カードローンの目的に制限はある?審査に不利な用途とは?
カードローンで借りたお金は、服やバッグを買いたいとか、他の消費者金融の返済に充てるなど、自分の自由に使っても良いのでしょうか?
カードローンの目的・用途として利用不可なものがあるのか、カードローンを実際に利用した人は何に使っているのかなどを解説します。
カードローンを申し込むと用途・目的を確認される
住宅ローンなら家を買うため、自動車ローンなら車を買うためという感じで、ローンは基本的に使用目的が決められています。
この「融資された資金の使い道」のことを「資金使途」と言います。
カードローンの資金使途がどうなっているのかというと、基本的には自由です。生活費に充てても良いですし、極端な話、返済さえきちんと行えば借りたお金をパチンコや競馬に使っても問題ありません。
カードローンを利用したことがある人が、借りたお金を実際に何に使ったのかというアンケートがあったのでご紹介します。
このアンケートのおもしろいところは「申し込みの際に申告した目的・用途」ではなく、「借りたお金で何をしたのか」という本当のところがわかることです。
実際のカードローン利用者の目的・用途
2016年11月28日~12月2日に行われたアンケートで、「過去3年で借り入れを行った方の借入目的」を
・消費者金融利用者
・クレジットカード会社のキャッシング・カードローン利用者
・銀行カードローン利用者
にわけて集計した結果です。
消費者金融カードローンの利用目的・用途
消費者金融でお金を借りた人の利用目的・用途で多かったものは、
2位:欲しいものがあったが手元のお金が足りなかったため
3位:遊ぶためのお金(遊興費等)が足りなかったため
となっています。
・生活費(光熱水費を含む)不足を補うため…38.2%
・欲しいものがあったが手元のお金が足りなかったため…25.0%
・遊ぶためのお金(遊興費等)が足りなかったため…19.9%
・クレジットカードの利用代金支払い資金の不足を補うため…19.3%
・他の貸金業者への返済資金の不足を補うため…10.4%
・ギャンブルの元手が足りなかったため…7.3%
・医療費の支払いのため…7.1%
・住宅ローンの支払い資金の不足を補うため…6.2%
・冠婚葬祭費の支払いのため…5.9%
・その他…4.6%
●備考
・年収が低い方が生活費の不足のために借入を行っているという結果がでています。
クレジットカード会社のキャッシング・カードローンの利用目的・用途
クレジットカード会社のキャッシング・カードローンでお金を借りた人の利用目的・用途で多かったものは、
2位:欲しいものがあったが手元のお金が足りなかったため
3位:クレジットカードの利用代金支払い資金の不足を補うため
となっています。
・生活費(光熱水費を含む)不足を補うため…37.8%
・欲しいものがあったが手元のお金が足りなかったため…29.0%
・クレジットカードの利用代金支払い資金の不足を補うため…21.8%
・遊ぶためのお金(遊興費等)が足りなかったため…15.2%
・冠婚葬祭費の支払いのため…7.1%
・医療費の支払いのため…6.0%
・住宅ローンの支払い資金の不足を補うため…5.6%
・他の貸金業者への返済資金の不足を補うため…4.8%
・ギャンブルの元手が足りなかったため…4.8%
・その他…6.4%
●備考
・年収が低い方が生活費の不足のために借入を行っているという結果がでています。
・職業別で見ると、個人事業主、派遣・契約社員は全体と比べて生活費不足の補填に当てるとの回答割合が高くなっています。
銀行カードローンの利用目的・用途
銀行カードローンでお金を借りた人の利用目的・用途で多かったものは、
1位:生活費( 光熱水費を含む) 不足を補うため
2位:クレジットカードの利用代金支払い資金の不足を補う為
3位:欲しいものがあったが手元のお金が足りなかったため
となっています。
・生活費( 光熱水費を含む) 不足を補うため…41.8%
・クレジットカードの利用代金支払い資金の不足を補う為…24.9%
・欲しいものがあったが手元のお金が足りなかったため…23.5%
・遊ぶためのお金(遊興費等) が足りなかったため…19.4%
・冠婚葬祭費の支払いのため…9.3%
・住宅ローンの支払い資金の不足を補うため…8.1%
・医療費の支払いのため…7.4%
・他の貸金業者への返済資金の不足を補うため…7.1%
・年収の3分の1まで借入れ可能等の条件がないため…4.5%
・ギャンブルの元手が足りなかったため…3.8%
・その他…4.3%
●備考
・3年以内に銀行カードローンを利用したことがある人のうち、3年以内に消費者金融などの貸金業者から借入れをしたことがある人の割合は63.7%となっています。半数以上の方が消費者金融などを利用したことがある多重債務という結果になっています。
<参考>:貸金業利用者に関する調査・研究(PDF) -金融庁 委託調査・研究等-
趣味・娯楽のためにカードローン利用している人も多い
日本貸金業協会が平成28年に行った別のアンケートでは、利用目的が
2位:食費
3位:家賃の支払い(住宅ローンの返済を含む)
の順に、多くなっています。
趣味/娯楽(レジャー、旅行を含む)費用…29.3%
食費…16.3%
家賃の支払い(住宅ローンの返済を含む)…13.8%
自動車の購入費(車検整備費等を含む)…9.0%
衣料費…8.1%
医療費…8.1%
納税・納付等の支払…7.7%
ギャンブルにかける費用…5.4%
授業料、保育料、給食費等の学校関係費…4.7%
通信費(電話料金やインターネット利用料等)…4.7%
住宅のリフォーム費…4.5%
学習教材等の教育関係費…3.8%
水道・光熱(電気・ガス等)費…3.8%
冠婚葬祭費用…3.4%
資格試験・受験のための予備校等受講料…1.8%
資格試験・学校等の受験費用…1.1%
その他…24.6%
<参考>:日本貸金業協会「資金需要者等の借入れに対する意識や行動に関する調査結果報告」 平成28年10月28日
趣味・娯楽の範囲は広いですが、2位の食費、3位の家賃と比べると、必然性が低い出費でもカードローンを利用している人が多いという結果になりました。
借りたお金の使い道に制限がないことがよくわかりますね。
カードローンは事業資金には利用できないことがある
特に決まった利用目的・用途がなくても借入可能なカードローンですが、禁止されている場合があるのが事業資金と目的とした借入です。
事業資金とは、個人事業主や会社の経営者などが事業運営のために使用する費用です。
事業目的とした借入を希望する場合は、ビジネスローン商品もたくさんありますので、そちらを検討してみて下さい。
カードローンの目的・用途は審査に影響する?
