住宅ローンの優遇金利とは

住宅ローンの広告には、いろいろな金利が書かれています。優遇金利とはどのようなものかを正しく理解しておかないと、自分に合う住宅ローン探しができません。

これからマイホームの購入を控えている人は知っておきたい、住宅ローンの優遇金利の基礎知識を見ていきます。

スポンサードリンク

 


住宅ローン 優遇金利とは

優遇金利とは、住宅ローンの割引率のようなものです。金融機関のホームページをチェックすると、店頭金利・優遇金利・適用金利と3種類の金利情報が書かれていることに気付きます。

店頭金利とは、金融機関ごとに設定している住宅ローン金利の定価のことです。店頭金利のままでは他社の条件に勝てないと判断すると、優遇金利を設定します。「今なら○%差し引きます」と広告をすることにより、魅力的な商品に見せるイメージです。

店頭金利から優遇金利を差し引いたものが適用金利。実際に「適用」される条件なので、適用金利というわけです。

住宅ローン優遇金利の種類

住宅ローンの優遇金利をもっと細かく分類すると、当初期間引下げタイプ・全期間一律引下げタイプに分けられます。

どちらに該当するかによって総返済額が変わってくるため、正しい理解が不可欠です。それぞれの特徴と違いをおさらいしておきましょう。

当初期間引下げタイプ

当初期間引下げタイプとは、契約してから一定期間の優遇金利を大きくする方式です。住宅ローンのキャンペーンで「当初固定金利タイプ限定」「当初固定金利特約期間のみ」といった文言が入っていたら、当初期間引き下げタイプと考えてください。

当初期間が過ぎた後の優遇金利は低くなり、適用金利が高くなるのが一般的です。優遇金利が大きい当初期間のうちに繰り上げ返済を行えば、総返済額を圧縮できます。

<例>
新生銀行 当初固定金利タイプ限定
パワースマート住宅ローン 年0.3%引き下げキャンペーン
店頭金利 適用金利
当初固定金利タイプ(3年) 年0.900% 年0.600%
当初固定金利タイプ(5年) 年0.980% 年0.680%

※2018年8月21日現在
 

当初固定金利(3年)だったら3年間は優遇金利年0.3%が適用されて、年0.600%の適用金利になるキャンペーンです。

当初固定金利(5年)でも同じように5年間は優遇金利年0.3%を適用、年0.680%で借入できます。3年もしくは5年経った後の適用金利は、変動金利(半年型)タイプの基準金利になるようです。

市場動向次第ではありますが、金利が高くなる可能性が高く、負担は重くなると理解しましょう。

スポンサードリンク

 

全期間一律引下げタイプ

全期間一律引下げタイプでは、完済までずっと同じ優遇金利が適用されます。30年や35年と長期の住宅ローン契約を考えている人にメリットが大きい方式です。

その反面で、当初期間引き下げタイプほどの優遇金利はつきにくい傾向があります。返済を初めてから数年間の条件は不利になりやすいところに気をつけましょう。

積極的に繰り上げ返済するのではなく、期間を通して平均的に返済したい人におすすめしたい方式です。

<例>
じぶん銀行 全期間引下げプラン
店頭金利 優遇金利 適用金利
変動金利タイプ 年2.341% 年1.884% 年0.457%
当初固定金利タイプ(2年) 年2.45% 年1.000% 年1.450%

※2018年8月21日現在
 

変動金利タイプの場合、住宅ローンの返済中は優遇金利年1.884%が適用されます。ただし、店頭金利の見直しは随時行われることから、将来的な適用金利が何%になるかは分かりません。

当初固定金利タイプも同様に、返済が終わるまでずっと年1.000%の優遇金利が続きます。

2年後には変動金利に移行するため適用金利が何%になるかはやっぱり分からず、市場動向次第ということです。

スポンサードリンク

 

