債務整理者・生活保護受給者も教育ローンでお金借りられる?

子どもの教育費を賄うために教育ローンでお金を借りたいけれど、借りられるかどうかわからない…過去に債務整理をした経験がある方や生活保護を受給している方はそんな不安もあることでしょう。

この記事では債務整理をしたことがある方や生活保護を受給している方でも教育ローンでお金を借りることができるのか?解説していきます。また、教育ローンでお金を借りることができない場合にどうすればよいのか対策も紹介します。

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債務整理をしたことがある人は教育ローンでお金を借りられる?

さまざまな事情で債務整理を行ったことがある方や、現在債務整理中という方もいるかもしれません。そうした方は教育ローンでお金を借りることができるのでしょうか?

結論からいうと、教育ローンをでお金を借りるのは非常に厳しく99%無理だと思っていただいたほうがよいでしょう。その理由と、残りの1%の借りられるかもしれない希望についてご説明します。

まず、債務整理をすると、いわゆる「ブラックリストに載る」ことになります。実際にブラックリストというリストが存在するわけではなく、信用情報機関の記録に債務整理を行ったという事実が載せられることをいいます。

信用情報機関は「株式会社日本信用情報機構(JICC)」「株式会社シー・アイ・シー(CIC)」「全国銀行個人信用情報センター(KSC)」の3つがあり、銀行などさまざまな金融機関、貸金業者、クレジットカード会社(信販会社)などが加盟しています。

わたしたちがお金を借りたりクレジット契約をするときは、加盟者である金融機関ないし会社がこの信用情報機関に情報の照会をかけます。

すると、わたしたちが借りたり契約したことのあるローンやクレジットについて返済状況などあらゆる情報が開示されます。

滞納歴や債務整理をしたこがあればそれももちろん載っており、そうした情報が載っている(信用情報にキズがついている、と表現することもあります)場合は基本的にどこもお金を貸してくれません。

教育ローンの場合、日本政策金融公庫の国の教育ローンと銀行などの民間の教育ローンがありますが、どちらも信用情報に債務整理をしたことが載っていれば審査に落ちる、つまり教育ローンでお金を借りることができないと考えてよいでしょう。

ただし、冒頭でもふれたようにお金を借りられる希望がまったくゼロというわけでもありません。

債務整理をした場合、信用情報にはその記録が完済日(契約終了日)から5年程度残ります。もし、官報に載るような破産や民事再生の場合は破産や民事再生の決定日から最長で10年間記録が残ります。

反対に、5年以上(または10年以上)経過していれば、信用情報から記録が消されており、信用情報を照会したかぎりではなかったことと同じです。

もし、信用情報に債務整理の記録が残っていなければ債務整理をしたことがあっても教育ローンが組める可能性もあります。ただし、債務整理以外の事項で審査に落とされるような事項があれば借りることができないので注意が必要です。

また、ここからの話は、こういう状況ならお金を借りられるという話ではなく、あくまで「もしかしたら」お金を借りられる「かもしれない」という僅かな可能性についての話ですので、そのつもりで読んでいただけたらと思います。

現在債務整理中の方や、まだ信用情報に債務整理の記録が残っている場合、民間の教育ローンは諦めざるをえません。

しかし、国の教育ローンであれば債務整理をしていてもお金を借りられるという話もあるようです。真偽をはっきりと確かめることはできませんが、その話の根拠としては、民間の教育ローンが営利目的であるのに対して、国の教育ローンは営利を目的としておらず、民間の教育ローンの審査方法とは異なる審査方法であるとうことにあるようです。

債務整理をしていても、返済がすでに完了していたり、安定して継続的な収入がある、など他の審査項目でプラスになることがあれば融資を受けられるかもしれません。

また、保証会社の利用を選択すると保証会社がNGを出せば借りられなくなってしまいますが、保証会社を利用するのではなく、十分かつ安定的な収入のある連帯保証人を用意するといったことでも審査に少しは有利になるかもしれません。

債務整理の記録が残っていると、教育ローンを組むことはほぼできないと考えられますが、債務整理をした人や債務整理中の人は申し込んではいけないという決まりはないので、「申し込んでみればよかった…」と後になって後悔するよりはダメ元でも申し込んでみてもよいと思います。

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生活保護受給中でも教育ローンでお金を借りられる?

