住宅ローン 無理ない返済額の決め方・計算方法

住宅ローンの無理ない返済額を考えておかないと、家族計画に影響が出ます。ローン破産に陥ってしまうと二進も三進もいかなくなって、マイホームを手放すことにもなりかねません。

住宅展示場やモデルルームに行く前に知っておきたい住宅ローンの毎月返済額の決め方や資金計画の立て方を解説します。

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住宅ローン 無理ない返済額を返済比率から計算しよう

住宅ローンの無理ない返済額は、返済比率から計算するのが一般的です。返済比率の計算式と無理ない返済額を計算する際の注意点を順番に見ていきましょう。

返済比率とは

返済比率とは、年収に占めるローン返済額の割合を示しています。住宅ローン以外の借入がないとすれば、返済比率(%)=住宅ローンの年間返済額÷年収×100で計算される数値です。

このときの年収ですが、会社員なら社会保険などを控除する前の額面金額・自営業者だったら経費を差し引きした後の所得を採用します。

住宅ローンの年間返済額は、ボーナス返済を含めた金額です。金融機関の審査でも見られることが多い数式ですから、頭に入れておきましょう。

返済比率から考える毎月の返済額

一般的には、返済比率を20~25%くらいにまでに収めることが推奨されます。金融機関の審査基準では30~35%くらいがボーダーラインになることも多いことから、目一杯のローンを組むと大変です。余裕を持って20%とした場合、毎月の返済額は以下のように計算できます。

例:額面年収600万円の会社員
600万円×0.2÷12=10万円 / 月

額面年収600万円だと、手取りは470万円くらいでしょうか。毎月30万円弱の手取りがあって、年2回のボーナスが支給されるイメージです。

30万円弱から10万円の住宅ローン支払いが苦しいと判断すれば、いくらかをボーナス返済にまわして帳尻を合わせることもできます。自分の給与形態に合うプランを選ぶことも、家計に負担をかけないポイントでしょう。

マイホーム購入後の費用を差し引きする

返済比率20~25%をそのまま住宅ローンの返済額に当てはめてしまうと、無理が出てくることもあります。マイホーム購入後には、いろいろな費用がかかるためです。具体的には、以下のような費用が発生します。

固定資産税と都市計画税

固定資産税とは、土地や建物などの資産を持っているだけでかかる税金のことです。課税標準額をもとに計算されるため、資産価値が高い場所にマイホームを持つほど、固定資産税は高くなります。

都市計画税は、都市計画法で定められた市街化区域内にマイホームを購入した場合にだけ必要です。一定の要件を満たしたときだけ課されることになり、全ての人に支払い義務が生じるわけではありません。

修繕費

分譲マンションを購入した場合には、毎月の管理費と修繕積立金が必要です。フィットネススタジオやゲストルームなど充実した設備がある物件ほど管理費が高くなり、維持コストはかさみます。

中古物件を購入する際には、修繕積立金が高めに設定されていることもあるため、事前の確認が必要です。

一戸建てだと、毎月決まった金額を請求されることはありません。それでも、将来のリフォームに向けた自主的な積立が必要です。

毎月2~3万円くらいを目安として、修繕費と変わらないくらいの金額を積立ておくと安心でしょう。

どちらの費用も取得するマイホームの規模や資産価値によって差があるため、「我が家の場合」を考えておく必要があります。平均的なところをあえていうなら、3~5万円くらいは毎月かかるものと考えてください。

この分を返済比率から考えた毎月返済額から差し引いた結果が無理ない金額の目安です。先ほど見た額面年収600万円の会社員だったら、10万円から3万円を差し引いた7万円を目安にしていくことになります。

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住宅ローン返済額=家賃のプランは危険

無理ない返済額の見積もりに家賃を使う人もいます。前述のように、固定資産税と都市計画税・修繕費といった上乗せで発生する費用も多いことから、これは危険な考え方。無理ない住宅ローンの返済額を考えるなら、家賃より安いプランに設定するのが基本です。

「家賃と同じ金額で買える」の誘い文句に注意しよう

マンションや分譲住宅の営業担当者がよく使う誘い文句に「今の家賃と同じくらいの支払いですから」という言葉があります。

一見すると魅力的な提案のようにも感じますが、毎月の支払いを抑える代わりにボーナス返済を重くしていることもあるのが落とし穴。

確認しないで契約を決めてしまうと、業績がふるわない年の返済が苦しくなります。不思議な人間の習性として、普段の買い物などちょっとした値段だと1円でも安く買おうとするにも関わらず、2,000万円や3,000万円の住宅ローンだとザル勘定になりがちです。

住宅ローンの返済が始まってから泣かないためにも、無理ない返済額の計算をきちんとしましょう。

家賃と同水準の住宅ローンを組むための条件

住宅ローンの返済額は家賃以下に抑えた方が良いことは理解しても、どうしても家賃と同程度にしたい場合はどうしたら良いのでしょうか。

家賃と同水準の返済額に設定しても返済比率20~25%に納まって、理論上は無理なく返していけることが前提ですが、家計の見直しにより対応できるケースはあります。

家計の見直しで注力したいポイントは、住居費以外の固定費削減。生命保険を見直して過剰な分を解約する・携帯電話やインターネットのプラン変更など、毎月必ずかかる出費を少なくして、住居費に回せるお金を増やしましょう。

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無理ない住宅ローン返済期間を定年退職年齢から逆算する

毎月の返済額目安が計算できたら、最長返済期間を考えます。定年退職年齢を60歳と考えて、住宅ローン契約年齢を差し引きすると、最長返済期間が分かるはずです。

最近では定年退職年齢を65歳とする会社も増えていますが、60歳以降は給料が下がることも多々あります。無理ない返済を考えるなら、60歳までには完済できる計画が良いでしょう。

期間は長い方が良い?

