住宅ローンは名義変更できる?

生きている間には、事故や離婚などいろいろなトラブルが出てきます。住宅ローンを払っている途中での名義変更は可能でしょうか。

名義変更しないことにはもともとの契約者がいつまでも支払いを続けることになり、関係が複雑になるケースもあります。

そもそも住宅ローンは名義変更が可能なのか?についてと、誰から誰に変えるのかというシチュエーション別の手続き方法や注意点を紹介しましょう。

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住宅ローン返済中でも名義変更できるのか?

結論からお話すれば、住宅ローン返済中の名義変更は可能です。ただし、明確な理由がないと認められないことも多く、金融機関の判断による部分もあります。

行う手続きですが、住宅ローンの名義変更と所有権移転登記が必要です。住宅ローンの名義を変えるだけでは終わらず、不動産の権利関係を整理しないといけないことを理解しておきましょう。

では、どうして所有権の移転登記が必要なのでしょうか。

この理由は、抵当権についての基礎知識を持っておけば簡単です。Aさん名義の住宅ローンを組むには、Aさん名義の不動産に抵当権を設置するのが筋でしょう。

「支払いが遅れたら自宅がとられてしまう」というプレッシャーから返済に対する責任感が強まるので、自分が住んでいない不動産に関する支払いがいい加減になってしまうリスクを防ぐためです。

住宅ローンでは、対象不動産に本人が住んでいることを条件とすることが多々あります。

不動産の所有権を移すつもりがないと、名義変更の承諾を受けられなくなる可能性も出てくるはずです。

つまり、2つの手続きは必ずセットで考える必要があるということ。ここを理解しておかないと金融機関とのやり取りがスムーズに進まないケースもあるため、頭に入れておきましょう。

住宅ローンの名義変更手続きと手数料

住宅ローンの名義変更を行う際に必要な書類は、金融機関ごとに変わってきます。あらかじめ担当者に話しを通し、書類を確認しておきましょう。

すでに契約している住宅ローンの名義変更だけなら、まとまった手数料が発生することは少なく、負担になるほどのコストにはならないのが通常です。

別途、不動産の名義変更に際する費用が数万円発生するケースはあります。司法書士に手続きを依頼するための手数料、必要書類の請求にかかる実費などが内訳です。

いずれにしても、ローン契約した時のように何十万円という手数料にはなりません。

名義変更手続きにかかる期間

名義変更手続きにかかる期間は、状況によってまちまちです。いつまでにという明確な期限があるようなら早めに金融機関に相談、判断をあおぎましょう。

必要な書類を準備する期間も含めると、数日では終わらないのが通常です。名義変更ができないとなった時に代替手段を考える期間も考慮、できる限り早めの行動が大切です。

基礎知識をひと通り見てきたところで、個別のケーススタディに入ります。離婚や親の定年退職、結婚などライフプランの変化によって名義変更を検討する状況と手続きの注意点を見ていきましょう。

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夫婦間で住宅ローンの名義変更を行うケース

夫婦間での名義変更でよくあるのが、離婚に伴う手続きです。もともと住んでいた住まいをどちらかが引き継ぎ、そのまま維持したいと考えるのは、めずらしいことではありません。

妻単独にする場合・夫単独にする場合に分けて、名義変更ができるケースと注意点を見ていきます。まずは、妻がマイホームを取得、住宅ローンの名義を得るケースです。

妻単独に名義変更

もともと共働きで妻が夫同様の収入を得られることを証明でき、夫単独名義だった住宅ローンを妻に渡す場合には、比較的スムーズです。たとえば、こんな状況が考えられます。

◎具体例
夫:年収600万円 (住宅ローン残高1500万円)
妻:年収580万円

住宅ローン:夫→妻に名義変更
※ 合わせて不動産の所有権移転登記

問題になるのは、夫婦共同名義で住宅ローンを組んでいて、夫の分を妻に名義変更したい時です。妻単独で収入合算した場合の信用を満たすことは難しく、名義変更が認められないことがあります。

