日本学生支援機構の奨学金 繰り上げ返済方法とメリット・デメリット

日本学生支援機構の奨学金を現在借りていたり、過去に借りていたという方も少なくないと思います。

少し手持ちに余裕があるから、奨学金を繰り上げ返済をしたいと考えている方や、少しでも返済額を抑えるために繰り上げ返済を検討している方のために、日本学生支援機構の奨学金の繰り上げ返済方法や繰り上げ返済のメリット・デメリットについて解説していきます。

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奨学金の繰り上げ返済の概要

日本学生支援機構の奨学金には、返済の必要がない給付型と返済の必要がある貸与型があります。

今回は繰り上げ返済について解説しますので、貸与型の奨学金を借りている方向けの内容になります。

貸与型の奨学金の中でも、無利息でお金を借りられる第一種奨学金と利息付きで返済する第二種奨学金とがあります。

奨学金の返済は、貸与終了後の翌月の初日(4月1日)から約半年間の「据置期間」を経て返済が始まります。第二種奨学金の場合、この据置期間から利息が発生することになります。

返済は、毎月定額を返済するか、毎月に半額の返済を行いつつ半年ごとにもう半分のぶんを増額してまとめて返済する方法があります。

ここまでは日本学生支援機構の奨学金についての簡単なおさらいです。

日本学生支援機構の第一種奨学金と第二種奨学金はどちらも返済期日が来ていないカップ金を繰り上げて返済することが可能です。全額繰り上げ返済することも可能ですし、一部繰り上げ返済をすることも可能になっています。

奨学金の繰り上げ返済手数料は不要ですし、申し込みも意外と簡単なので、繰り上げ返済を考えたことがなかった方でも知識をもっておいて損はないと思います。

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奨学金の繰り上げ返済の申込み方法

奨学金の繰り上げ返済の申込み方法は期日にさえ気をつければ意外とシンプルで難しくありません。

ネットで完結させることもできます。ただし、奨学金の繰り上げ返済の手続きを行う場合は、必ず本人が行いましょう。親権者であったとしても、勝手に繰り上げ返済の手続きを行うことはできません。

繰り上げ返済の申込み先

奨学金の繰り上げ返済の申し込み方法は、大きく分けて3つあります。

スカラネット・パーソナルで行うのが手間が少なくおすすめです。

スカラネット・パーソナルで奨学金の繰り上げ返済の手続きを行う

スカラネット・パーソナルに登録すると、繰り上げ返済の手続きをネットで行うことができます。

スカラネット・パーソナルに登録するには、奨学生番号が必要です。奨学生番号を忘れてしまった方は、「口座振替(リレー口座)加入通知(封書)」や、「奨学金返済の振替案内」に記載されていますのでチェックしてください。

どうしてもわからない場合は、奨学金相談センターに電話をして確認しましょう。連絡先は次の電話で奨学金繰り上げ返済を申し込む方法のところに記載しています。

電話で奨学金の繰り上げ返済の手続きを行う

奨学金返済相談センターに電話をして手続きを進めます。

「0570‐666‐301(ナビダイヤル)」

海外からの電話、一部携帯電話、一部IP電話からは

「03‐6743‐6100」
※月曜~金曜:9時00分~20時00分(土日祝日・年末年始を除く)

参考:返還に関するお問い合わせ – JASSO

郵送やFAXで奨学金の繰り上げ返済の手続きを行う

それぞれの宛先に、繰り上げ返済申込書に必要事項を記入したものを提出します。
記入漏れがある繰上返済申込書は受付できませんので、確実に記入しましょう。

▼郵送の場合
〒162-8412
東京都新宿区市谷本村町10-7
日本学生支援機構 奨学事務センター

▼FAXの場合
03-6743-6683

奨学金の繰り上げ返済に必要な書類

スカラネット・パーソナル以外で申し込む場合は、繰り上げ返済申込書が必要です。繰り上げ返済申込書は公式サイトからダウンロードすることができます。

奨学金の繰り上げ返済の申し込みを行うタイミング

繰り上げ返済をしたい月に繰り上げ返済を行うには、申し込むタイミングが非常に重要です。

もし、タイミングを逃してしまうと希望した月に繰り上げ返済ができない可能性もありますので、受付開始日と締切を必ず確認しましょう。申し込みの締切は、申込み方法によっても異なります。

スカラネット・パーソナルの場合

申込期間には以下の2つのパターンがあります。

【1】前月は通常の返済で当月に繰上返済を行う場合
【2】前月・当月と連続して繰上返済を行う場合

ひと月だけ繰り上げ返済をするのか連続で繰り上げ返済をするのかによって受付開始日も締切日も異なります。

それぞれの申込期間は公式サイトから表を引用しますので参考にしてください。

2019年
申込月
口座振替日 (A)前月は通常の返済の場合 (B)前月・当月と連続の場合
申込開始
(午前8時)
申込締切
(午前1時)
申込開始
(午前8時)
申込締切
(午前1時)
4月 5月7日 3月14日 4月17日 4月3日 4月17日
5月 5月27日 4月17日 5月15日 5月14日 5月15日
6月 6月27日 5月15日 6月17日 6月3日 6月17日
7月 7月29日 6月17日 7月17日 7月4日 7月17日