生活保護制度とは?

資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度

厚生労働省HPより引用

つまり、資産や能力をフルに活用しても自力では生活できない経済状況の方を助けて支援する制度ということです。

教育ローンには日本政策金融公庫が提供している国の教育ローンと、銀行などの金融機関が提供している民間の教育ローンがあります。

生活保護を受給している方がそれぞれのローンを利用できるかどうかみていきましょう。

まず、民間の教育ローンの申し込み条件にはほぼ「継続的・安定的な収入のある方」と記載されています。

ここでいう収入とは、会社員の給与や自営業者の事業所得のことをさし、生活保護によって支給されるお金は「収入」とはみなされません。つまり、申し込みすらできないということです。

仮に申し込みができたとしても、当然ですが返済能力のない人にはお金を貸してくれません。生活保護の定義からしても、生活保護を受給している方は自分の力で生活をしていくことができない経済状況にいるため返済能力があるとは判断されず、貸してもらうことはできないでしょう。

一方、国の教育ローンの申込人に関する条件については「継続的・安定的な収入のある方」といった文言は見受けられません。

申込人の収入に関しては

お申込みいただける方は、ご融資の対象となる学校に入学・在学される方の保護者ですが、世帯の年収(所得)について、子供の人数に応じた上限額が設けられています。」
「収入(所得)に下限はありません。お客さまのご事情をお伺いしたうえで、検討させていただきます。ただし、審査の結果、お客さまのご希望に沿えないことがあります。

日本政策金融公庫HPより引用

ということだけ記載されています。

収入の上限については触れられていますが、収入の下限については触れられていませんね。
また、国の教育ローンでは、世帯年収200万円以内の人は金利が優遇されて通常の金利よりも低くなります。このことからも、年収が200万円に満たない世帯でも、申し込むことや利用は可能と考えられます。

ただし、生活保護を受給しているという点を考慮すると、自力で生活する最低限度のお金を働いて得ることができていない状況なので、返済能力がないとされて審査に通過できない可能性のほうが高いです。

また、もし教育ローンでお金を借りられたとしても、今度は生活保護が打ち切りになる可能性が高いです。

なぜなら、ローンを組めるということは、返済能力があると判断されたという証拠になるからです。返済能力がある人にとって生活保護は必要ないはずですから、教育ローンを組む代わりに生活保護は打ち切りになるでしょう。

結論としては、生活保護を受給している人は民間の教育ローンには申し込むことができない(=利用できない)、国の教育ローンも申し込みはできるけれど利用できる可能性は非常に低く、もし利用できたとしても生活保護はおそらく打ち切りになるということです。

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子どもに進学を諦めさせたくないときの対策

債務整理をしていたり生活保護を受けていると教育ローンを借りるのは非常に難しいということがお分かりいただけたと思います。

しかし、なんとかして教育費を工面したいという気持ちもわかります。教育ローンは組めなくても、なんとか子どもを進学させられるような方法を探してみました。

世帯を分けて奨学金を借りる

生活保護を受けている場合、もし教育ローンや奨学金を借りてしまうと生活保護が打ち切られてしまう可能性があります。それでは生活ができなくなってしまいますよね。

こうした場合、学生と保護者とで世帯を分ける世帯分離という手続きをとり、学生本人が別世帯の世帯主になり、学生本人が奨学金を借りるという方法があるようです。

奨学金は親ではなく学生本人が借りて返していくものになり、教育ローンとは異なるものですが、教育の資金としてお金を借りるという目的は果たせるものなので親子で相談しながら検討してみてもよいでしょう。

