教育ローンとは?教育ローンの種類

義務教育を終えて高等教育へと進学する際に、経済的な負担が気がかりになる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、中学校を卒業して進学する子どもにかかる教育費がどの段階でどの程度必要になるのかをご説明したうえで、教育ローンの概要や種類についてご紹介していきます。

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高校や大学への進学率は?いつ、どのくらいのお金が必要になる?

小中学校の義務教育を終えたあとの進路について調べたところ、高校などへ進学する割合が約99%。大学や短期大学へ進学する割合も57.9%、専門学校への進学は16.0%(いずれも過年度卒者含む)となっており、合わせると高校を卒業した人のうち約7割以上の人がさらにハイレベルな教育を受けるために進学しています。

また、大学・短大入学志願率は61.8%で過去最高を記録しています。(学校基本調査 平成30年度(速報)

高校でかかる教育費

ほとんどの人が高校へ行くことになりますが、教育費はどのくらいかかるのでしょうか。「文部科学省平成28年度子供の学習費調査」によれば、1年間の学習総額費用(学校の授業料や学校に必要な費用、学校以外で必要な塾の費用なども含めたもの)の平均は公立の全日制高校で約45万円、私立高校で約104万円(いずれも全日制)となっていました。

公立の全日制高校で単純に学校の教育にのみかかる費用は平均で275,991円、私立高校だと755,101円となっています。

公立高校ならあまりお金の心配はいらないけれど、私立高校だとちょっと厳しいというご家庭も多いかもしれませんね。

大学でかかる教育費

では、大学の教育費はどうでしょうか。大学は国公立大学と私立大学とではシステムが異なりますので分けて説明しますね。

まずは、国公立大学の教育費についてです。
国公立大学の授業料や入学金は国が基準を決めており、それに沿って大学ごとに設定されています。河合塾が発表している「2018年度 国公立大学 受験料・初年度学費一覧」によると、年間の授業料はほとんどが国の基準額である535,800円となっています。

入学金も国の基準額に則り282,000円としているところが多いです。

※基準額については文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」を参照

細かなところでいえば、県内に在住かどうかで入学金に差がある大学もあり、県内在住者は県外在住者よりも入学金が安くなることもあります。

施設設備費については国が基準を定めているわけではなく、かなりばらつきがあります。1万円程度のところもあれば、10万、20万、50万円…と高額のところもあります。

医療系や美術系は施設設備費が高いところが多いようです。また、施設設備費は1万円程度でも、後援会会費が10万円ほどする場合もあります。

では、私立大学の教育費はどうでしょうか。私立大学の場合は授業料などに国の基準はなく、大学が自由に料金を設定しています。

文部科学省の「私立大学等の平成28年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」という資料や「平成28年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」という資料を見てみると、私立大学の授業料は877,735円、入学金は253,461円、施設設備費185,620円となっていることがわかりました。

この数字は私立大学の文系の学部も理系の学部も合わせたものですので、文系と理系に分けてみるとまたここで差が出てきます。

文系学部では授業料758,854円、入学金234,763円、施設設備費157,246円となっており、理系の学部では授業料1,071,560円、入学金256,208円、施設設備費190,565円と、理系学部のほうがどの費用も文系より高くなりがちです。

このように、高等教育を子どもに受けさせるとなると、義務教育のときよりもたくさんのお金が必要になります。

高校の場合、高校授業料無償化もあって、高所得の世帯を除いては授業料の補助を受けることができるので公立でも私立でも授業料の面では心配いらないという方も多いかもしれません。

しかし、制服代や教科書代、定期代などの部分で大変と感じるご家庭もあると思います。また、大学進学ともなれば、初年度には100万程度または100万円以上ものお金を納付する必要があります。

コツコツ貯めてきたというご家庭でも、通常の学校生活にかかる費用に追加して受験のための塾代や教材費、受験料や受験のための宿泊費・交通費などを支払ってきたことを踏まえるとやはり大変だと思いますし、すべてのご家庭でそうした大きな金額が用意できるというわけではないと思います。

とはいえ、子どもに「うちにはお金がないから諦めなさい」といってやりたいことや夢を諦めさせることもしたくない…という親心もわかります。

そんなときには教育ローンや奨学金でお金を借りるという方法を検討するのも一つの手です。今回は、教育ローンについてご紹介していきます。

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教育ローンとは?

