(ただし、金利の変動リスクはあります。)

さらに、借り方にも種類があり、一括で借り入れる「証書貸付型」とカードローンのように限度額の範囲内で必要なときに必用なぶんだけ借り入れる「当座貸越型」の2種類があります。

当座借越型の借り方は国の教育ローンにはない選択肢なので、まだ借り入れる必要のある金額がはっきりしない方や、万が一足りなくなったときにすぐに借りれるようにしておきたい方にとっては魅力的なお金の借り方かもしれません。

ただし、当座貸越型は返済方法が据置返済の方式をとっているので、総支払額は証書貸付型で選択できる元利均等返済をするときに比べると高くなってしまう可能性もあります。

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教育ローンの選び方「まとめ」

国の教育ローンは金利がとても低いことから保証料を考慮に入れたとしても民間の教育ローンよりもお得に教育資金を借りることができる可能性が高いです。

さらに、片親世帯や低所得世帯、多子世帯は金利や借り入れ条件で優遇されることもあります。

一方、収入が多い世帯では申込みの上限額にひっかかってしまい国の教育ローンでお金を借りられないケースもあります。そうなると民間の教育ローンを検討しなくてはなりません。

民間の教育ローンでは、国の教育ローンにはない当座貸越型の借り方などがあったり、借入限度額も国の教育ローンより多かったりというメリットもあります。

民間の教育ローンは、利用条件や内容も金融機関ごとに異なってきます。金利が低いに越したことはありませんが、金利以外の面でも希望にあった内容の教育ローンを借りることができるよう複数の金融機関の教育ローンを検討することをおすすめします。

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