教育ローンは親子リレー返済できる?

これから進学する人の中には「親になるべく負担をかけたくない」という方や、「子どもが学生のうちは教育費を出せるけれど、卒業後も教育費を返済し続けるとなると家計が心配…」という保護者の方もいるでしょう。

住宅ローンでもしばしば見かける「親子リレー返済」ですが、教育ローンでも選択が可能な場合もあります。

親子リレー返済をすることで親の負担を減らすことができますが、教育ローンの親子リレー返済ならではの理解しておくべきポイントや注意点もあります。

この記事では、教育ローンの親子リレー返済の概要や、親子リレー返済を扱っている金融機関、親子リレー返済でお金を借りるメリットや意外なデメリットについて解説していきます。


教育ローンの親子リレー返済とは

教育ローンは、基本的には進学する子どもの保護者がお金を借りて保護者が返済をしていくことになります。

一方、進学する子ども本人がお金を借りて本人が返していくものには奨学金があります。

教育ローンや奨学金を検討するのは子どもが高校や大学へ進学するタイミングになることが多いので、親の年齢も40代から50代が多いのではないでしょうか。

教育ローンは借りる金額などにもよりますが、10年や15年くらいかけて返済していくパターンも少なくありません。

すると、年下の弟や妹がいて進学を控えている、ずっと返済していては親の老後にかかる資金が貯められない、早い人であれば教育ローンを返済している期間の間で親が定年退職を迎える、といった心配もあるかもしれません。

また、子ども本人が、社会人になったら自分で返済していきたい、できるだけ親の負担を軽くしたいという強い思いがあることもあります。

本来なら奨学金を借りたい…そう思っていても、奨学金を希望する人が多いため希望どおりに利用することができないこともあります。

そんなことから教育ローンの選択を迫られることもあるかもしれませんね。

そうはいっても、やはり親が返済し続けるということがネックになってしまい、なかなか教育ローンを検討する気になれないかもしれません。

そうしたお悩みや要望に答えてくれるのが教育ローンの「親子リレー返済」です。

親子リレー返済とは、子どもが学校へ通っている間は親が返済し、子どもが卒業したら子ども自身が返済していくという方法です。

教育ローンを返済する人が在学期間中と卒業後で親から子どもへと変わるということです。

返済方法は、一般的な元利均等返済が多いですが、在学期間中は元金の部分を支払わず利息のみを支払い、卒業後に元金と利息を合わせて支払う元金据置返済が選択できることもあります。

元利均等返済方式で親子リレー返済をする場合、在学期間中は親が、卒業してからは子どもが元金と利息を払っていきます。

元金据置返済方式に比べると親の負担は増えますが、子どもが卒業後に返していかなくてはならない金額は減りますし、元金据置返済よりはトータルの支払額も抑えることができるでしょう。

一方、元金据置返済方式で親子リレー返済をする場合、親には在学期間中の利息のみを払ってもらい、社会人になったら元金と利息を子ども本人が自分で払っていくということになるので、親にかかる負担は少なく済みますが、トータルの支払金額で考えると元利均等返済よりも高額になってしまう可能性もあります。

いずれにしても、親子リレー返済をすることで、親がずっと返済し続けるという状況は回避できますし、親が返済をすべて負担するわけではないので親の負担は通常よりも軽くなります。

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親子リレー返済が選択できる教育ローンは?

親子リレー返済はどの教育ローンでも利用できるわけではありません。ほとんどの教育ローンは、原則どおり親がお金を借りて親が返済していくことになります。

教育ローンには、日本政策金融公庫が提供している国の教育ローンと民間の金融機関等が提供している教育ローンがありますが、国の教育ローンでは親子リレー返済ができません。

さらに、親子リレー返済ができる教育ローンは民間の金融機関のなかでも数がかなり限られています。

2018年9月現在で筆者が親子リレー返済ができると確認できたのは以下の3つの教育ローンのみでした。

三井住友銀行 教育ローン 有担保型

申請をすることで親から子どもへ教育ローンの返済を引き継ぐことが可能です。引き継ぐ際には、所定の手続が必要なうえ、三井住友銀行と三井住友銀行が指定する保証会社の審査があります。

三井住友銀行では、有担保型の教育ローンと無担保型の教育ローンを扱っていますが、親子リレー返済が可能なのは有担保型の教育ローンのみです。

契約者本人(保護者)が保有している不動産に、三井住友銀行が指定する保証会社を抵当権者とする抵当権を設定することになります。返済期間は最長で30年までとなっています。

参考URL:http://www.smbc.co.jp/kojin/mokuteki_loan/kyouiku_y/

楽天銀行 大学専用教育ローン

楽天銀行の大学専用の教育ローンです。専門学校などへ進学する場合は利用できないので注意しましょう。

学生(子ども本人)を保証人にすることも可能ですが、親子リレー返済の申し込みは契約時にはできません。

親から子どもへ返済を引き継ぐタイミング(卒業するとき)で申請が必要です。

在学中は親の口座から返済されますが、審査に通過すれば、卒業後は子どもの口座から返済されることになります。在学中は利息のみを支払う元金据置返済でも元利均等返済でも親子リレー返済を適用することができます。

