増改築の場合も住宅ローン控除は適用されますか?

住宅ローンを組むケースは、一軒家やマンションの新規取得時だけではありません。家をリフォームして自己居住用にするなど大々的に手を加える時、ローンを組む人はたくさんいます。

新築物件を買うわけではない場合に気になるのが、税金の優遇措置に関することです。

増改築でも、住宅ローン控除を受けることはできるのでしょうか。加えて、住宅ローン控除以外にも、リフォームの減税制度はいろいろあります。新築以上に複雑な仕組みなので、損しないように活用しましょう。

スポンサードリンク

 


増改築でも住宅ローン控除は受けられる

住宅ローン控除の本来の使い方は、返済期間10年以上の住宅ローンを組み、マイホームを取得した場合に所得税や住民税の優遇を受けることです。

新築住宅を購入した際に受ける税制上の優遇制度というイメージが強いのですが、100万円を超える増改築も住宅ローン控除の対象になります。

ただし、金額要件を満たしたら全てOKというわけではありません。大前提として、自己居住用の物件にリフォーム工事を行うことが求められます。

離れて暮らす両親のためにリフォームをした、別荘の増改築を行ったなどは対住宅ローン控除の象外と考えてください。

増改築で住宅ローン控除を受けるための条件

住宅ローン控除の対象になる工事は、以下のいずれかに限定されます。ざっくりとは「かなり大規模な増改築しか対象にならない」と覚えておけば良いでしょう。

一軒家だったら、屋根の全面葺き替えを行った・外壁全てを再塗装したなどが一例です。マンションだったら、間取りを変えたり壁全てを模様替えしたりという本格的なリノベーションが考えられます。

イ 増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕又は大規模の模様替えの工事
ロ マンションなどの区分所有建物のうち、その人が区分所有する部分の床、階段又は壁の過半について行う一定の修繕・模様替えの工事(イに該当するものを除きます。)
ハ 家屋(マンションなどの区分所有建物にあっては、その人が区分所有する部分に限ります。)のうち居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関又は廊下の一室の床又は壁の全部について行う修繕・模様替えの工事(イ及びロに該当するものを除きます。)
ニ 建築基準法施行令の構造強度等に関する規定又は地震に対する安全性に係る基準に適合させるための一定の修繕・模様替えの工事(イからハに該当するものを除き、その増改築等をした部分を平成14年4月1日以後に居住の用に供した場合に限ります。)

引用:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1216.htm

その他に、一般的な住宅ローン控除同様の条件もつきます。居住要件は、増改築を行ってから6ヶ月以内に住み始めて、住宅ローン控除を受ける年の年末まで住んでいることが条件です。

住宅ローン控除を受ける年の所得は、3,000万円以下である必要があります。住み始めた年と前後2年ずつ・合計5年の間に居住用財産の譲渡所得の特例(3,000万円特別控除や長期譲渡所得の軽減税率)を受けている場合は、住宅ローン控除は受けられません。

減税額の計算方法

平成33年12月31日までに増改築を行って住み始めた場合には、リフォームローンの年末残高等×1%が適用されます。限度額は40万円で、最大40万円×10年=400万円が減税額。一般的な住宅ローン控除同様の計算式なので、このあたりはシンプルです。

所得税から控除しきれなかった分については、翌年度の住民税から控除されます。住民税の控除額は、対象年度の課税総所得金額×7%が限度です。

スポンサードリンク

 

住宅ローン控除を増改築で受けるための手続き

増改築で住宅ローン控除を受けるための必要書類、手続き方法を確認します。一般的な住宅ローン控除とは異なる書類が必要になるため、目を通しておきましょう。

用意する書類

必ず必要になる書類は、工事を終えた後の登記事項証明書・源泉徴収票・リフォームローン等の年末残高証明書・工事請負契約書の写し・増改築等工事証明書です。

補助金の交付を受ける場合は、補助金等の額が明らかな書類も用意しましょう。増改築等工事証明書とは、国土交通省の告示に基づき、建築士から作成を受ける書類のことです。増改築の申込をする時に住宅ローン控除を受けたいことを伝えて、発行を受けてください。

書類の提出先・手続き方法

一般的な住宅ローン控除と同じように、確定申告が必要です。用意した書類を添えて、最寄りの税務署に提出しましょう。2年目以降は年末調整で処理できるところも、一般的な住宅ローン控除と同じです。

確定申告後に送付される「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」・「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」およびローン残高の証明書を会社に提出、所得税の還付や住民税の軽減を受けます。

スポンサードリンク

 

住宅ローン控除以外の所得税控除制度

増改築だと10年未満のローンを組む人も多く、住宅ローン控除を受けられないケースも出てきます。

そんな人に朗報です。

住宅ローン控除以外にもローン型減税・投資型減税と2種類の所得税控除制度があります。ここがかなりややこしいので、増改築の種類と制度の対応を一覧表で見ておきましょう。
 

所得税の控除制度 ローン期間 耐震 バリアフリー 省エネ 同居対応 長期優良住宅化 その他
投資型減税 規程なし
ローン型減税 5年以上
※1

※1
住宅ローン減税 10年以上
※2

※3

※1 バリアフリー・省エネ・同居対応・長期優良住宅化リフォームと同時に行うものだけ対象
※2 増改築工事証明書で1〜3号工事に該当することを証明できるものだけ対象
※3増改築工事証明書で1〜3号・4号・6号工事に該当することを証明できるものだけ対象

