セカンドハウスローンとは

セカンドハウスなどを買う時に使う専用ローンがあることをご存知でしょうか?上手に活用することで、ライフスタイルの選択肢が広がります。

週末農業やDIYブームがあり、田舎暮らしに身近に感じるようにもなってきました。海や山のすぐ側にいつでも行ける住まいを持ち、自分だけの隠れ家として活用できます。

そんな暮らしを実現するには、先立つものが必要です。セカンドハウスローンの基礎知識を理解して、夢の暮らしを実現しましょう。

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セカンドハウスローンとは

セカンドハウスローンとは、日常生活を送る住まいとは異なる物件に使うローンのことです。

新築・中古物件を購入する時だけでなく、増改築や土地のみを購入する際にも活用できるセカンドハウスローンもあります。商品ごとに指定されている資金使途を確認し、目的に応じたセカンドハウスローンを選択しましょう。

一般的な住宅ローンとセカンドハウスローンの違い

セカンドハウスローンと一般的な住宅ローンの違いをあらためて整理しておきます。似ているようで異なるところはたくさんあり、使い分けが必要です。

居住要件がつかないこと

一般的な住宅ローンは、契約者本人が住むことを前提として契約します。住んでいる物件に抵当権を設定することにより、金融機関の貸し倒れを防ぐ目的です。

「返済できなかったら、自宅がとられてしまう」といったプレッシャーは、かなりの効力を発揮するもの。一般的な会社員にとっては楽ではない返済も、遅れることなく継続できます。

セカンドハウスローンでも抵当権の設定はなされますが、対象物件に対するものです。一般的な住宅ローンのように「なにが何でも」という気持ちにはなりにくい傾向があるので、借り過ぎには気をつけましょう。

2本目の住宅ローンに活用できる

一般的な住宅ローンは、1人につき1本が原則です。金融機関を変えたとしても、2本目の審査は通りません。セカンドハウスローンは2本目の住宅ローンとして検討でき、前のローンを返しきる前でも借りられるケースがあります。

セカンドハウスローンで実家をリフォーム

セカンドハウスローンの応用的な使い方として、両親や親族のために借り入れすることもできます。

たとえば、実家のリフォームです。定年退職年齢を過ぎて両親自らローンを組むのは難しい場合、子世代のサポートが検討されます。

実家とはいえ自分が住んでいない住まいを対象にした借入なので、一般的な住宅ローンではまかなえません。セカンドハウスローンの中から同一生計外親族のために使える商品を選択、必要資金を調達します。

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セカンドハウスローンのメリット・デメリット

次に、セカンドハウスローンのメリットとデメリットを見ておきましょう。デメリットやリスクをきちんと理解しておかないと、後悔する結果となりかねません。セカンドハウスローンの活用法やどんな人に適した商品なのかにも触れつつ、特徴を深堀していきます。

メリット1:団信が使える

セカンドハウスローンのメリットは、大きく2つ考えられます。まず、団信(団体信用生命保険)が使えることです。

セカンドハウスローンが使えないと、フリーローンや不動産担保ローンを検討することになります。

これらのローンは、利用者にもしものことがあった時の保障はなし。事故や病気で働けなくなった時にも借金がそのまま残ります。

返済が難しい場合には、セカンドハウスを売却したり債務整理を行ったり。せっかく購入した物件を手放さなくてはいけないばかりか、家族に負担をかける結果になりかねません。

団信付きのセカンドハウスローンなら、もしもの時にも安心です。生命保険代わりとして、家族の生活保障を用意するためにも活用できます。

メリット2:老後の住居費用を先払い

老後は田舎で生活したいと思っていても、定年退職後に住まいを確保するのは大変です。賃貸物件を探すにしても、審査が通るか分かりません。

セカンドハウスローンを活用して理想に近い物件を取得することにより、老後の住居費用を先払いすることができます。都心部と比較して物価が安い地域に住むことによって、今より豊かな生活ができると理想的です。

家庭菜園を作って自炊したり近くの山や海で採れる食材を楽しんだりと、お金をかけずにできる贅沢はたくさんあります。

老後の生活に求める環境は人それぞれ異なるため、家族との話し合いも大切です。住み始めてから「こんなはずでは」とならないように、よく考えて判断しましょう。

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デメリット1:一般的な住宅ローンより金利が高い

セカンドハウスローンは一般的な住宅ローンより金利が高く、家計を圧迫するおそれがあります。たとえば、三菱UFJ銀行の一般的な住宅ローンとセカンド住宅ローンを比べてみましょう。セカンド住宅ローンの方が0.8%くらい金利は高く、不利な条件になっています。
 

金利タイプ 一般的な住宅ローン セカンド住宅ローン
変動タイプ 毎月型 年2.475% 年3.275%
年2回型 年2.475% 年3.275%
固定特約タイプ 当初1年間固定 年2.850% 年3.650%
当初2年間固定 年2.950% 年3.750%
当初3年間固定 年2.950% 年3.750%
当初5年間固定 年3.200% 年4.000%
当初7年間固定 年3.250% 年4.050%
当初10年間固定 年3.350% 年4.150%
当初15年間固定 年4.200% 年5.000%
当初20年間固定 年4.550% 年5.350%

※2018年8月1日時点

セカンドハウスを考えるくらいの人は生活水準が高く、ゆとりを持った暮らしをしているのが通常です。多少は金利が高くてもお金を借りてくれる見込みがあることから、コストがかさむ商品も多いところは難点でしょう。

