住宅ローンに頭金は必要?頭金の決め方は?

マイホーム購入に向けてコツコツ頭金を貯める人がいる一方、自己資金0円で住宅を購入する人もいます。

ひと昔前までは「頭金2~3割」が通説でした。最近では考え方が多様化してきて、あえて自己資金を入れずに住宅の購入を決断する人も増加傾向にあるようです。

住宅ローンに頭金が必要な理由と頭金の決め方や先輩購入者の傾向、頭金なしで住宅ローンを組むとどんなリスクがあるのかを見ていきましょう。

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住宅ローンの頭金とは

そもそも頭金とは何なのかを理解しないとお話が進みません。頭金とは、マイホーム購入に充てる現金のことです。

自己資金が0円でも親から300万円の支援を期待できる場合には頭金300万円、預貯金が500万円あってもマイホームは全額ローンを組むと決めたら頭金0円ということになります。

なお、頭金0円といってもローンの事務手数料や保証料、火災保険料といった諸費用はかかるので、全くお金を支払うことなく住宅を取得できるわけではありません。

家財の準備費用や引っ越し代など細々した出費も合わせると、100~200万円くらいは必要なものと考えてください。

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住宅ローンの頭金はいくら必要?決め方は?

そんな頭金ですが、具体的にはどのくらい用意すれば良いのでしょうか。一般論では、最低でも1~2割と言われています。

もともとは取得価額の8~9割までを借入限度額とする住宅ローンが多かったことから頭金は「1~2割は用意しましょう」と言われるようになりました。

もちろん、住宅ローンは借金なので、頭金が多ければ多いほど返済は楽になります。だからといって、預貯金の全てを頭金へとまわしてしまうと危険です。

「共働きだったのに、妻が妊娠」「夫の主要な取引先が倒産して仕事が激減」など、家計の急変動に耐えられなくなり、マイホームを手放さなくてはいけない事態になりかねません。

そこでおすすめしたいのが「頭金はいくら必要か?」ではなくて「いくらまでなら出せるのか?」から考えていく発想です。

模範的な家計管理の計算式では、生活費の6ヶ月分くらいを預貯金として確保、残りを頭金にあてる方法が推奨されます。

1ヶ月の生活費が25万円というご家庭だったら25万円×6ヶ月で150万円はもしものためにとっておき、その分を差し引いた金額を頭金と手数料にまわすという計算です。

500万円の貯金があったら350万円を住宅購入にあて、足りない分のローンを組むということになります。

住宅ローンの相談や住宅展示場に行くと、自己資金はいくら出せるか聞かれることが多いはずです。

訪問前に1ヶ月あたりの生活費や預貯金の水準をチェック、捻出可能な自己資金金額を把握しておきましょう。

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統計から考える頭金の目安金額

「我が家の場合」で考えた捻出可能額が分かったところで「これって少ない?多い?」といった疑問が出てきます。

先輩マイホーム購入者が実際にどのくらいのお金を貯めて、どんなローンの組み方をしたのかを見てみましょう。

住宅金融支援機構の公表資料によると、建売住宅購入資金のうち手持金でまかなった金額の平均は682.3万円とされています。

住宅金融支援機構の融資金平均は2,568.9万円とされていました。ざっくりとは700万円くらいをマイホーム購入用に貯めて、2,560万円くらいをローンで調達ということでしょう。

1カ月あたりの返済予定額の平均値は91,400円とされています。返済負担率(家計の中でローン支払いが締める割合)は20.2%とされ、月収の20%くらいを住宅ローン返済にまわしている状況です。

これは全国平均の統計値で、首都圏に限って見ると、頭金の目安額はさらに高い水準になります。手持金の平均は819.4万円となり、融資金平均は2,705.6万円です。

1ヶ月あたりの返済予定額は99,200円で、返済負担率は全国平均と同水準の20.2%とされていました。

参考:2016年度 フラット35利用者調査

家計計画は人それぞれ異なるのが当然で、統計値は参考にすぎません。それでも、700万円くらいは貯めてからマイホーム購入に到る人が多いという事実だけは頭に入れておきましょう。

もっと頭金が少ない状態からマイホーム購入に踏み切るとしたら、予算の範囲で納まる物件を根気強く探す・ローンの支払いを確実に行えるように家計を引き締めるなど、具体的な対策が求められます。

頭金の上手な貯め方

マイホーム購入者が700万円貯めている現実を知って「とてもそんなに貯められない」と思った人もいるのではないでしょうか。

住宅購入を考え始めた時こそ、家計を見直す良い機会です。何年後に住宅を購入したいのかという目安を決めて、貯める習慣へと切り替えましょう。

貯蓄が苦手な人におすすめしたい貯め方は、給与をもらったらすぐ決まった金額を貯蓄用の口座へ移す先取り式貯金です。

余ったお金を貯めようとしても難しいので、あらかじめ使えるお金をセーブする生活を始めてみましょう。

無理なく貯めるためには、月給の1~2割を目安とします。世帯収入で毎月40万円あるとしたら、4~8万円を貯めていくということです。

勤務先に財形住宅貯蓄制度があれば、給与天引きで貯めていくことができます。

「おろしたい」と思っても会社を通して手続きする手間がかかりますから、心理的な抑止力がかかるところもメリットです。安易に引き出しできないことで自然と頭金が貯まり、お金の管理が苦手な人に適しています。

