ネット銀行の住宅ローン メリット・デメリット

マネー雑誌や情報サイトの住宅ローン特集では、ネット銀行商品が目立ちます。メガバンクや地方銀行からの借り換えを検討する人も多く、すでに返済を行っている人にとっても魅力的な選択肢の1つです。

ここでは、これから住宅ローンを契約する人にも、住宅ローンを借り換えを考えている人にも知ってほしい、ネット銀行が提供している住宅ローンの特徴・メリットとデメリットを見ていきます。

合わせて、「ネット銀行って本当に信頼して良いの?」というよくある疑問に対する回答や考え方も紹介しましょう。

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ネット銀行の住宅ローンを選ぶメリット

まず、ネット銀行が提供している住宅ローンのメリットを紹介します。一般論にはなりますが、無数にある選択肢から絞り込みを行うのは大変なこと。ネット銀行に共通して見られる大まかな傾向だけでも、頭に入れておきましょう。

魅力的なローン金利

何よりの魅力は住宅ローン金利です。メガバンクより魅力的な水準の条件を打ち出している住宅ローン商品も多数あります。

2018年7月31日に金融緩和政策の修正が発表されて、大手金融機関では住宅ローン金利引き上げの動きが出始めています。今後の動向次第では、ネット銀行との金利差が拡大する可能性も否めません。

少しでも有利な条件で契約できる住宅ローンを考えるなら、ネット銀行を選択肢に含めましょう。

まとまったお金を借入するマイホーム購入資金だからこそ、わずかな金利差が大きな違いとなり、家計を圧迫するケースもあります。比較段階で個別のシミュレーションを行い、有利な商品を探してみましょう。

保証料0円の住宅ローンも多数

住宅ローンを組む時のコストの1つが保証料。メガバンクでは、3万円前後がかかることもよくあります。ネット銀行は保証料無料としている商品が多く、なるべくコストを押さえたい人にとっては魅力的です。

そもそも、住宅ローンの保証料はなぜ必要かを考えたことがありますか?保証会社に一定の保証料を支払うことにより、契約者がローン破綻して返済が難しくなった際、代位弁済を受けられます。

代位弁済とは、保証会社が金融機関に対して返済を行うことです。返済が滞っている分だけではなく、全額の返済を行います。

これで借金が帳消しになるなら納得できる人もいるはずですが、そううまくはいきません。

保証会社が貸し手のポジションを引き継ぎ、契約者に請求します。よく考えると、おかしな話しだとは思いませんか?

金融機関のリスクヘッジにかかる費用を契約者が支払っているイメージです。「こんな理不尽なお金は払いたくない」と考える人には、保証料0円のネット銀行が有効な選択肢になってきます。

自宅にいながら住宅ローンの手続きができる

ネット銀行は、仮審査の申込から契約まで、自宅にいながら処理できます。何度も金融機関に出向くのは面倒という人にとっては利便性が高く、魅力的なシステムです。

住宅ローン契約を金融機関で行うとしたら、最低でも数回の訪問が必要となります。土日・祝日に行われている相談会を活用するにしても、共働き夫婦にとってはストレスとなりかねません。

住宅ローンについての最低限の知識があり、長い説明を聞くのは憂鬱に感じる人にとっても、ネット銀行は便利です。

繰上げ返済手数料が無料

ネット銀行の中には、繰上げ返済手数料を無料にしている金融機関もたくさんあります。

積極的に繰上げ返済を行うことで利息削減効果が大きくなり、総返済額を圧縮可能。できるだけ早く完済したいと思っている夫婦にとっては、魅力的な仕組みです。

商品選びをする際には、手数料だけでなく、最低返済額もチェックしましょう。住信SBIネット銀行やじぶん銀行、イオン銀行などには、最低1円から繰上げ返済を行えるローンもあります。

住宅ローン残高がどんどん減っていく様子が分かると、家計管理のモチベーションも高まるもの。日々の無駄使いを抑制する意味でも、繰上げ返済無料の住宅ローンがおすすめです。