参考URL:https://www.rakuten-bank.co.jp/loan/cardloan/education/education.html

オリコ 学費サポートプラン

株式会社オリエントコーポレーションが提供する学費サポートプランでは親子リレー返済が可能です。

株式会社オリエントコーポレーションは、信販会社ですので、先に挙げた三井住友銀行や楽天銀行とは異なり、厳密にはローンではなく立替払い契約なのですが、便宜上教育ローンとしてご紹介します。

こちらのプランは、提携校に進学する方のみ利用できます。
提携校はこちらのページから探すことができます。

他の教育ローンと大きく異なるのは支払い方法で、月額指定払方式(いわゆるリボ払い)による返済になっています。

就職後に親から子どもへ返済を引き継ぐことが可能ですが、申込時に手続きをすることはできず、卒業時に申請や審査が必要になります。

在学時は手数料のみを支払う元金据置返済も可能ですし、卒業時の残高に応じて支払額を減額できる制度もあります。

<参考URL>
https://orico-web.jp/gakuhi/example.html#anc04
https://orico-web.jp/gakuhi/extension.html

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教育ローンで親子リレー返済をするメリットとデメリット

教育ローンにおける親子リレー返済がどのようなものなのか概要はお分かりいただけたと思います。ここで、教育ローンで親子リレー返済をするメリットとデメリットを考えていきましょう。

教育ローンを親子リレー返済するメリット

一番のメリットは、親の負担が減るということでしょう。

親が長い年月をかけてずっと返済していかなくてはならないとなると、子どもから親へ教育ローンを検討してほしいということを頼みづらいでしょうし、親としても住宅ローンの返済や老後のための貯蓄など何かと不安な要素がでてくるため安易に教育ローンを組むと決断しづらくなってしまうでしょう。

そこで、親子リレー返済を利用して子どもが学生の間だけ親が支払うということを決めておけば親の負担は軽減されますので教育ローンを組むという選択のハードルも下がることでしょう。

また、教育ローンを利用して進学する子どもが卒業した後に、これから進学する弟や妹がいる場合は、弟や妹のほうへ学費がまわせたり、親が新たに教育ローンを借りやすくなるといったメリットもあります。

子どもが親になるべく負担をかけたくないけれど、奨学金を借りることができなかったという場合に子どもの希望に沿う形でお金を借りられることもメリットの一つといえるかもしれません。

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教育ローンを親子リレー返済するデメリット

では、デメリットについても考えてみましょう。教育ローンの「親子リレー返済」のデメリットはほぼないといってもよいでしょう。

しかし、デメリットとまではいかないにしても、教育ローンで親子リレー返済を検討するときに注意すべき点はあります。

まず、第一に、契約時に親子リレー返済を確約できるわけではないということです。

住宅ローンの親子リレー返済をするときは、本契約前に親も子も審査を受け、返済能力のある子どもが連帯責任債務者として一緒に返していくということが契約する時点で決まっており、親子リレー返済が確約されています。

しかし、学生には教育ローンの返済者になれるだけの信用力はありませんので、実際に返済者として責任を負うことができるのは、卒業するタイミングで親子リレー返済を申請して子どもが審査に通ったときです。

もし、子どもが審査に落ちると親が払い続けなくてはならず、親のマネープランが崩れてしまう可能性があるというデメリットもあります。

もう一点、デメリットとまではいえないかもしれませんが、住宅ローンの親子リレー返済のように子どもが連帯責任債務者になることができないので、親が高齢でも借りられるようになるなど融資に有利にはたらくメリットは教育ローンの親子リレー返済にはないということが挙げられます。

また、親子リレー返済ができる教育ローンは非常に数が少ないです。そのため、金利面などで条件のいい教育ローンを選ぶなど選択する余地がないということもデメリットといえるかもしれません。

そして、親子リレー返済に対応している教育ローンが少なすぎることから、実質的に誰もが親子リレー返済を選択肢に入れられるわけではないと筆者は思います。

三井住友銀行の有担保型教育ローンを利用するためには担保となる不動産が必要になりますし、楽天銀行の教育ローンは大学専用となっています。

また、オリコの場合は提携校に進学(在学)しなくては利用できませんし、支払い方法が通常の教育ローンとは異なるという点が気になる方もいるでしょう。

そうなると親子リレー返済のできる教育ローンを条件的に利用できない人も多くいると思います。とはいえ、このようなデメリットは親子リレー返済ができる教育ローンが今後増えて解消されてくる可能性もあるかもしれませんね。

教育ローンの親子リレー返済「まとめ」

教育ローンにおける親子リレー返済は、子どもが学生であるためお金を借りられるだけの信用力(返済能力)はありません。

そのため、契約時に親子リレー返済とするのではなく、子どもが学校を卒業したタイミングで返済者を変更する手続きをすることによって親から子どもへ返済をバトンタッチすることができます。

変更のタイミングで審査があるので、この審査に通過できるかどうかが親子リレー返済ができるかの分かれ目でもあります。こうした点で、住宅ローンなどでよくある親子リレー返済(契約時に返済能力のある子どもを連帯責任債務者とする)とは異なりますし、得られるメリットも異なってきます。

しかし、親子リレー返済を利用できれば親の負担は確実に軽くなりますので、教育ローンを組むという経済的負担はもちろん心理的な負担も軽減されることでしょう。

卒業後に返済していくのは子ども自身になりますので、選べる場合はどの返済方法にするのか、どこで契約するのかなど、契約の時点で親子でよく話し合って決定していくことはもちろん、返済計画や親と子それぞれのマネープランを共有して理解しておくことが大切です。

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