住宅ローン 優遇金利の決まり方と適用条件

金融機関のホームページに掲載されている住宅ローン優遇金利は、最も優遇された場合の値です。

個別に設定される実際の優遇金利は、様々な要素が考慮されます。優遇金利を決める時に見られやすいポイントや適用条件を見ておきましょう。

住宅ローンの優遇金利を決める要素

優遇金利を決める時に判断基準になるのは、信用力です。以下のような条件をクリアできると、有利な条件を引き出せる可能性が高くなります。

・頭金をたくさん用意できる
・勤続年数は長い方が有利
・正社員として働き、安定した収入が見込まれる
・年収に見合った借入希望に留めている
・前年度の年収が高いほど有利
・公務員や大手企業勤務など、失業リスクが低いこと

具体的な審査基準が公表されることはないため一般論にはなりますが、金融機関にとって「ぜひともおつきあいをしたい」相手であるほど、有利な条件がつきやすいと考えてください。

キャンペーン条件もチェックしよう

優遇金利キャンペーンを利用して申し込む場合は、明記されている適用条件も確認しましょう。インターネットバンクに申込を行うこと・優遇キャンペーン期間中に契約することなど基本的な条件をクリアできないと、優遇を受けられません。

じぶん銀行のau住宅ローンセット割のように、特定キャリアを使っている人だけが優遇を受けられるといった、属性による区分も見られます。日頃から高くアンテナを張り、自分が優遇される住宅ローンを探してみましょう。

▼参考 au住宅ローン

高性能住宅に対する優遇金利

高性能住宅を対象にすると、優遇金利が引き上げられることもあります。担保価値が高い住宅に抵当権を設置すれば、貸し倒れリスクを軽減できることが理由です。

たとえば、フラット35S。省エネルギー性・耐震性・バリアフリー性・耐久性や可変性のうちどれかに該当していれば、0.25%の優遇があります。くわしい条件を知りたい人は、以下ページを参照ください。

▼住宅金融支援機構 【フラット35】Sの対象となる住宅

優遇金利が決まるタイミング

住宅ローンの申込を行うと、仮審査を行います。審査結果の通知と一緒に、個別に計算された優遇金利を教えてくれます。

住宅ローンの広告では「最大年○%を店頭金利から差し引き」のように書かれることが多く、個別の優遇金利とは別物です。

年収に対して背伸びした希望金額で申込をした場合には、優遇金利幅が縮小されることもあります。

担当者によって対応は異なりますが「500万円希望金額を下げれば、最大優遇金利を適用できます」など、アドバイスがもらえるケースもあるでしょう。

自己資金や希望している物件の価格に沿い、納得がいく住宅ローン選びが大切です。

スポンサードリンク

 

優遇金利から住宅ローンを選ぶ時の注意点

優遇金利を上手に活用することで住宅ローンの返済負担を軽減できます。ただし、優遇金利が大きいほど得する住宅ローンとは限りません。

優遇金利から住宅ローンを選ぶ時に気をつけたいポイントを見ておきましょう。

店頭金利をチェックする

まずは、優遇金利だけでなく、店頭金利も見ることです。A銀行の優遇金利は0.8%、B銀行の優遇金利は0.9%だったとします。

優遇金利の単純比較では、B銀行が有利です。では、A銀行の店頭金利が2.0%、B銀行の店頭金利が2.3%だったらどうでしょうか。

A銀行の適用金利は、2.0%-0.8%で1.2%。B銀行の適用金利は、2.3%-0.9%で1.4%。A銀行の方が有利な条件で借入できることになり、優劣が逆転します。

金利上昇リスクを計算に含める

当初期間引下げタイプを選択する場合、金利上昇リスクに気をつけましょう。適用金利が同じでも、店頭金利や優遇金利が異なることはあります。

先の例で言うと、A銀行の店頭金利が2.2%だった場合です。2.2%から0.8%を差し引いた数値は1.4%となり、当初の適用金利は同等と判断できます。

この場合は、店頭金利が低いA銀行の方が金利上昇リスクに強い商品。金利が上昇した時に金融機関がまず手をつけるのは、優遇金利の縮小です。

同じタイミングで変動金利に切り替わるとすれば、優遇金利が高かったB銀行の方が不利な条件になると予想されます。

金利上昇リスクに備えるため、全期間一律引下げタイプを選択するのも一案です。この時には、適用金利が同じA銀行とB銀行のどちらを選択しても変わりません。

歴史的な低金利水準になっている今だからこそ、全期間一律引下げタイプを選択するメリットは大きくなります。5年後や10年後の返済まで考えて、後悔しない選択をしてください。