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ネット銀行の住宅ローンを選ぶデメリット

次に、ネット銀行の住宅ローンを選ぶリスクやデメリットを紹介します。利便性が高く、コストも安い反面、以下のようなデメリットがあることを頭に入れておきましょう。

年収基準が高め

住宅ローンの申込条件として、年収基準を設定している金融機関が目立ちます。主要なネット銀行の年収要件を調べたところ、次のような結果となりました。

じぶん銀行:200万円以上 ※自営業の場合は申告所得
住信SBIネット銀行(ミスター住宅ローン):安定かつ継続した収入があること
イオン銀行:100万円以上 ※会社員なら勤続6ヶ月以上、事業所得者は事業開始後3年以上であることも条件
ソニー銀行:400万円以上
楽天銀行:400万円以上

国税庁が公表している「民間給与実態統計調査」によると、2017年度の平均給与は422万円。給与所得者のうち59%は、400万円以下の年収とされています。

ネット銀行の住宅ローンを活用しようと思ったら、給与所得をもらっている人のうち上位4割に入っていないと「厳しいかも」というところ。もしくは、夫単独契約ではなく夫婦の収入を合算するなど、所得を補う対策が必要です。

柔軟な対応は期待しにくい

地域密着スタイルで営業している金融機関に相談すると、「○%の金利プランでは厳しいので、0.2%上乗せでいかがでしょうか」など、アドバイスをもらえることがあります。

ネット銀行の場合は希望している金利プランに対する審査結果のみが告げられ、柔軟な対応は期待しにくいと考えてください。

規定されている申込書類の他に信用力を示す資料を提出しようと思っても考慮されず、良くも悪くも機械的な対応です。地銀の担当者とのウエットな関係に慣れている人にとっては「こんなものか」と感じやすいポイントでしょう。

ネット銀行は事務手数料が高め

ネット銀行は事務手数料が高い傾向があり、初期コストを圧迫する要因です。具体的な水準ですが、じぶん銀行の住宅ローンでは借入金額に対する2.16%。3,000万円を借りる場合は、3,000万円×0.0216で60万円以上かかります。

大手の金融機関では32,400円が目立つため、かなり大きなギャップです。保証料0円のメリットに惑わされず、契約時に発生するコストの総額を計算のうえ、比較しましょう。

書類の準備や管理は自己責任

住宅ローンを契約するには、本人確認書類や収入確認書類、物件に関する書類など、たくさんの資料を提出します。一覧リストを提示されるとはいえ、抜けなく準備するのは大変なこと。

事務処理が苦手な人だと、先延ばしにしてしまうリスクもあります。対面式の金融機関では担当者がつくので、「ご準備はいかがですか?」「困っていることはありませんか?」など気にしてもらえるもののすべてが自己責任。

誰かに相談しながら進めないと不安になる人にとっては、ストレスがかかるデメリットがあります。

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リアル店舗で住宅ローンの相談ができるネット銀行

ネット銀行にも、住宅ローンの対面相談を受けられる金融機関があることをご存知でしょうか。返済プランの建て方や住宅ローン手続きに関することを専門スタッフに相談でき、疑問点をクリアにしてから契約できます。

扱っている商品はインターネットで募集されているものと変わらないので、ネットとリアルの良いところ取り。対面相談可能なネット銀行の例を見ておきましょう。

じぶん銀行

全国のKDDI直営店で、住宅ローン相談を受けられます。札幌、仙台、新宿、名古屋など大都市圏限定のサービスなので、最寄りの場所を調べたうえで訪問しましょう。

au利用者に対しては、KDDIが毎月500円をキャッシュバックする特典・au住宅ローンセット割など、特別な優遇サービスも行っています。

すでに具体的な物件を決めている人は、価格が分かる書面を持参して、くわしい話しを聞いてみましょう。

ソニー銀行

東京メトロ銀座駅のソニー銀行「CONSULTING PLAZA」や銀行代理業者の相談窓口で、住宅ローン相談が可能です。

銀行代理業者とは、ソニー銀行に変わって住宅ローンプランの提案や案内をしてくれる窓口のこと。

ソニー生命、東海東京証券の一部の店舗、スターツ証券など、関東圏を中心として、いくつかの拠点があるようです。ソニー銀行のホームページで、最寄りの相談窓口を探してみましょう。

