中小企業の資金繰り改善をお手伝いしたい~トムズパートナー 鈴木伸聡氏インタビュー

中小企業の資金繰り改善をお手伝いしたい~トムズパートナー 鈴木伸聡氏インタビュー

注目の資金調達手段、ファクタリング

ファクタリング事業に参入された理由について教えてください。

当社は経営コンサルティング、広告代理業などを営んできましたが、豊富な資金力がありました。それを活かした事業を考えたときに、中小企業の役に立つファクタリング事業に着目したんです。

ファクタリングの仕組みについて教えてください。

よく誤解されるのですが、ファクタリングは有価証券売買業で、金融業ではありません。

銀行やローン会社のように資金を融資するのではなく、つなぎ資金が必要なお客様から売掛金(売掛債権)を買い取り、手数料をいただくビジネスです。

ファクタリングは、もともと1900年代のアメリカで本格的に普及し、当時のアメリカの経済成長を支えた仕組みです。

支払いサイクルを前倒ししてスピーディな経営を実現できることから広まったのです。

アメリカのファクタリング市場はかなり大きいのですが、日本ではまだあまり浸透していません。なぜかというと、日本では手形のほうが盛んだったため、ファクタリングがあまり必要とされていなかったのです。

昔にくらべると、手形取引は最近マイナーですよね。

手形の割引というのは、言ってみれば手形を担保に融資を受けるということです。

手形が不渡りになったら、担保としての価値がなくなり、融資されたお金を返さなければなりません。

そもそも、中小企業が金融機関から融資を受けることは簡単ではありません。

金融機関から見ると、リターンが薄く、保証能力も低く、検討材料も少なくて融資判断が難しいからです。

このため、2005年に民法が改正され、売掛債権を譲渡することが法的に認められるようになり、ファクタリングで資金を調達するのが一般的になりつつあるわけです。

利用者にとっては融資と具体的にどこが違うのでしょう。

金融機関は企業の審査を行い、債務超過や税金・保険の未払い、赤字決算というようなマイナス要素があると、融資してくれません。

中小企業の場合、こういった問題をまったく抱えていない企業は、現実には少数なのではないでしょうか。しかも審査基準は近年ますます厳しくなっています。

ファクタリングの場合はどうかと言うと、審査の対象となるのは債権そのものの信頼性だけです。

それを売り渡す会社の財務状況がどうであっても、確実に回収できる債券であれば、買い取ることができるわけです。

ファクタリングを利用するメリットは。

じつは、ファクタリングは貸借対照表のスリム化につながるため、信用度を上げることができるんです。

銀行などでは、売上に対して売掛金の割合が高いと資金繰りが回らなくなる可能性が高いと判断します。

ファクタリングで売掛金を売却するということは、流動資産内の売掛金の項目から現金に数字が移動することですから、信用状況が向上することになります。

もちろん借入れではないので、「負債」にもなりません。

売掛金、つまり他社に対する請求書があれば、どんな会社でもファクタリングを受けられるのですか?

はい、成因証書というのですが、それがあれば何でもかまいません。

ネットでの申込みだけで、来社しなくても対応してもらえますか。

それがメインではありませんが、緊急の場合や遠方のお客様からのご依頼には対応しています。

地方のお客様も結構多いんですよ。最短は当日ですが、審査によって翌日になったり、2~3日かかる場合もあります。

金額が大きいときにはもちろん実際にお会いすることが必要ですし、審査も厳密に行います。他社のWebサイトでよく「数千万でも即日OK」と書いていたりしますが、絶対無理だと思います。

ファクタリングの審査は売掛金の信用性のみだが簡単ではない

業種、会社規模など、利用者の傾向はありますか。

建築関係、アパレル関係、医療関係など、支払いサイクルが長い業界のお客様が多いですね。

たとえば診療報酬は、国にレセプトを申請して入金が翌々月になります。1か月空いてしまうので、開業時などに困る方が多いのです。

こちらとしても売掛先が国で信用度が非常に高いため、手数料をかなり低くできます。

建築業も、着工、竣工、譲渡と入金のタイミングが限られており、その間にも下請けに費用を払わなければならないので、資金繰りに苦しんでいる会社さんが多いようです。

アパレル系も、商品を納品してから入金があるまでが長いようですね。

規模的には100万円以下、多くても300万円ぐらいまでのご相談が多いですね。

今までで一番大きな取引は。

建築系のお客様で、5,000万円の取引がありました。このお客様にはとても感謝していただき、今も別のお申込みをいただいています。

ファクタリング事業を始めて予想外だったことはありますか。

ファクタリングを利用している会社さんがとても多いことですね。

お申込みをいただくと、ファクタリングとは何か、貸付や融資ではないことなどをしっかり説明した上で、審査に入るのですが、どのお客様もよくファクタリングのことをご存じで、まったく知らないという人は珍しいくらいです。