カードローン申し込みをする際には、利用目的・用途も申告しなければいけません。希望限度額も申請するので、「ギャンブルのために100万円借りたい人」という風に見られてしまうと、審査が不利になってしまいそうな気がしますね。
実際、申し込み限度額が高すぎて返済能力に不足を感じる場合や、利用目的が倫理的に問題がある場合などは、審査に落ちてしまうこともあります。
審査に通りにくい利用目的・用途をチェックしてみましょう。
ギャンブル目的の借入は印象が悪い
友達同士でも、「パチンコするからお金貸して!」と言う人には、お金があっても貸したいという気持ちにはならないのではないでしょうか。
貸金業者の場合は、返済能力がきちんとある人には貸してくれることもあるので、ギャンブル目的だからといって絶対に審査に落ちるわけではないのですが、貸し倒れに繋がると判断されると審査に通ることはできません。
なお、FXや株などの投資はギャンブルとは全く性質が違いますが、お金が大幅に減る可能性があるということで、カードローン利用目的としてはマイナスとなります。
事業性資金が不可のカードローンに事業目的で申し込む
事業性資金としてのカードローン申し込みは、OKとしているところとNGとしている業者があります。
不可のところに事業性資金のための借入申し込みをしても審査に通ることはありません。
たとえば、プロミスは事業費OKですが、三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」は事業費NGです。
この場合、プロミスなら審査に通る可能性はありますが、三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」は確実に落ちるでしょう。
なお、銀行カードローンは基本的に事業資金としての融資を行っていません。
参考:主な消費者金融の資金使途
消費者金融名 | 資金使途 |
アコム | 生計費に限る (個人事業主の方は生計費および事業費に限る) |
アイフル | 記載なし |
プロミス | 生計費に限る (個人事業主の方は生計費および事業費に限る) |
SMBCモビット | 記載なし |
犯罪目的と思われる用途
犯罪のためにカードローンを借りる人なんているはずないと思われるかもしれませんが、実際に犯罪目的じゃなくても、銀行・消費者金融が「これは犯罪に使うのかもしれない」と感じたらアウトなんです。
自分が気が付かないうちに規約違反、法律に触れるような使い方を目的としていることもありますので十分に注意しましょう。
カードローンの目的・用途 虚偽の申告はダメ!
本当はギャンブルが目的なのに、なんとなくウケが良さそうな留学費用とするなどの嘘はゼッタイにいけません。
嘘をつくこと自体もダメなことなのですが、審査にどのような影響を与えるかわからないからダメという理由もあります。
消費者金融や銀行は、あなたの申告と信用情報を元に審査を行うのですが、審査に大きく影響するのが「返済能力」です。
返済能力以上のお金を貸してしまうと返済が滞って貸し倒れに繋がることもあるため、逆に嘘の申告が貸し倒れに繋がると判断されることで審査に落ちる可能性もあります。
いずれにしても嘘をつくのは自分の首を締める行為です。
利用目的・用途のウソがばれるとどうなる?
利用目的・用途もそうですが、年収や勤続年数も少しでも良く見えるようにウソをつきたい項目だと言えます。
でも申し込みの際についた嘘がバレてしまうと、返済期限を待たずに全額一括返済を要求される、利用停止になるなどの罰が待っています。
こうなってしまうと、その事実は信用情報機関に記録が残ってしまうので、その後のカードローンやクレジットカードの作成にも不利になります。
嘘の申告が「悪質な詐欺行為」とみなされると最悪の場合、訴訟になることもあります。
目的・用途をはじめ、申告内容は正直に記載しましょう。
実際に何に使ったのか用途を聞かれることはある?
貸金業者の自主的なアンケートという形で聞かれることはあるかもしれませんが、カードローンでは申告した利用目的と実際の使途を照合するために領収書の提出を求められりすることはまずありません。
まとめ:カードローンの利用目的・用途は自由だけど正直に!
アンケート結果からもわかるとおり、カードローンの利用目的・用途はとても自由度が高く、少数ながら実際にギャンブルに使っている人もいました。
しかし、利用が制限されていないからこそ、一時的な借り入れを行うことで人生が豊かになる可能性もあるでしょう。
申し込みの際に嘘をつこうかと思う場合は、その利用方法に何か後ろめたいことを感じてしまうからということも考えられます。
でも、嘘の申告で審査をパスしたとしても後からバレるリスクを考えると、正直がいちばん良いですよ。