複数の金融機関に相談しよう

金融機関ごとに優遇金利の審査基準が異なります。できるだけ有利な条件の金融機関を選択すべく、複数行に相談しましょう。1社の結果で決めてしまうと、客観的な比較ができません。

0.1%の違いでも総返済額が大きく変わる住宅ローンだからこそ、綿密な準備が必要です。

複数の金融機関に個別に相談するのが大変だったら、一括申込サービスも活用できます。何度も同じ情報を入力する手間がなく、共働き夫婦でも無理なく勧められる非常に便利なサービスです。

一括申込で大まかな条件を把握した後、目ぼしい金融機関にだけ詳しい話しを聞くのも一案でしょう。少しの手間を惜しんだばかりに損することがないように、なるべく早い段階からの準備をおすすめします。

スポンサードリンク

 

住宅ローン契約後に優遇金利の交渉はできる?

最後に、住宅ローン契約をした後の金利引き下げ交渉について紹介します。金利情勢は刻一刻と変わるため、優遇金利が大きいローンが増えてくることも考えられます。

契約している金融機関で魅力的な優遇金利キャンペーンを行っていたら、やりきれない気持ちになるのは当然でしょう。この時、すでに返済が始まって何年か経っている住宅ローンの条件見直しを打診することは可能でしょうか。

金融機関の担当者に交渉しよう

いきなり結論ですが、金融機関の担当者に連絡すると、相談に乗ってもらえるケースはあります。契約をした時の担当者がいれば、その人に聞いてみましょう。

以前の担当者がいなかったら、住宅ローン担当につないでもらえば大丈夫です。回りくどい言い方はしないで「金利の見直しをお願いしたい」ことを伝えましょう。

金利引き下げ交渉する際のポイント

金利の引き下げ交渉をする際に本気度を示すほど、良い結果が出やすくなります。他行の試算結果を提示するなど、できる限りの準備をしましょう。

住宅ローンを専門に扱うファイナンシャルプランナーに相談して、同席をお願いするのも一案です。プロが立ち会う以上はいい加減な対応はできず、良い条件が付きやすくなります。

たとえ交渉に失敗しても、ファイナンシャルプランナーのアドバイスを受けながら、借り換えの検討が可能です。借り換えをするのが得策かという判断から相談でき、親身にサポートしてくれる専門家を探してみましょう。

金利引き下げ交渉に適した時期

住宅ローンのキャンペーンが比較的増えてくる、1~3月はねらい目です。また、3月は金融機関の決算シーズン。「お客さまを逃すまい」としている時期にあたります。

「借り換えされたら困る」と考えた担当者が親身に対応してくれる可能性もあり、交渉のチャンスです。

それ以外の時期でも、金融機関がこぞってキャンペーンを始めるタイミングはねらい目でしょう。外部環境が追い風になっている時をねらって話しをするのが良さそうです。

金利引き下げ交渉に伴う注意点

住宅ローンの条件変更には、再審査が必要です。交渉する際に滞納がないことは最低条件と考えてください。

きちんと返している人でも、勤務先が変わっていたり著しく年収が下がっていたりすると、審査落ちするリスクがあります。

優遇金利を受けるつもりがやぶ蛇となり、マイホームを維持できなくなると大変です。

住宅ローン契約者と金融機関は、win-winの関係でいるのが理想でしょう。どちらかが一方的に損をする要求は通りません。

期日を守って返済する・信用力に影響する出来ごとがあったら報告するなど、住宅ローン契約者としての義務を全うして始めて交渉に進めるものと考えてください。

スポンサードリンク

PAGETOP