カードローンでお金借りる前に生活保護の受け方を知る

働けるうちは自分で働きたいものですが、どうしても生活が立ち行かなくなってしまったらセーフティネットである生活保護を頼ることがあるかもしれません。

また、できれば避けたいですが、カードローンの返済ができなくなって、自己破産から生活保護・・・というパターンも可能性がゼロではないのです。

この記事では、カードローン等にお金借りる前に知っておいていただきたい、生活保護の申請方法、もらえる金額の計算方法などを詳しく解説しています。

いざというときにスムーズに申請準備が整えられるように、ぜひご一読ください。

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生活保護の概要 どんな仕組み?

「生活保護」という名称は聞いたことがあると思いますが、お金がない人なら誰でも受給資格があるものなのでしょうか?

生活保護は、生活が基準以下の人に対して、最低限の生活が過ごせるように援助するシステムです。

厚生労働省によると生活保護の制度の趣旨は、

生活保護制度は、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています。

となっています。

厚生労働省 生活保護制度より引用

生活保護 申請から受給までの流れ

1.申請相談
2.保護申請
3.受給可否通知
4.支給

1.申請相談

各自治体の福祉事務所にある生活保護窓口で相談をします。

この時点では必要なものはないですが、訳もわからないまま行くよりは、現在の家計の状況や就業状況などがわかるものがあった方が、本当に困っていることが客観的に伝わりやすいでしょう。

生活保護の不正受給問題などもあったことから、この相談で断られてしまうケースも多いと思われます。

「生活保護を受けるための条件・水準」でご紹介しますが、生活保護の受給要件は4項目あり、どれかひとつでもクリアできていないと断られてしまいます。
自分が4項目に該当していることと、「生活保護を受けたい」という意志をしっかり伝えるようにしましょう。

2.保護申請

申請書に記入をして提出します。
後日、家庭訪問や扶養調査、資産の調査、就労調査などが行われることとなります。申請内容と相違がないか、ひとつひとつチェックされるので、嘘をついているとバレてしまいますし、うっかりミスも担当員の心象が悪くなってしまうでしょう。

3.受給可否通知

原則14日以内に受給可否を知らせる通知が届きます。合格であればお金を受け取る手続きが始まります。

万が一申請に落ちた場合は、その理由を知ることができます。不服があれば異議申し立てと再審査依頼を行うことも可能です。

4.支給

生活保護の支給が始まります。
需給を受けている間は年に数回のケースワーカーの訪問や、就労の指導などが入ることになります。毎月の収入申告もあります。

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生活保護支給額の決定方法

生活保護の需給金額は「最低生活費」によって決められます。最低生活費は、わたしたちが生きるために必要最低限の費用のこと。

収入が最低生活費に満たない場合に、最低生活費から収入を引いた額が支給されることになり、その支給金のことをまとめて生活保護費と呼んでいます。

生活保護の扶助は8種類ある

生活保護には8種類の内訳があって、最低生活費はこの8項目の合計金額となります。

扶助の種類 支給内容
生活扶助 食費、水道光熱費などの生活保護の基本となる扶助。
住宅扶助 賃貸物件の家賃や、持ち家の補修費などの扶助。
教育扶助 小学生、中学生に支給される教育にかかるお金の扶助。
医療扶助 医療費の負担の扶助。金銭の支給ではなく、入院、薬、治療などの現物支給扱いとなります。
病院で必要な費用は国から病院に直接支払われます。
介護扶助 介護に必要な扶助。要介護、要支援認定された人向け。
出産扶助 出産に関する扶助。
生業扶助 就労に必要な技能などの習得にかかる費用に関する扶助。
また、高校生の学業に関わる支給も生業扶助から支払われます。
葬祭扶助 葬祭にかかわる費用の扶助。

 
扶助の種類は8種類ですが、出産や葬祭などは一時的に必要な給付です。

そのため、最低生活費として関与してくるのは継続して必要になる「生活扶助」「住宅扶助」「教育扶助」の3つになります。

「生活扶助」「住宅扶助」「教育扶助」を算出する計算方法や金額はのちほど詳しくご紹介するとして、次は生活保護を受けるための条件を確認していきましょう。

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生活保護を受けるための条件・水準

生活保護は申請した全員が支給を受けられるという仕組みではなく、定められている要件に当てはまっている場合にのみ受給を受けることができます。
条件は主に以下の4つとなります。

1.資産といえるものがない

貯金はもちろん、土地、家などの資産がある人は、まず売却しなければいけません。売ってお金に変えられるものがあれば、公的保護を受ける前に売却して生活費に充てる必要があります。