電話・郵送・FAXの場合

電話の場合は、繰上返済を希望する月の前月までです。

郵送・FAXの場合は、繰上返済を希望する月の振替日の1か月前までが締切日となります。申し込みは締切前の3ヶ月間です。早めに申し込みましょう。たとえば、11月27日に繰上返済を希望する場合、受付開始は7月28日で締切は10月27日となります。

参考URL:https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan/kuriage/moshikomi.html

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奨学金の繰り上げ返済の金額は?

奨学金の繰り上げ返済では、全額繰り上げ返済か一部繰り上げ返済かを選ぶことができます。

一部繰り上げ返済の場合は、どのくらいの金額を繰り上げ返済するのかを決めなくてはいけません。

一部繰り上げ返済を行う場合に繰り上げ返済額を決めるには、回数で決めるか、単純に金額で決めるかのどちらかになります。

たとえば、回数で決めるとすると「3回分の返済を繰り上げ返済する」ということになりますし、金額で決める場合は「10万円分繰り上げ返済する」というように決めます。

回数で決める際に注意したいのが、指定した回数のうち1回はその月の支払い分となります。

つまり、回数を3回とすると、その月の支払い1回分プラス2回分の繰り上げ返済ということになります。そして、その月の支払い分の1回は利息が発生することになります。

金額で決める場合は、指定した金額を上限にして相当回数分が繰り上げ返済となります。そのため、繰り上げ返済額は毎月の返済額1回分以上ないと繰り上げ返済にならないということになります。

繰り上げ返済時の引き落とし金額の確認方法

スカラネット・パーソナルで申し込んだ場合、引き落としされる金額もスカラネット・パーソナルで確認することができます。

郵送・FAX・電話から申し込んだ場合には、繰上返済の引き落としがある月の中旬頃に引き落とし金額が文書で通知されます。

もし、繰り上げ返済を希望した月の中旬頃になってもお知らせが届かない場合は、手続きができていないなどの可能性もあります。その場合は、奨学金返済相談センターまで問い合わせを行ってください。

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奨学金の繰り上げ返済のメリット

奨学金の繰り上げ返済の仕組みについてわかったところで、奨学金のメリットやデメリットを考えていきましょう。

繰り上げ返済で利息節約!返済する金額が減る

日本学生支援機構の第一種奨学金は無利息で借りることができますが、第二種奨学金には利息をつけて返済する必要があります。

第二種奨学金を借りている場合に繰り上げ返済を行うと、繰り上げた分の利息を支払わなくて済むので支払利息の節約になります。

利息を節約することで総支払額を抑えることができるということが、繰り上げ返済の最大のメリットと言えるでしょう。

繰り上げ返済を在学中に行えば第二種奨学金も無利息になる

第二種奨学金の利息が発生するのは据置期間に入ってからです。在学中であれば第二種奨学金であったも無利息ですので、もし在学期間中に全額繰り上げ返済できれば大幅な利息節約になります。

全額でなく一部繰り上げ返済であっても、利息が発生してから返済するよりも無利息のうちに返済した方が支払額が抑えられるのは確かです。

奨学金を繰り上げ返済すると報奨金がもらえる!?

残念ですが、報奨金制度は平成17年度に廃止されています。しかし、平成16年度までに貸与を開始した方であればいまでも報奨金がもらえるかもしれません。

報奨金がもらえるのは、第一種奨学金を受けた方で、最終返済期日の4年前までに一括返済した方が対象です。

返済開始から7年以内に全額繰り上げ返済した場合は繰り上げ返済時の残額の5%、返済開始から7年経過後に全額繰り上げ返済した場合は3%が報奨金としてもらえます。

全額繰り上げ返済が早ければ早いほど、利息も節約でき、もらえる報奨金が多いお得な制度です。平成16年度(2004年度)以前に奨学金を借りたという方で返済中の方は繰り上げ返済ができないか計算してみてはいかがでしょうか。

繰り上げ返済で保証料の一部が戻ってくる可能性がある

繰り上げ返済のメリットというと利息の支払い額を抑えるということがまっさきに浮かぶかもしれません。

そうなると、無利息で貸与を受けている第一種奨学生は繰り上げ返済をしてもメリットが少ないと早合点してしまいがちです。

しかし、第一種奨学金利用者でも保証機関を利用している方であれば、繰り上げ返済をすることによって金銭的なメリットを受けることができるかもしれません。

第一種奨学金を利用している方でも、保証機関を利用している場合には保証料を支払っているはずです。

支払う保証料の額は貸与終了時に決まります。

そして、保証料と元金と利息がつく方(第二種奨学生)は利息とを合わせた返済額を返済していくことになります。

繰り上げ返済で利息が節約できることはさきほどにも述べましたが、繰り上げ返済によって返済期間を短くすることで完済時に保証料の一部がもどってくるというメリットもあるのです。