教育ローンは、教育を受けるために必要なお金を借りることができるローンです。使いみちは教育に関連することのみに限定されますが、使用目的が自由なフリーローンなどと比べると低金利でお金を借りることができます。

教育のために借りるお金といえば、奨学金の方を先に思い浮かべる方も少なくないはずです。たしかに、教育にかかる費用を借りるという部分では同じですが、教育ローンと奨学金は同じものではありません。

奨学金は子どもがお金を借りて子ども自身が卒業後に働いて返済していくものであるのに対し、教育ローンは保護者がお金を借りて保護者が返済していくものという違いがあります。

さらに教育ローンと奨学金とでは運営している団体(国や金融機関、会社、都道府県など)も異なります。

奨学金には、無利子で貸してくれるものや返済の必要がない給付型のものがありますが、教育ローンには無利子のものや給付型のものはありません。

あくまで、「ローン」ですので、利子を払わなくてはいけませんし、給付ではないので必ず返済していく必要があります。

教育ローンの使いみちが、教育に関連する費用だけに限られるということはすでによくわかっていると思いますが、どこまでを教育に関連する費用として認めるのか、その範囲についてはお金を借りる機関によってかなり異なってきます。

たとえば、入学金、授業料、諸経費など学校へ納入するものだけを使途として認めていてほかは認めていないという金融機関もあれば、受験料や教科書代、下宿にかかる費用や教材費や通学費なども教育ローンの使いみちとして認めている場合もあります。

また、のちほど詳しく説明しますが、借りることができる金額には制限があります。お金を借りる人の収入にもよりますが、どんなに多く借りられても、目安としてはこの先1年にかかる費用が上限になることが多いようです。

この場合、四年制大学に進学したからといって、4年分の費用を先に借りることはできません。在学中にお金が必要な場合は再び申し込みを行う必要があります。一方で、在学中であれば利用可能枠の範囲内で何度も借りることができる教育ローンもあります。

もっと具体的に教育ローンを理解するためにも、次の項目で教育ローンの種類について詳しくみていきましょう。

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教育ローンの種類

教育ローンを借りる先は大きく分けて、「国」と「民間」の2つに分けられます。それぞれについて、限度額や返済期間、返済の方法、金利などの詳細をご紹介していきます。

国の教育ローン

国の教育ローンは日本政策金融公庫が提供している教育ローンです。

融資の対象となる施設は限定されており、大学等であっても在籍する課程や学校教育法によらない学校については対象外のこともあります。

とはいえ、ほとんどの大学や大学院、短大、専修学校、各種学校、予備校、デザイン学校、高等学校、高等専門学校、特別支援学校の高等部、外国の高等学校・大学・短期大学・大学院・語学学校、その他職業能力開発校などの教育施設が対象となります。(念の為、進学先や在籍している学校が該当するかどうかは問い合わせて確認するようにしてください。)

国の教育ローンは、学費の支払いだけでなく、下宿などの住居費や電車の定期券などの通学費用、教科書やパソコンも含む教材の購入入費、学生の国民年金保険料などにも使うことができ、1年間に必要な金額を子ども1人につき350万円以内の範囲で借りることができます。(ただし、外国の短大、大学、大学院に6ヵ月以上在籍する資金として利用する場合は、450万円以内と借りられる金額が増えます。)

返済期間は原則として15年以内ですが、交通遺児家庭、母子家庭、父子家庭、世帯年収200万円(所得122万円)以内の方または子ども3人以上(の世帯かつ世帯年収500万円(所得346万円)以内の方は18年以内の返済期間になります。

返済方法は、毎月の返済額が一定の元利均等返済、在学中は利息のみの支払いで、卒業後に元金と利息合計を返済する据置型の返済プランやボーナス月に返済額を増額するプランもあります。

金利は固定金利で年1.76%(平成29年11月10日現在)ですが、母子家庭、父子家庭、世帯年収200万円(所得122万円)以内の方または子ども3人以上(注)の世帯かつ世帯年収500万円(所得346万円)以内の方は年1.36%となります。

本記事の作成は平成30年9月に行っておりますが、最新の金利情報は平成29年11月のものが掲載されていました。おそらく毎年11月ごろに金利が設定されることが予想されます。金利は変動しますので、かならずHPや問い合わせダイヤルなどでご確認ください。

国の教育ローンを借りるにあたり、保証人をつける必要はありませんが、公益財団法人教育資金融資保証基金による保証を利用する必要があります。融資額や返済期間から算定された保証料を融資金から差し引くかたちで支払います。