審査というのはどんなことをするのですか。

一番確実なのは、こちらから売掛先に問い合わせて、実際にその日に入金されることを確認することです。

これは当社とお客様、売掛先の3社間契約ということになり、手数料もお安くできます。

ただ実際には、売掛金を譲渡することを取引先に知られたくないという会社さんがほとんどですから、当社とお客様の2社間契約になります。

その場合はその請求書が正しいかどうかを調べながら、売掛先の信用度を見ます。

売掛金の信用性というのは、まず売掛先の信用性ということになります。

お客様の会社が小さくても、売掛先が上場企業など信用度の高い会社なら審査に通る可能性が高くなります。

審査の結果、問題なければ、3社間契約よりは手数料が高くなりますが、買い取らせていただくことになります。

売掛先が上場企業などではない場合の審査方法は。

お会いして請求書を精査します。通帳も見せてもらいますし、税等の延滞状況なども一応確認しますし、事務所の様子も見ます。

問題は、場合によっては、請求書や通帳が偽造されていたり、同じ請求書で他社のファクタリングを申し込んでいたりするケースです。

当社独自の審査基準がありますし、相手の人となりなどをよく見るわけですが、それでもリスクはゼロではありませんから、手数料が高くなるわけです。

他社にも申し込んでいて、ファクタリング会社を比較するのはかまいませんが、すでに譲渡した請求書を買い取らせようとすることは、売掛債権の二重譲渡で詐欺罪になりますから、気をつけてほしいです。

利用者にファクタリング経験者が多いということは、悪質な利用者もいるということですね。

この事業を始めるまでは「そんな人はいないだろう」と思っていたのですが、実際にはたくさんいるんですよね。

ちょっと予想外でした。
怪しい人って、現金でやっている人が多い。
通帳を見せてもらっても、履歴がちゃんと載っていない。

「今までの入金はどうしていたんですか」と聞くと、「全部現金でもらっていました」「現金で払っていました」という答えなんですが、怪しさ爆発ですよね。

社歴が長い会社で従業員もたくさんいれば、1回のファクタリングで会社を潰したりすることはないでしょうけれども、個人事業主や従業員が1人か2人しかいないような会社は失うものが少ないですから、こちらも少し用心します。

中には、いろいろなファクタリング会社に電話していて訳わからなくなっているような人もいますから。

お客様のためになる資金調達

そういう意味では、社歴が浅い会社や従業員の少ない会社を審査するのは、難しそうですね。

先ほどもいったように独自の審査基準があるのですが、たとえば300万円の請求書を「買い取ってくれ」というお客様には、売ったお金を何に使うのかということも聞きます。

本来入金されるその300万円がなくなるわけですから、そのときにまたお金が足りなくなるのではないか。

高い手数料を払ってまたファクタリングするのか。

ずっと前借りのようにファクタリングを続けていたら、そのうち、会社が破綻してしまう可能性が高くなります。

だから、半年ほどかけて、300万円から250万、100万円と減らしていきましょうという提案もします。

1回だけのファクタリングで、「何に使いますか」「それは言えない」という話だと、ちょっと買い取らないかもしれませんね。

単にお金を貸すだけの金融業とは異なる点ですね。

そうですね。私たちは、お金を貸して取り立てるだけではなく、お客様の資金繰りを改善するお手伝いをしたいんです。

1回のファクタリングで改善されるならOKですが、今言ったように、ファクタリングしてしまうと、翌月にその金額分が足りなくなるはずですから、どうするかを一緒に考えます。

手数料も下げるから買い取る額も下げて、少しずつでも改善していかないと、お互いに良い結果になりません。

ファクタリングのご相談に来るお客様の多くは、基本的にずっと資金が足りないんです。

それをどうしていくか。
ずっとファクタリングに頼って自転車操業をしていたら、破滅するリスクが高くなります。

それは当社としてもお勧めできない。だから、最終的にはファクタリングに頼らずに資金繰りを改善していけるようにアドバイスしています。

日本でファクタリングがさらに一般的になるためには、利用者も含めて、業界の信用性を上げていくことが必要ですね。

ファクタリング会社の中には、法人としての実態がわからないような怪しい会社もあります。

契約書すら出さないでファクタリングするような会社もあるようです。業界のイメージをアップしていくためにはやはり協会などが必要なのかもしれません。

当社はまだ参入して日が浅く、ホームページもこれから充実させて、信用できるきちんとした会社であることをアピールしていく予定です。手数料も他社に負けないように設定しています。

これからも中小企業のお客様の目線に立ったアドバイスもしながら、資金繰りを改善するお手伝いをしてきたいと思います。

社名:株式会社トムズ(トムズ・パートナー)
所在地:東京都荒川区東日暮里5-45-10 能美ビル5F
業務内容:ファクタリング事業、経営コンサルティング事業、各種コンサルティング事業、広告代理業
サービスサイト:https://toms-net.jp/

取材日:2019年4月22日

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