▼ソニー銀行 住宅ローン ご相談窓口のご案内

イオン銀行

全国規模で店頭相談を行っている数少ないネット銀行。イオンモールやイオンの中にある店舗で、住宅ローン相談を受けられます。土日・祝日も含めて相談できるシステムだから、忙しい人も安心ください。保険の紹介を同時に行っている店舗も多く、住宅ローンと合わせて保障内容の見直しを行いたい人にも便利です。

イオン銀行のホームページでは、住宅ローン相談のネット予約も受付けています。じっくり話しを聞くためにも、スマホやパソコンからの来店予約がおすすめです。

予約時間の少し前に店舗へ行けば、優先的な対応を受けられます。2017年10月からは全店舗でフラット35の対応もスタート。長期固定金利での住宅ローン契約を考えている人も、イオン銀行なら安心です。

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ネット銀行の住宅ローンって本当に安心?

ネット銀行のメリット・デメリットを調べている人の本心は「ネット銀行って、何となく不安」といったところではないでしょうか。ネット全盛期とはいえ、大切なお金に関すること。ネット銀行を信用して良いのかと不安に感じるのは当然です。

格付機関の評価をチェックしよう

金融機関の安全性や信頼度を調べる際には、信用格付機関の評価が参考になります。信用格付機関とは、財務諸表やリスク管理体制などから倒産リスクを評価する機関です。

債券を購入するときの信用リスク計算など、投資家が活用している指標の1つと考えてください。2017年時点での主要なネット銀行と大手金融機関の格付は、以下のようになっていました。

銀行名 JCRの格付 S&Pの格付
セブン銀行 A+
ソニー銀行 AA- A
住信SBIネット銀行 A
楽天銀行 A
三菱UFJ銀行 AA A+
三井住友銀行 AA A
みずほ銀行 AA A

 
紹介しているネット銀行に関しては、メガバンクにも見劣りしない信頼度があるようです。

この結果を見る限り、ネット銀行というだけで不安を感じるのはもったいないとは感じませんか。格付評価は参考材料に過ぎないとはいえ、プロの目から見ても健全な経営をしている証拠。

ネット銀行の住宅ローンはダメ、メガバンクの住宅ローンだから安心という短絡的な考えではなく、幅広い選択肢から、自分に合う住宅ローンを探してみましょう。

大手企業の後ろ盾も安心材料

ネット銀行の設立には、大手金融機関が関わることもよくあります。たとえば、住信SBIネット銀行。当時の住友信託銀行(現在は三井住友信託銀行)とSBIホールディングスの共同出資で始まりました。

じぶん銀行は、三菱UFJ銀行とKDDIが共同出資した金融機関、イオン銀行やセブン銀行は、言わずと知れた大企業の傘下にあります。

経営母体がある程度の規模だと、いい加減な経営はできません。ネット銀行を比較する際には、出資企業や関わりが深い金融機関を調べてみましょう。

銀行の信用リスクと住宅ローン

何を聞いても「それでも、やっぱり倒産がこわい」という人もいるはずです。元も子もない話しですが、住宅ローンの返済中に金融機関が倒産したとしても、他社へと引き継がれるのが通常です。

金融機関にとっての住宅ローンは、デフォルトリスク(貸したお金が返ってこないリスク)が非常に低い優良な債権。同じ条件でどこかの銀行が引き継いでくれれば、金銭的な影響は発生しません。

たとえば、2002年にシティバンクの住宅ローン事業撤退が起こりました。この時には、当時のUFJ銀行(三菱UFJ銀行)が債権の引き取りを行っています。事務的な手続きが発生する煩わしさはありますが、「今すぐ全額返してほしい」といったことにはなりません。

なお、1,000万円を超える預貯金を同じネット銀行に預けていた場合は、住宅ローンと相殺されるリスクがあります。

倒産が不安な人は、まとまった金額の定期預金は別の金融機関で作るなど、防衛策を徹底しましょう。

ネット銀行に限ったことではないのですが、1,000万円以上の預金は複数の金融機関に分散させるのが資産を守る常套手段。

頑張って働いたお金が金融機関の経営危機に巻き込まれることのないように、計画的な資産管理が大切です。

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