先取り式を始めようと思っても「今でさえ家計がギリギリなのに」と感じる人は、改めてじっくりと通帳を眺めてみましょう。

毎月必ず必要な固定費の中から節約できる項目はないのか考えて見ると、しぼれるところが見つかるものです。お金の使い方を意識するだけでも、貯める体質の第一歩です。

できることなら、食費や交友費といった細々した出費をコントロールしていくよりも、夫婦それぞれ持っている自動車を1台にして駐車場代や維持費用を削減する・頭金を貯めるまでは夫婦どちらかの実家で同居するなど大きな固定費を見直す方法のほうがメリットは大きく、ストレスにもなりません。

固定費削減は家計改善の近道ですから、前向きにがんばってみましょう。

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頭金0円で住宅ローンを組むリスク

金融機関としてはきちんと返していける見込みがあれば良いので、頭金なしでローンの申込を行っても、審査に通ることはあります。

それでもなお「頭金を貯めてから」と言われるのは、なぜでしょうか。頭金0円で住宅ローンを組むリスクを理解しておきましょう。

売却時に担保割れするリスクが高い

両親との同居やまとまったお金の要り用、離婚などでマイホームを手放す必要が出てきた時に売却価額よりローン残高が大きいと、自己負担金が生じます。

購入時の住宅販売価格には業者の利益が上乗せされていますから、買ったと同時に売りに出したとしても、いくらかの損失となるのが通常です。

ましてや何年か住んだ後の中古物件となれば、担保割れリスクが生じるのは当然でしょう。担保割れ分を支払わないと不動産を売ることができないので、まとまった資金を用意する必要があります。

この資金が用意できずにどうにもならなくなった状況が「ローン破綻」と考えてください。

頭金を少しでも入れてローン残高を減らしておけば、将来的なローン破綻リスクを軽減できます。マイホームを失って多額の借金が残るという悲惨な事態を防ぐためにも、頭金の準備が大切です。

少し古いデータにはなりますが、三菱総研の住宅ローン信用リスクに関する分析の中で「自己資金比率が低いほどデフォルト率は高くなる」ことが示されました。

自己資金10%未満の層は10%以上20%未満の層と比較して2倍近くの破綻リスクがあることが分かり、住宅を維持できなくなるばかりか家計が立ち行かなくなってしまうことにもなりかねません。

参考:住宅ローンの収益リスク管理高度化 最新の統合データに基づく分析結果

マイホームがほしい時期にはどうしても楽観的な見通しになりやすく、「私たちは大丈夫」と思ってしまう節があります。

自己資金を入れないローン契約は危険であることが統計としても証明されている事実を把握、後悔しない判断に役立てましょう。

頭金がないと住宅ローン審査に通りにくい

頭金を用意できないことで、審査落ちリスクも高まります。計画的に資金を貯めた実績は、金融機関が大きく評価するポイントです。

頭金0円でも審査が通る可能性はあるとはいえ、いくらか資金を貯めたうえで申し込んだほうが有利になります。

収入と照らし合わせて背伸びした物件選びをしていたり転職したばかりで勤続年数が浅かったりと審査結果が不安になる要素がある人こそ、頭金を用意して、信頼を得る努力が必要です。

また、頭金を入れないつもりだとしても、一定の預貯金があるのとないのとでは受ける評価が変わってくるケースはあります。

住宅取得に向けて貯蓄していたが家族の入院費用をサポートしたなど特別な事情で頭金を出せなくなった場合も正直に伝えましょう。

ようは「計画的にお金を管理できる人物か?」が見られているので、誠実さを証明できる要素が求められます。

ローン金利が高くなるケースもある

頭金を用意することによって、優遇金利が適用されるローンもあります。たとえば、新生銀行の住宅ローンは、自己資金10%以上の条件を満たすことにより0.05%の優遇があるようです。

フラット35にも自己資金10%以上の条件を満たす人だけ使える商品があり、前もって資金準備をしておくことにより、選択肢が広がります。

住宅ローンはまとまった金額を借りるだけに、わずかな金利差が大きな違いになって響くものです。少しでも有利な条件で契約したいと思うなら、一定の頭金を確保しましょう。

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リスクがあってもなお頭金0円を選ぶ理由

こんなにいろいろなリスクがあるにも関わらず頭金なしで借入を考える人もいるのはなぜか、気になりますよね。

早いうちにマイホームを持ちたい気持ちはもちろんですが、それ以外にも明確な言い分があるようです。

金利が低い今がチャンス

まず、何より金利が低い今こそ有利な条件で住宅ローン契約をするチャンスと考える気持ちがあります。

マイナス金利政策の導入以降はローン金利も歴史的な低水準にあり、固定金利で契約するには非常に適したタイミングという判断です。

低金利だと頭金を入れるメリットが小さくなることもあって、「早いうちに購入してしまおう」という考えに到ります。

消費税増税に向けた駆け込み需要

2019年10月に予定されている消費税増税に向けた駆け込み需要も購買行動に影響を与えています。頭金が準備できるのを待っていたらマイホーム購入が増税後になってしまう事情があって「どうせなら、今のうちに」ということです。

2014年に消費税が引き上げられた際には、すまい給付金制度が始まりました。一定の収入に満たない人が住宅ローンでマイホームを購入した場合に最大30万円が支給される仕組みです。

消費税が10%に引き上げられると最大50万円までの支給に引き上げられることが決まっていますが、駆け込み需要に「待った」をかける歯止めにはならないという見方もできます。

住宅ローン控除をたくさん受けたい

2018年6月現在の住宅ローン減税は、年末ローン残高の1%を所得税や住民税から控除する仕組みです。

あえて頭金を入れずにローン残高を大きくすることによって、減税メリットが大きくなると考えられます。実際には頭金を入れても入れなくても控除金額が変わらないケースも多く、年収やローン条件をふまえてシミュレーションしないことには、どちらが有利かは分かりません。

ローン残高が大きければ大きいほど得をする、というわけではないため、よく考えて決めないとリスクです。

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