◎具体例
夫:年収500万円
妻:年収300万円
夫婦合算:年収800万円 (住宅ローン残高1500万円)

住宅ローン:妻単独では年収800万円分の信用はない = 名義変更不可

考えられる対処法は、妻単独で全てをカバーできる住宅ローンへの借り換えです。借り換えが認められる金融機関があれば以前のローンを完済して新規契約すれば良く、所有権も全て妻が持てば、すっきりします。

単独名義の借り換え先が見つからないとなれば、夫に代わる連帯債務者をたてる方法が候補です。

連帯債務者になる人が見つかったら金融機関と話し合い、夫の名義の分だけを代役に変更する手続きが可能かの判断を受けます。

夫単独に名義変更

次に、夫婦共有名義で契約していた住宅ローンを夫単独に名義変更したい場合はどうでしょうか。夫が全てのローンを支払っていく契約で財産分与を行い、合意に到ったケースです。

妻単独の場合と同じように、夫婦合算収入に満たない場合は問題が生じます。信用が足りないことで金融機関の了承が得られず、名義変更できないリスクがあるためです。

◎具体例
夫:年収500万円
妻:年収300万円
夫婦合算:年収800万円 (住宅ローン残高1500万円)

住宅ローン:夫単独では年収800万円分の信用はない = 名義変更不可

名義変更に代わる選択肢として、住宅ローン契約はそのまま維持、夫婦の支払い相当の金額を夫が負担し続ける方法が考えられます。

この時に不動産名義を妻単独にできるかは、金融機関の判断によって変わるはず。冒頭で紹介しているように、夫がこの先は別の場所に住むことに対して「きちんと支払う保証はない」と判断されれば、了承を得られません。

不動産の名義変更ができない時に可能な選択肢としては「住宅ローンを完済した後、所有権を妻に変える」という公正証書を交わすことです。

住宅ローンが終わるまでは夫の所有権を残し、妻だけが住む生活になります。ここで難しいのは、「不動産名義を妻単独にしたい」という相談を金融機関に持ちかけた時に「そもそも夫が住まない家のローンの名義を持ち続けることができない」と言われてしまうリスクが伴うことです。

所有権を変更することはおろか住宅ローンも継続できないと言われてしまうと、住まいを売却することとして、あらためて話し合うより他なくなります。

金融機関の出方がどうなるかは分からないため、財産分与に先立って話しを通しておかないと、ストレスです。一筋縄ではいかないことを理解して、早めのスケジュールで動きましょう。

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親子で住宅ローンの名義変更を行うケース

親子で住宅ローンの名義変更が検討されるのは、親が高齢になって住宅ローン返済が難しくなり、子に引き継ぐ状況です。

一定の条件を満たせばスムーズに認められる可能性が高いのですが、名義変更出来ないケースもいくつかあります。

子に名義変更する条件

子に名義変更すると同時に同居を始めるなど、対象物件に住むことが条件となるケースが多いようです。

また、子に親と同程度の収入があり、他の住宅ローン返済を行っていないことも条件に入ってきます。新規で契約する場合と同じように、信用力次第と言うことです。

住宅ローンの名義変更が認められない場合は親が対象物件を売却、賃貸物件に入居する方法が検討されます。もしくは、自宅を売却したうえで子の所有している住まいに引っ越し、同居を始める方法が現実的です。

子自身も住宅ローンを返済している場合はどうなる?

子が一定の年齢になっている家庭だと、本人もすでに住宅ローン契約を行っている状況も考えられます。

住宅ローンが本人居住を前提とした商品である以上、1世帯1契約が原則です。今の契約がある以上、親のローンの名義変更は認められない可能性が高いと言えます。

住宅ローン2件分の信用力がある人なら、親族居住用ローンへ借り換えする選択肢が候補です。親の住宅ローンを一旦リセット、「親のため」ということを明確に示したうえで、子が返済を行います。

住宅ローンを借り換えするにしても金融機関との交渉は必要ですから、どんな方法が可能かを相談しましょう。抜け道を探そうとは思わず、正直に金融機関と向き合うことで、明るい将来が見えてくることもあります。