増改築・リフォーム工事の種類

増改築・リフォーム工事は、細かく分類されています。種類によって受けられる所得税控除制度や金額が変わってくるため、分類は大切です。一覧表に出てきた5種類の増改築・リフォーム工事の定義を大まかに確認しておきましょう。

耐震リフォーム

現行の耐震基準に合わせるために行う改修工事を指します。所得税控除の対象にできるのは、昭和56年5月31日より前に建築されたものだけ。

改修工事を行う前は耐震基準を満たしていなかったことも条件です。詳しい条件については、国税庁のホームページを確認ください。

耐震改修工事をした場合(住宅耐震改修特別控除)

バリアフリーリフォーム

お年寄りや障害を抱えた人が安全に生活するために行うリフォームを指します。

車いすで移動しやすいように通路を広げる、段差をなくす、浴室やお手洗いを使いやすくする改修などが一例です。

対象住宅の条件は、以下のいずれかに該当すること。バリアフリー工事を必要とする本人もしくは同居の身内が対象です。

1. 50歳以上の本人
2.要介護または要支援の認定を受けている本人
3.所得税法上の障がい者にあたる本人
4. 65歳以上の親族もしくは2か3に該当する親族と同居している人

詳細は、国税庁のホームページを確認ください。

バリアフリー改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)

省エネリフォーム

窓や床、天井を断熱にする・太陽光発電設備を設置する・太陽熱利用システムを設置するなど、省エネ性能を高めるために行う工事です。

補助金を控除した工事費用が50万円以下だと、対象にはなりません。省エネリフォームの適用要件には、細かい性能の基準があります。国税庁のホームページでは、下記ページを参照ください。

省エネ改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)

同居対応リフォーム

親から孫まで三世代が同居できるように行うリフォームを指します。キッチンや浴室、トイレを増設したり、玄関を増やしたりする工事が具体例です。

同居のために二世帯住宅へとリフォームするイメージ。改修工事を行った後の各世代の居住部分には、キッチン・トイレ・浴室・玄関のうち2つ以上が含まれている必要があります。

長期優良住宅化リフォーム

長期優良住宅の認定を受けるために行うリフォームのことです。耐震リフォームや省エネリフォームと一緒に耐久性向上改修工事を行い、認定を取得する必要があります。長期優良化住宅化リフォームの詳しい条件は、国土交通省作成資料から確認ください。

長期優良住宅化リフォームに係る所得税額の特別控除

ローン型減税

5年以上のローンを使って特定の増改築をした時に検討できる所得税の控除です。バリアフリー・省エネ・同居対応・長期優良住宅化リフォーム工事で所得税の控除を受けられます。

これらのリフォームと合わせて一般的な増改築を行った分のローンも対象にできるルール。一般的な増改築だけを行った時には、対象にできません。

【制度詳細】
控除期間:5年
控除額:1と2の合計
1.バリアフリー・省エネ・同居対応・長期優良住宅化リフォーム工事費用×2%
2.その他の工事に相当する部分の年末ローン残高 × 1%
※ただし、1の控除対象限度額は250万円。1と2合計での控除対象限度額は1000万円。
【具体例】
返済期間5年・600万円のリフォームローンを組んで、増改築を行う。このうち250万円がバリアフリー改修工事・350万円がその他の工事に該当する。

→ 250万円×2% + 350万円×1% = 85,000円

バリアフリー改修工事に関わるローンは2%、その他の増改築にあたる部分は1%が対象です。計算結果を合計した85,000円を所得税から控除できます。

減税を受けるためには、確定申告が必要です。確定申告の際にバリアフリー改修工事とその他の増改築にかかった費用の比率を証明するため、規程の証明書を提出します。

ローン型減税を受けたいことをリフォーム業者に伝えて、証明書を受け取りましょう。

投資型減税

投資型減税は、自己資金で行った増改築も対象にできます。5年以下のリフォームローンで、ローン型減税の適用が受けられないものももちろんOK。

ただし、耐震・バリアフリー・省エネ・同居対応・長期優良住宅化リフォーム工事に該当するものだけが対象です。その他の増改築は、適用対象にできません。

【制度詳細】
控除期間:1年
控除額:工事の種類ごとに定められた計算式に基づく金額
耐震リフォーム:
(国土交通大臣が定める標準的な耐震改修工事費用相当額-補助金等)×10%

※ただし、控除対象限度額250万円。

バリアフリーリフォーム:
(国土交通大臣が定める標準的なバリアフリー改修工事費用相当額-補助金等) × 10%

※ ただし、控除対象限度額200万円。

省エネリフォーム:
(国土交通大臣が定める標準的な省エネ改修工事費用相当額-補助金等)×10%

※ ただし、控除対象限度額250万円。太陽光発電設置工事は350万円。

同居対応リフォーム:
(国土交通大臣が定める標準的な同居対応改修工事費用相当額-補助金等)×10%

※ ただし、控除対象限度額250万円。

長期優良住宅化リフォーム:
(国土交通大臣が定める標準的な各種改修工事費用相当額-補助金)×10%

※耐震もしくは省エネ改修と耐久性向上改修を行った場合、控除対象限度額350万円。耐震改修・省エネ改修・耐久性向上改修を全て行った場合は500万円。さらに、バリアフリー・同居対応改修を行った場合は950万円。

かかった費用が計算対象になるわけではなく、国土交通大臣が決めている標準的な費用を使うところに気をつけましょう。

上で触れている以外にもかなり細かい規程があるので、自分で適用有無を確認するのは大変です。申込前にリフォーム会社に聞いてみましょう。

スポンサードリンク

PAGETOP