世帯分離という手続きについては、その字面から別の家で暮らさなければならないようなイメージがありますが、本当に離れ離れに暮らす必要はないようです。同居していても、生計が別であればそれぞれ別の世帯として認めてもらえることもあります。

世帯分離の手続きをとることによる注意点としては、学生本人の分の生活保護は打ち切りとなるということです。

親は学生本人の分を減額した生活保護を受給できますが、学生本人はアルバイトや奨学金などで学費と生活費を賄っていくことになります。

各家庭の事情や役所の判断など事例によって世帯分離が認められるかどうか、生活保護が継続されるかどうかなど変わってくると思います。

先々の生活で不都合なことになってしまわないよう、必ず役所の担当者やケースワーカーに相談するようにして独断で手続きを進めていくことはしないようにしましょう。

申込人を両親以外にする

国の教育ローンに関しては、申込人を本人や姻族・血族など保護者以外にすることも可能なようです。

どのような人が申込人になれるのか詳細をみていきましょう。

まずは、国の教育ローンからご紹介します。
日本政策金融公庫のHPによると、申込人になれる人は次のとおりです。

「ご両親のうち、主に生計を維持されている方にお申込人になっていただいておりますが、例えば、成人されており、勤務収入などの安定したご収入があって、独立して生計を営んでいらっしゃる方であれば、学生ご本人がお申込みいただける場合もございます。」

「お申込人になることができるのは、6親等内の血族、配偶者および3親等内の姻族です。
例えば、お子さまの方からみますと、おじいさん・おばあさんやご兄弟(ご姉妹)は2親等の血族、おじさん・おばさんは3親等の血族にあたりますので、いずれの方もお申込人になることができます。」

日本政策金融公庫HPより引用

では、民間の教育ローンの場合はどうでしょうか。

民間の教育ローンは、金融機関など提供しているところによっても異なるのですが、申込人と本人との関係について特に記載されていない場合もありますし、申し込みの条件に申し込める人について記載されている場合もあります。

例えば、イオン銀行の教育ローンの場合では、

就学(予定)者との続柄が3親等以内の方

イオン銀行HPより引用

とされていたり、
楽天銀行の教育ローン(非提携型)の場合は

大学へのご入学または在学されている学生と生計を一にする親族の方、または学生ご本人さまで安定した収入のある方

楽天銀行教育ローン(非提携型)商品概要説明書より引用

とされています。

ちなみに「親等」については、本人またはその配偶者から見て、

1親等:父、母、子
2親等:祖父、祖母、孫、兄弟姉妹
3親等:曾祖父、曾祖母、曾孫、おじ、おば、おい、めい
4親等:高祖父、高祖母、いとこ、祖父母の兄弟姉妹
5親等:曾祖父母の兄弟姉妹
6親等:またいとこ

となります。

中高生で申込者になれるような子や孫や配偶者はいないと思いますが、たとえば、本人からみたおじやおば、すでに成人して社会人として独立している兄弟や姉妹がいた場合は、親の代わりに申込者になってもらうこともできるというわけです。

また、血族と姻族とのちがいは、血族は血縁関係のある人のこと、姻族とは婚姻によってできた縁で、いわゆる義理の母とか義理の弟といった義理の関係をさします。

国の教育ローンの場合、血族であれば6親等以内の人が申込者になれるので、いとこや祖父母の兄弟姉妹などに申込者になってもらうことも可能です。

祖父母の兄弟姉妹となると年齢的な制限が心配かもしれませんが、祖父母の下に歳の離れた兄弟姉妹がいる場合も少なくないと思いますので確認してみましょう。

ただし、いくら親族とはいえ、普段交流のない人に申込人になってほしいと頼まれてもそう簡単には引き受けてもらえないでしょうし、頼むにしても気が引けるものだと思います。また、お金が絡むことなので親族間のトラブルに発展することもないとはいえません。