2.働きたくても働けない

働けるのに働きたくないという理由でお金をもらうことはできません。働ける人は能力に応じた仕事をしましょう。

3.他のセーフティネットを利用していない

年金、健康保険、雇用保険などから手当をもらえる場合はそちらの制度が優先となります。

4.扶養を受けられない

家族、親族などの近親者からの扶養が見込める場合は、申請しても認められにくいでしょう。

たとえば、今は一人暮らしだけど実家がある場合、不仲だけど親(子)がいる、自分は困窮してるけど配偶者は働ける状態などは認められにくいです。

とはいえ、絶縁状態の扶養義務者に国が無理やり援助しなさい!とも言えるものではありません。

そのため、生活保護審査の際に扶養義務者(祖父母、父母、子、孫などの直系血族と兄弟姉妹)に援助が可能かどうかの問い合わせを行います。

扶養義務者が断ったり何度問い合わせても無回答の場合は援助を受けられないと判断されることもあります。

この項目は厳しいですよ。

カードローンは連帯保証人が不要なので、債務が家族に移ることはありませんが、カードローンで返せなくなった借金のために子供や孫に苦労をかける可能性はゼロではないのです。肝に銘じておかないといけませんね。

これら4項目は、生活保護受給の要件となるので、これ以外にも申請を断られるケースがあります。

申請不可のケース1:借金がある

消費者金融をはじめ、クレジットカードでのキャッシング、住宅ローンなどの各種ローン等の借金がある場合は生活保護申請が認められません。

借金で困っているのになぜ認められないのかというと、生活保護費を借金の返済に充ててはいけないから。

そのため、借金がある場合は、まず破産手続きを行うこととなります。

ただし、あと少しで完済する場合や奨学金の返済など、借金があっても申請が認められる場合もあります。

ちなみに、生活保護中に消費者金融などでお金を借りたことがバレると、借入金が収入とみなされて一時的に生活保護が停止する場合もあります。

そもそも生活保護費を返済に充ててはいけませんし、生活保護費の中から借金を返済できる余裕はないはずなので、こういった借り入れはやめておきましょう。

なお、消費者金融や銀行カードローンのローンカードは基本的に所有が認められていません。持っている場合は破棄することになります。

申請不可のケース2:不審な点がある

貯金通帳の提出を拒んだり、申請内容に虚偽の点があるなど、福祉事務所から見て不審なところが多いと申請に通りません。

暴力団などの反社会的勢力との関りがある場合も却下となります。

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生活保護の支給額はいくら?

生活保護費には8つの種類があって、そのうち継続して必要となる「生活扶助」「住宅扶助」「教育扶助」が柱となっていることを覚えていますか?

ここからはそれぞれの扶助の計算方法をご紹介します。

生活扶助の計算方法

生活扶助は3つの項目に分かれます。

●生活扶助基準(第1類)
生活保護を受給する個人の生活費。年齢で支給額が変わります。

●生活扶助基準(第2類)
家族全員(世帯)に支給される生活費。水道光熱費など。

●加算額
母子家庭、妊婦さん、障害者の方がいる世帯などに加算される金額

★生活扶助の試算はやっかい!
生活保護は税金を出どころとした国のお金を使った制度なので、どうしても計算が煩雑になってしまいます。また、自分で一生懸命計算しても生活保護の他に受給を受けている(年金など)と、その分は減らされた状態での生活保護支給となる等の例外もあります。

次の項では生活扶助の計算方法を実践していますが、実際に支給される金額を正確に知りたい場合は福祉事務所に相談することをおすすめします。

生活扶助基準(第1類)の計算方法

生活扶助基準(第1類)は、「生活費」に当たるので、住んでいる地域によって大きく違いがでてくる部分です。

まずは自分が住んでいる地域が何級地であるかを確認しましょう。

厚生労働省が公開している「お住まいの地域の級地を確認(PDF)」で、居住地(生活保護を申請する土地)を探してみて下さい。
表に掲載されていない場合は全て「3級地-2」となります。

例)東京都23区内だったら「1級地-1」
  香川県丸亀市なら「3級地-1」など

級地を確認したら、「生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(PDF)」の生活扶助基準(第1類)から年齢と級地で該当する金額を探します。

基準額①と基準額②はそれぞれの合計を最後に比較することになるので、合算はしないでくださいね。

例)2級地-1に住む30代だったら基準額①は37,710円、基準額②は34,740円。

例)1級地-1に住む42歳夫婦だったら基準額①は39,290円×2=78,580円、基準額②は39,360円×2=78,720円

逓減率(ていげんりつ)