連帯保証人による保証も可能ですが、連帯保証人となれる人は、進学者・在学者の4親等以内の親族であり、かつ申込みをする人とは別居しており別生計の人と限定されています。

年収が低くて教育ローンの審査に通らなかったという話は聞いたことがあるかもしれませんが、国の教育ローンは年収が高すぎても借りることができません。

子どもの人数によって世帯年収や世帯所得の限度額が異なりますが、世帯年収(所得)が一定の金額以内でなければ申し込むことができません。上限額については次の表を御覧ください。

子どもの人数 世帯年収 世帯所得
1人 790万円 590万円
2人 890万円 680万円
3人 990万円 770万円
4人 1,090万円 870万円
5人 1,190万円 970万円

 
ただし、子どもが1人や2人の場合でも特定の要件を満たせば、世帯年収が990万円、世帯所得が770万円まで上限が緩和されます。
その要件は次のとおりです。

①勤続(営業)年数が3年未満
②居住年数が1年未満
③世帯のいずれかの方が自宅外通学(予定)者
④借入申込人またはその配偶者が単身赴任
⑤今回のご融資が海外留学資金
⑥借入申込人の年収(所得)に占める借入金返済の負担率が30%超
⑦ご親族などに「要介護(要支援)認定」を受けている方がおり、その介護に関する費用を負担
⑧大規模な災害により被災された方

注意したいのは、年収が低ければお金を借りられるというわけではなく、上記の条件に当てはまる人が申し込み、返済能力があると判断された人だけお金を借りることができます。

申込んでからは20日程度で入金されますが、入学シーズンになると申し込みが殺到してしまいます。

のんびりしていると入学金の納入に間に合わなかったということにもなりかねません。国の教育ローンの申込み自体は、1年中いつでも受付けていますし、資金が不要になった場合はキャンセルすることも可能です。資金が必要になる2~3ヶ月前に余裕をもって申し込むのがおすすめです。

国の教育ローンの取扱は、日本政策金融公庫国民生活事業の各支店や最寄りの銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農協、漁協といった金融機関です。

沖縄にお住まいの方は相談先が沖縄振興開発金融公庫になります。また、電話での問い合わせやネットでの申し込みなども可能です。

入学資金に利用する場合は合格発表の前であっても申し込むことができますので、検討している方は最新の金利のチェックを忘れずに行ってください。また、詳細については資料請求、取扱窓口や公式の問い合わせ先にてご確認ください。

日本政策金融公庫教育ローンのページはこちらです。

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民間の教育ローン

もう1つは民間の教育ローンです。
民間の教育ローンを扱っているところは主に、銀行、信用金庫、JA、信用組合、労働金庫などの金融機関のほか、信販会社があります。

使いみちとして認められる範囲は、金融機関によって異なりますが、多くの金融機関が国の教育ローンと同様に学費の支払いだけでなく、下宿の費用や教材代など学校生活に必要なお金を使途として認めています。

また、塾や予備校の費用や部活動に必要な費用も使途として認めている教育ローンもあります。住信SBIネット銀行Mr.教育ローンイオン銀行の教育ローンのHPを見てみると、実際に幅広く教育費を使途としてカバーしています。

ただし、なかには学校に払う納付金のみしか使途として認めていないという場合もありますので必ず確認するようにしましょう。

借り入れの限度額は、300万円までのところもあれば、500万円や1000万円までなど国の教育ローンよりも限度額が高くなっているところもあります。

民間の教育ローンの多くは無担保型ですが、三井住友銀行は不動産を担保とする有担保型の教育ローンを提供しており、3000万円まで対応しています。

また、進学する学部や4年制大学か6年制大学かによって借入限度額が設定されている場合もあります。その場合、医学・歯学・薬学などの医療系で学費が高額になりがちな学部や、4年制大学よりも6年制の大学のほうが借入限度額が高く設定されています。

資金の借り方も国のローンとは異なり、証書貸付型と当座貸越型の2つの種類があります。この2つはそれぞれ、証書貸付型や当座貸越型とは違った名称で呼ばれることもありますが基本的にはこの2つのうちのどちらかになります。

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①証書貸付型の教育ローン
多くの教育ローンは証書貸付型とよばれる、一括で必要な金額を借り入れる方式をとっていることが多いようです。国の教育ローンもこちらの方法です。