社会人から学生になる人など本人に安定した収入がある場合は本人でも申し込みが可能なこともあります。

子どもにはかわいそうな気もしますが、誰も申込人になれる人や頼める人がいなくて、奨学金ではなく教育ローンでお金を借りることにこだわる場合は、本人が一度就職などをして社会人として安定的な収入を稼げるようになってから本人が申し込むという方法をとるという選択肢もあります。

生活福祉資金貸付制度を利用する

生活福祉資金貸付制度とは、低所得者世帯などに、総合支援資金、福祉資金、教育支援資金などのお金の貸す制度のことです。

教育ローンの代わりに利用できるのは、生活福祉資金貸付制度のなかの「教育支援資金」の部分です。

教育ローンと異なる点は、申込人は進学する本人になるという点です。どちらかというと奨学金に近いですが、原則として親は連帯借受人として子どもと一緒に債務を履行していく義務を負います。

教育支援資金には「教育支援費」と「就学支度費」の2種類があります。

教育支援費では、低所得者世帯の子どもが高校や大学、専門学校に修学するために必要な経費を借りることができます。

就学支度費では、低所得者世帯の子どもが高校や大学、専門学校に入学するために必要な経費を借りることができます。

「修学」と「就学」で少し混乱する方もいるかもしれませんが、修学とは、学問を修め習うことですので、就学(学校にはいるという意味)とは異なります。

教育支援費は授業料など学校で勉強するためにかかる費用をまかなうために借りるお金、就学支度費は入学金などの学校に入るときのために借りるお金と考えればわかりやすいかもしれません。

教育支援費は、高校で月35,000円以内、高専と短大は月60,000円以内、大学は月65,000円以内の範囲で借りることができますが、特に必要と認める場合はそれぞれの上限額の1.5倍まで貸してもらうことができます。

就学支度費については50万円以内です。

教育支援費も就学支度費も据置期間が設けられており、卒業後半年以内までは据え置くことが可能になっています。また、返済期間は20年以内となっています。無利子で貸してもらうことができ、保証人も不要ですが世帯内で連帯借受人を設定する必要があります。

連帯借受人とは、借受者と連帯して債務を負担する人のことを指します。

生活福祉資金貸付制度も当然ですが審査があるので、必ず借りれるわけではありません。

原則としては「生活保護を受ける直前の世帯の救済」のための制度なので、多重債務者はもちろん、生活保護の人も借りることはできません。

ただし、実際には自治体によって個別にケースを判断してもらうことができ、生活保護と併用することが可能な場合もあるようです。

国の教育ローンや民間の教育ローンよりは生活保護など事情のある方でも考慮してもらいやすいと思います。

生活福祉資金貸付制度に関するお問い合わせはお住まいの地域の市区町村社会福祉協議会で受け付けていますので、詳しく知りたい方はそちらへお問い合わせください。

また、市区町村社会福祉協議会の連絡先が分からないときは都道府県社会福祉協議会へ問い合わせることもできます。

<参考>厚生労働省「生活福祉資金貸付制度」

債務整理者・生活保護受給者も教育ローンでお金借りられる?「まとめ」

債務整理をしていたり生活保護を受給していたりすると教育ローンでお金を借りることは極めて難しいということがおわかりいただけたと思います。

しかし、「子どもにはしっかりと勉強をさせてあげたい」、「やりたいことを諦めさせたくない」と親なら思うものです。

国の教育ローンであれば、状況によっては民間の教育ローンよりは借りられる望みは僅かながらあるものの、やはり借りられなかったときの対策はしっかりと考えておくべきでしょう。

今回ご紹介した対策を利用するには、役所の方に相談する必要があるものもあります。また、手続きを行っていくのにも時間がかかることでしょう。

子どもの進学に間に合うよう、教育ローンの申し込みをする前にも早めに相談するようにしましょう。

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