年度によって収入の振れ幅が大きい人は、年収がふるわなかった年でも返済に苦しむことがないような計画を立ててください。

一般的な住宅ローンと同じように事前のシミュレーションをきちんと行い、無理がない範囲で検討しましょう。

デメリット2:住宅ローン控除は受けられない

住宅ローン控除は、借入を行って普段の住まいを取得した際に活用できる制度です。セカンドハウスを取得しても、所得税や住民税の優遇はありません。

一般的な住宅ローンより金利が高くて節税効果も期待できないとなれば、コストがかなりかさみます。憧れだけで見切り発車をしてしまうと、後悔する結果になりかねません。マイホーム取得よりさらに緻密な計画が必要なことは、頭に入れておきましょう。

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セカンドハウスローンの選び方

セカンドハウスローンを大きな区分で分類すると、民間金融機関のセカンドハウスローン・フラット35の2種類があります。どちらを選ぶか迷った時の判断基準やそれぞれの特徴、代表的な商品を見ておきましょう。

民間金融機関のセカンドハウスローン

民間金融機関のセカンドハウスローンは、富裕層をターゲットにした商品です。適用金利の高い商品が目立つものの、まとまった資金の調達ができます。

代表的な商品として「イオン銀行セカンドハウスローン」「SMBC信託銀行セカンドハウスローン」などが候補です。

イオン銀行セカンドハウスローン

イオン銀行が提供しているセカンドハウスローン。ガンや脳卒中、急性心筋梗塞など疾病リスクに備える8疾病保障付住宅ローンやガン保障特約付住宅ローンも選択できます。

イオン銀行セカンドハウスローン

SMBC信託銀行セカンドハウスローン

三井住友フィナンシャルグループに属するSMBC信託銀行が扱っているセカンドハウスローン。

最大2億円までとまとまったローン契約もできます。同一生計外親族の居住用不動産購入資金やマイホームの建築資金の調達にも活用でき、両親のためにローン契約を考えている人におすすめ。

2018年8月時点の固定金利1年型ローン金利は年2.63%、固定金利3年型ローン金利は年2.95%と平均的な水準です。

SMBC信託銀行セカンドハウスローン

フラット35をセカンドハウスローンに活用

民間のセカンドハウスローンは、変動金利タイプもしくは契約から数年後に変動金利に移行するタイプが目立ちます。

全期間固定金利でセカンドハウスローンを組みたい人は、フラット35を活用しましょう。あまり知られていないのですが、フラット35はセカンドハウスに使えるめずらしいタイプの住宅ローン。

セカンドハウスに対応するかどうかは金融機関ごとの判断になるため、利用条件を確認して契約しましょう。

ここでは、セカンドハウスにも対応できるフラット35取扱金融機関として「楽天銀行」「住信SBIネット銀行」を紹介します。

楽天銀行フラット35

楽天銀行のフラット35は、2018年8月時点の参考金利条件が年1.29%(15年以上20年以下・90%以内・新機構団信付)。フラット35取り扱い金融機関の中でも最低水準に近い金利条件がセカンドハウスローンにも適用されます。

融資事務手数料も、借入額の1.08%と良心的な設定です。返済口座を楽天銀行以外にすると手数料が割高になるため、契約前に手続きしましょう。

楽天銀行フラット35

住信SBIネット銀行フラット35

住信SBIネット銀行も、2018年8月時点の参考金利条件が年1.29%(15年以上20年以下・90%以内・新機構団信付)とかなり有利な水準です。

楽天銀行との大きな違いは、手数料無料の手数料無料の全疾病保障にあります。ガン・脳卒中・急性心筋梗塞など特定の疾患で働けなくなった際、返済が免除されるシステム。セカンドハウスローンにも同じ保障をつけられるため、生命保険代わりにも重宝します。

住信SBIネット銀行フラット35

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セカンドハウスローンを組む時の注意点

最後に、セカンドハウスローンを組む時に注意したいポイントを見ていきます。これから利用を考えている人は、ひと通り目を通してください。

年収条件は満たしているか?

セカンドハウスローンが富裕層向けの商品であることは、ここまで見てきた通りです。金融機関によっては「年収500万円以上」など明確な基準を儲けていることも多く、規定の水準をクリアできないと、借入はできません。

なお、規程の年収要件をクリアできれば「絶対にOK」というものではなく、審査はあります。1本目の住宅ローンも合わせて返済負担比率を計算、契約可否判断をするのが通常です。

住宅ローンの適正な返済比率については別の記事で紹介したため、ここでは割愛いたします。1本目の住宅ローン+セカンドハウスローンの毎月の返済額を基準値以内に納めることが、審査通過率を高めるためのポイントです。

投資目的の利用は原則不可

セカンドハウスローンは、不動産投資ローンではありません。投資目的の利用は原則的には認められず、自分や家族のために契約する商品です。

実際には、投資利用不可ローンを契約、こっそり人に貸したとしても「おとがめなし」になることはあります。

ただし、契約違反を指摘された際に一括返済を迫られるリスクと隣り合わせ。資金使途違反の証拠を押さえられている以上、言い逃れはできません。

危険な橋を渡るくらいなら、人に貸したいことをあらかじめ個別に相談、判断をあおぎましょう。

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