在学中に全額繰り上げ返済して返済が完了した場合には、経費などを除いて保証料の約7割が戻ってきます。ただし、奨学金を受けた期間が1か月など短い場合や保証料が少額であった場合は戻らないこともあります。

戻ってくる保証料は、完済時に指定した口座に入金されます。

将来の選択肢が広がる

奨学金の返済があると、人生の選択に多少なりとも影響が出てくることもあると思います。

たとえば、奨学金の返済によって貯蓄になかなかまわせず結婚や妊娠出産などの選択を先送りにせざるを得なかったり、転職をしたくても返済を考慮して給与面で妥協することができなくなったりといったように奨学金の返済が足かせになってしまう場合もあります。

また、住宅ローンを借りようと思っても、奨学金が返済負担率を挙げてしまい、審査に通りにくくなってしまうこともあります。

奨学金の繰り上げ返済をしておけば後々の返済が楽になり、将来の選択肢を広げることができるかもしれません。さらに、完済させておけば新たにローンを組むときにも気を揉まなくてもよくなります。

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奨学金の繰り上げ返済のデメリット

奨学金の繰り上げ返済をしたほうが総支払額を抑えることができますが、デメリットもゼロではありません。

他にローンを組もうと考えている方は、奨学金の繰り上げ返済をすることで損をしてしまうこともあります。奨学金の繰り上げ返済のデメリットについても考えていきましょう。

貯蓄がなくなる

奨学金の繰り上げ返済をするためなら貯蓄がなくなってもいいという考え方は危険です。

あってほしくないことですが、何らかの事情で急に働くことが難しい状況に陥るかもしれません。

怪我や病気なら手当が出たりすることもありますが、とはいえ、収入が無いか激減した状態になるので当面の間は貯蓄を切り崩して生活していかなくてはなりません。

そこへ毎月の奨学金の返済があるとなると、最悪の場合は延滞をすることになるかもしれません。繰り上げ返済をしたがために貯蓄がなくなり、万が一のときに延滞…というのは本末転倒です。万が一のときのために生活費の半年から1年分くらいは手元に残しておくと安心です。

奨学金の繰り上げ返済を優先すると損をすることもある

ある程度まとまった貯蓄額があっても、近々車を買ったり、結婚したり…という予定があるときには繰り上げ返済をすることで損をするかもしれません。

仮に、貯蓄額をすべて奨学金の繰り上げ返済に使い、晴れて奨学金を完済したとしましょう。

しかし、貯蓄が無くなった結果、車を買うためにマイカーカーローンを組んだり、結婚式の費用にローンを組む…といったことになるかもしれません。

マイカーローンなどはローン商品の中でも低金利な部類ですが、奨学金はそれよりも非常に低い金利でお金を借りることができています。

奨学金を完済してもマイカーローンなどを組むようなことがあれば、わざわざ金利の高いローンに借り換えたようなものになってしまい結果的に多く支払いをしなくてはいけなくなる可能性が高いです。

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奨学金の繰り上げ返済を行うタイミング

メリットやデメリットを考えた上で、やはり奨学金の繰り上げ返済をしたいということであれば、タイミングを考えましょう。

たしかに、利息節約の観点から言えば、繰り上げ返済は早ければ早いほど効果が大きいです。

しかし、繰り上げ返済を行うと貯金がなくなる、繰り上げ返済を行うことでお金を新たに借りなければいけなくなるというのでは本末転倒ということも説明しました。

そこで、繰り上げ返済を行うタイミングとしては、ある程度貯金があり、近々出費の予定がないときが最適だといえるのではないでしょうか。

卒業後就職して安定した収入を得て貯金もできて結婚などの予定が当分ないときや、結婚後に子どもも産まれ住宅ローンも借りた後でまとまった貯金ができたときなど、出費が落ち着いているときが狙い目です。

ただし、奨学金が原因で住宅ローンなどが新たに組めないこともあります。マイホームを購入するのに住宅ローンを組む必要がある場合は、奨学金が返済負担率を圧迫しない程度に繰り上げ返済をしないとマイホームの購入を先送りにしなければならないこともあるでしょう。

そうした場合は、住宅ローンを組む前に一部繰り上げ返済をしておくのもひとつの手だと思います。

加減が難しいですが、たとえ貯金が繰り上げ返済をしようと思えばできるほどあるときであっても、万が一のときのための貯蓄を崩すような繰り上げ返済や、ライフイベントにともなう大きな出費の予定が迫っている場合に繰り上げ返済をするのはおすすめできません。

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