次に基準額①、基準額②にそれぞれ逓減率①と逓減率②をかけます。

逓減率は人数が少ない世帯に比べて多い世帯への支給額が大きくなりすぎないように、人数が多い世帯のひとりあたりの支給額を少し減らす計算になります。

例えば東京都23区に40代の夫婦と12歳と14歳の子供がいるとします。
第1類基準額①は39,290円×2 + 43,300円×2となり、合計すると165,180円となります。

ここに4人世帯の逓減率である0.95倍をかけると156,921円となり、マイナス8,259円に調整されることになります。

逓減率を計算すると家族の人数が多ければ多いほど減ってしまうことになるのですが、次の「生活扶助基準(第2類)」は、人数が多いほど支給額も大きくなります。

生活扶助基準(第2類)

生活扶助基準(第2類)は水道光熱費などに該当します。家族全員(世帯ごと)に支給される生活費となります。

世帯単位で見ていくので、世帯人数が多いほど金額が増えることになります。

生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(PDF)」の生活扶助基準(第2類)の表から、該当するものを探します。

上記4人世帯の例だと基準額①が56,760円、基準額②が61,620円となります。

生活扶助基準①と②を比較する

ここまでで例の4人世帯の場合の生活扶助基準①と②が全てわかりました。

生活扶助基準①の合計:156,921円
生活扶助基準②の合計:182,163円

生活扶助基準①と②には「「生活扶助基準(第1類+第2類)②」が「生活扶助基準(第1類+第2類)①×0.9」より少ない場合は、「生活扶助基準(第1類+第2類)②」を「生活扶助基準(第1類+第2類)①×0.9」に読み替える」
というルールがあるので、これを適用させてみます。

呪文みたいですが、要は

生活扶助基準② < 生活扶助基準①×0.9

となったら、生活扶助基準①×0.9を適用させてね、ということになります。

4人世帯の例の場合は、「生活扶助基準(第1類+第2類)①×0.9」は156,921円×0.9なので141,228円となります。

「生活扶助基準(第1類+第2類)②」の182,163円の方が金額が多いので、

生活扶助基準② > 生活扶助基準①×0.9

となります。つまり、この4人世帯の生活扶助基本支給額は182,163円となります。

4人で18万円台は少なく感じますが、賃貸物件の場合の家賃は「住宅扶助」からの支給になるので、これくらいが妥当とされているのでしょうね。

加算額

障害者の方、母子世帯の場合などは加算額がプラスされます。
具体的な例と金額は「生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(PDF)」に記載されています。

ここまでが生活扶助になります。

住宅扶助はいくらもらえる?

住宅扶助の支給額は級地や自治体で限度額が決められています。

たとえば東京都の単身世帯で6m²以下の場合は
・1級地:3万8,000円
・2級地:3万2,000円
・3級地:2万9,000円

2人世帯の場合は
・1級地:6万4,000円
・2級地:5万4,000円
・3級地:4万9,000円

など。

正確な金額は、お住まいの自治体に問い合わせてみて下さい。

住宅扶助は平たく言うと家賃などの住居にかかる給付になります。生活保護を受ける場合、持ち家があれば基本的に手放すことになります。

ただし、売却しても金額が低いとされる場合は済み続けることも可能ですが、住宅扶助の支給はありません。

また、生活保護を受ける人が介護施設等に入居する場合も住宅扶助はなく、別のセーフティネットでの支給となります。

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教育扶助はいくらもらえる?

教育扶助は小学生~中学生の子供がいる世帯向けの支給となります。

種類 対象者 月額/人
基準額 小学生 2,210円
中学生 4,290円
特別基準額 小学生 670円
中学生 750円
学習支援額 小学生 2,630円
中学生 4,450円
教材代・学校給食費・交通費など 小学生・中学生 実費、または福祉事務所から直接払う

 

高校生の子供がいる場合は「生業扶助」から高校に通うためのお金が支給されます。

種類 月額/人
基準額 5,450円
基準額 1,670円
学習支援額 5,150円
授業料・学校給食費・交通費など 最低必要な金額の支給・実費

 

これで生活扶助、住宅扶助、教育扶助の試算は終わりです。残りの扶助は、必要に応じてという形になります。

まとめ:カードローンと生活保護は両立できない

「カードローンの返済ができなくなったら、自己破産しなくても生活保護を頼ればいいや」なんて考えは甘いです。

受給資格がないために生活保護が受けられなかったり、まずは破産手続きを取ってから申請となるケースもあるのです。

生活保護受給中はカードローンでお金を借りることはできませんし、カードローンの借金を生活保護で返すことはできません。

なので、カードローンなどの借金と生活保護は両立できないと思っておきましょう。

もちろん、苦しいときに公的制度を頼るのは悪いことではありません。

福祉はそういったときのためにあるものなので、まずは福祉事務所で相談してみて下さい。

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