親子の話し合いによっては、子の住まいを売却、住宅ローンをリセットする選択も可能です。

その場合も、売った後に後悔することがないように、子のローン負担をなくした状態なら名義変更できるという裏付けをとったうえで進めてください。

親の住んでいる土地に思い入れがあり、子の不動産より優先したいと家族全員が思っている状況では、有効な選択肢かもしれません。

親子リレーローンも活用しよう

そもそも論にはなりますが、住宅ローン契約段階から、親子で支払うことを考慮した商品選びをする方法もあります。

親子2代で払うことを前提とした商品は「リレーローン」と呼ばれるものです。

リレーローンを組んでおけば、名義変更の問題が絡まず、金融機関とのトラブルを予防できます。

また、フラット35の親子リレー返済は、申込時の親の年齢が70歳未満なら加入可能とやさしい条件の商品です。

定年退職後にローンが残ってしまった場合に子供に引き継ぐことを前提として、借り換えを検討するのも一案です。

リレーローンとよく似た住宅ローンとして、ペアローンが検討されることもあります。ペアローンではあらかじめ親子の負担割合を明確にする必要があり、負担割合に応じた持ち分比率とするのが通常です。

この場合は2本の住宅ローンを組むことになり、親子のそれぞれが契約者として扱われます。子供に全て所有権を渡す際には贈与税がかかるリスクもあり、よく考えて判断しないとリスクです。

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結婚で住宅ローンの名義変更を行うケース

結婚前に組んでいた住宅ローンをその後も返し続ける場合は、手続きが必要です。住宅ローンを組んでいた金融機関に出向き、結婚を伝えればすぐに手続きを受けられるケースが多く、難しいことはありません。合わせて通帳の名字変更も依頼、一緒に手続きを受けてください。

結婚で転居するなら交渉が必要

お話がややこしくなるのは、結婚してからも住宅ローンは支払い続けて、人に貸す場合です。

住宅ローンは投資用不動産には使えない商品なので、名義変更だけでは対処できない可能性が高くなります。金融機関によっては自社で扱っているアパートローンへの借り換えを提案してくれることがあるため、担当者に相談しましょう。

フラット35なら住宅ローンを継続可能

フラット35で借りている場合は、状況が異なります。民間ローンとは違い、事情を問わずに賃貸に出すことが認められているためです。

もともと転勤や転職、病気など一定の事情の時に認められていた制度ですが、中小企業金融円滑化法が始まった際に条件緩和方針が決まりました。

中小企業円滑化法自体は終わってしまったものの、フラット35の緩和された条件はそのままの形で残っています。

詳しく知りたい人は「フラット35金融円滑化への取組について」に目を通して頂きたいのですが、ひと言でまとめると「結婚して自分が住まなくなった不動産も、住宅ローンを継続できる」ということです。

継続の条件として住所・氏名の変更手続きは必要なので、所定の書式で提示しましょう。ホームページに掲載されている変更届フォーマットをプリントアウト、間違いがないように記入したうえ、金融機関に持参します。

フラット35 住所・氏名等の変更

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住宅ローンの名義変更と贈与税

親子間の名義変更の最後の部分で軽く触れた通り、住宅ローンの名義変更には贈与税が関係します。これがかなり高額になるケースもあり、予想外の支出が発生すると大変です。

離婚に伴う名義変更の場合、財産分与との兼ね合いも考慮されます。専門家を交えた話し合いの場を持ち、どちらかが一方的に不利になることがないように交渉しないと危険です。

「お互いに納得して決めたこと」として本人同士の話し合いは完結しても、納税義務とは無関係であることを理解しましょう。

置かれている状況や当人同士の希望でかなり複雑な話しになるためここでは割愛いたしますが、税金もしくは法律の専門家に相談、個別の事情をふまえて判断したい内容です。

そのタイミングでは大変ですがなるべくすっきり後にしこりを残さない形で話し合いをまとめておくことにより、明るい将来が見えてくることも多いもの。じっくりと話し合う時間を確保、後のトラブルにならない選択肢を整理しましょう。

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