「一括借り入れ型」とよばれることもあり、必要な金額を一度にまとめて借入れして、毎月返済していきます。毎月の返済額は一定になります。資金がさらに必要になった場合は追加利用をするための再審査を行う必要があります。

②当座貸越型の教育ローン
「ATM型」「カードローン型」「その都度型」「極度型」などと呼ばれることもあります。契約時に作成するカードを使って、必要な時にその都度必要なぶんだけ借入れる方法です。

最初に設定された金額の範囲内であれば、再審査などを受けずに何度でも在学中にお金を借りることができます。まとめて一気に借りずに、必要なぶんだけ必要なときに借りることができるためすぐに必要ない資金の金利の部分を節約することができます。

当座貸越型の教育ローンはすべての金融機関が取り扱っているわけではありません。当座借越型の教育ローンを扱っている金融機関でも、証書貸付型と両方取り扱っていて選べるようになっています。当座貸越型の返済方法は据置き型で、在学中は利息のみを支払う方法になります。

返済期間も金融機関ごとに異なりますが、だいたい10~15年以内と国の教育ローンと同じくらいの返済期間が設けられています。

ただし、返済の方法に関しては国の教育ローンよりも選択肢が増えます。もちろん、金融機関ごとに異なるので実際に利用する場合はどの返済方法に対応しているか確認する必要はありますが、国の教育ローンのように、毎月一定の金額を返済していく方法や、在学中は利息のみを払う据置きタイプの返済方法、ボーナス月の増額返済を選択することも可能です。

さらに、国の教育ローンにはない返済方法として「親子リレー返済」という返済方法もあります。親子リレー返済とは、在学中は親がローンを返済し、卒業後は本人が返済をしていくという方法です。

調べてみたところ、オリコ(学校提携ローン)、楽天銀行、三井住友銀行(有担保型)の教育ローンで対応しているようです。

親子リレー返済によって返済方法に縛りがでることはなく、在学中元金据置返済、毎月元利均等返済でも適用できます。在学中は親の口座から支払い卒業後に支払いご口座を本人の口座に変更するという手続きが必要です。

保証人は原則として不要ですが、保証会社を利用する必要があります。

教育ローンの場合、保証料は金利に組み込まれていることがほとんどのようですが保証料が別に必要な場合もあるので必ず保証料のチェックをしましょう。

金利については、国の教育ローンは固定金利となっていますが、民間の教育ローンの場合は固定金利か変動金利か選べることもあります。

金利の目安を知るためにメガバンクの教育ローンの金利を調べてみたところ次のような金利でした。

三菱UFJ銀行 変動3.975%
三井住友銀行 無担保型 変動2.975%
みずほ銀行 変動3.475% 固定4.300%

 

だいたい3~4%前後が目安のようです。ただし、住宅ローンを借りていたりする場合は金利が優遇されてもっと低い金利が適用されるかもしれません。

民間の金融機関の教育ローンについてご紹介してきましたが、「学校提携ローン」というタイプの教育ローンもあります。セディナやオリコなどの信販会社が取り扱っており、信販会社と学校が提携して「学校提携ローン」という呼び方で呼ばれています。

学校と提携しているから安心、金利も安そうというイメージがあるかもしれません。たしかに、学校を通さずに借りるよりはよい条件でお金を借りられるかもしれませんが、国の教育ローンや他の金融機関と比べた場合に必ずしも提携ローンのほうが好条件かといえば一概にそうとはいえません。

イメージだけで判断しないで、他の国や他の金融機関の教育ローンともじっくり比較検討することが大切です。

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「教育ローンとは?教育ローンの種類」まとめ

多くの学生が高校、大学などの高等教育機関へと進学する今日では、教育費のやりくりに悩んでいる保護者の方も多いはずです。今回は教育ローンの概要と種類についてご説明しました。

教育ローンと奨学金の大きな違いとしては、教育ローンは親がお金を借りて親が返していくもので、奨学金は学生本人が借りて学生本人が返していくということです。

どちらも返済する義務がありますので、子どもに借金を背負わせることはなるべく避けたいと考えている親御さんは教育ローンを検討する方が多いかもしれません。

教育ローンには、国の教育ローンと民間の金融機関で借りる教育ローンがあり、それぞれ金利はもちろん、返済方法や借り方、使途として認められる範囲も異なります。

ご家庭の経済状況や、いつ、いくら必要なのかなどの個別の事情に合った教育ローンを借りるための参考になれば幸いです。

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