無理ない返済を重視するあまり、長めのローン期間を希望する人もいます。ただし、返済期間を長くするほど、支払利息が増えることには注意しましょう。

3,000万円を固定金利1.8%で借りると仮定、期間ごとの毎月返済額と総返済額をシミュレーションしてみると、以下のようになりました。

返済期間 毎月返済額 総返済額
20年 14.9万円 3,575万円
25年 12.5万円 3,728万円
30年 10.8万円 3,885万円
35年 9.7万円 4,046万円

 

住宅ローンの返済期間を5年長くするごとに、150万円くらい総返済額がかさんでいくことになります。

無理ない返済計画を立てると同時に、総返済額が軽くなるシミュレーションも大切です。短すぎず・長過ぎずの自分に合うプランで、計画的な返済を守りましょう。

平均的な住宅ローン返済期間は15年

住宅金融支援機構の公表している「民間住宅ローンの貸出動向調査」によると、2016年に住宅ローンを組んだ人の平均的な契約期間は25.6年。

住宅ローン完済までにかかる平均的な返済期間は15年とされています。25年くらいの住宅ローンを組んでも、積極的に繰り上げ返済やプラン変更を行い、予定より早い段階で完済する人が多いようです。

住宅ローンを10年以下で完済する人も、33.1%と3割強。定年退職年齢までローンを抱えて返済を続ける世帯は、少ないということでしょう。

【参考】民間住宅ローンの貸出動向調査

平均的なデータを気にしすぎる必要はないのですが、浪費をしないで住宅ローンの返済を頑張れば、20年くらいでも無理なく返せることが分かります。

住宅ローンの返済が不安でマイホーム購入に踏み切れない人も、過剰に心配する必要はありません。

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無理ない住宅ローン返済額で理想のマイホームを建てるためのポイント

マイホームは一生に1度の買い物だからこそ、後悔しない選択をしたいものです。無理ない毎月返済額を守りつつ、理想のマイホームを手に入れるためのポイントを見ておきましょう。

お金をかける条件・かけない条件のメリハリをつける

無理ない返済額と返済期間が決まると、住宅ローンの契約額が分かります。3,000万円なら3,000万円をどんなふうに使うかを決めるのが次のステップ。

立地・間取り・広さなど家族の希望を考慮した条件を書き出し、優先順位を話し合います。予算が限定されている以上は、妥協しなくてはいけない部分が出てくるものです。

条件の優先順位を家族で共有しておかないと、どんな住まいを探して良いかが分かりません。

これから家族が増える予定を建てている夫婦なら、子供ができた後の生活までふまえた条件出しが必要です。

広さを求めるなら立地は妥協し、オフィス街から電車で1時間くらい離れた郊外までを検討対象に含める・夫婦それぞれのマイカーは絶対条件なので2台の駐車スペースは確保するなど、ライフスタイルに応じた予算配分を考えてみましょう。

頭金をなるべくたくさん用意する

家族の意思を尊重した結果、どうしても予算オーバーしそうなケースはあります。毎月の返済額を増やすよりは、頭金を厚くする方が安心。一時的には現金預金が少なくなって心もとなくなりますが、将来のローン破綻は予防できます。

住宅購入資金の贈与は非課税枠がありますから、夫婦の両親に相談するのも一案です。兄弟姉妹から「あなただけずるい」ということになるのが嫌なら、相続財産の前渡し(特別受益)とすることを説明しましょう。

実際に不幸があったときには前渡しされている分だけ、取り分が少なくなると考えてください。

金利上昇リスクを計算に含める

変動金利タイプの住宅ローンを選択すると、将来の負担が許容範囲を超えてしまうリスクがあります。

マイホームに対する憧れが強い人ほど楽観的な見積もりになりやすく、当初優遇金利期間の返済額だけを見て「このくらいなら」となりがちです。

金利が4%上がったとしても耐えられる水準くらいにしておくと、ローン破綻を予防できます。

金利が上昇したときのシミュレーションは、金融機関の担当者にお願いすれば、提示してもらえるはず。シミュレーション結果を見て「これはこわい」ということになれば、固定金利タイプの住宅ローンも考えてみましょう。

住宅見学会でのアドバイスを鵜呑みにしない

不動産業者の営業担当者としては、なるべく高い住まいを契約させることで売上をあげたいのが本音です。想定していた予算よりスペックが高いモデルルームを見せることで、欲を出させるくらいはお手の物。

良心的なアドバイスをくれる担当者もいるとはいえ、見極めは大変です。無理ない住宅ローン返済額と契約額のアドバイスがほしいなら、独立系のファイナンシャルプランナーに話しを聞くと良いでしょう。

家計の改善や保険プランの見直しなど、総合的な観点から、無理ない住宅ローン返済額や契約額に関する話しが聞けます。決めた予算を超えないことを条件として物件選びを進めれば、大きな失敗はありません。

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